夏の庭

小学６年生の男の子仲良し３人組
うち一人の子の祖母が亡くなり
葬式や火葬の様子を聞いたことから
人間の死というものに興味を持つ
そのターゲットになったのが
近所に住むおじいさん

３人組に見張られることになったおじいさんの
生活の変化がおもしろい

子供たちと年寄りのふれあい
年寄りってまわりの接し方で
こんなに生き方が変わるんだ
子供たちのおかげでこのおじいさんの最後は
幸せなものになったのではないかな

子供たちもおじいさんから学んだことは多い

三人のうちの山下君
勉強も運動も苦手でも
家が魚屋なので包丁さばきという
自慢できるものが一つあり
この年から進みたい道がしっかり決まっているなんてすごいよ

でもさ河辺君をチェコにまで行かせることないんじゃないかなあ
どうしてチェコ？
北海道や九州でもいいじゃないか
外国ならアメリカとか・・・
あまり日本人になじみのないチェコだなんて・・・

いつまでも助け合える仲良し３人組でいてほしいよ

心晴日和 喜多川泰

中学校でシカトされている美輝
それが原因で体調不良
そして不登校

検査のため訪れた病院で井之尾という老人と仲良くなる

彼から教わったいろいろなことは
美輝の生き方に対する考え方を
大きく変えていく

自分が変われば周りも変わる

人間は自分が探しているものしか見つけられない

人生において起こるすべてのことの原因は自分にある
いいことも悪いことも過去の自分のしたことが原因になって起こる

言葉を変える
自分を明るく、強く、幸せにするような言葉だけを自分にかけ続ける

世の中のいじめがこの本のように思い行動することで
ゼロになるわけでは決してないけれど
力を与えてくれる気がする

そして素敵な女性に成長した二十八歳の美輝の素敵な出会い！！

私的には中学生時代に仲良くなった留美という子がすごく魅力的に思う
友達とつるんだりしない
それでいて自分の世界をしっかり持っている

自立とはどんなことが起こっても
自分の責任としてとらえ
前に進む生き方をすると決めた人が手にするものだ

二十代以前に読みたかった本だ

妻の超然 絲山秋子

妻の理津子４８歳
夫　文麿は五才年下

夫が浮気している！？

ユニクロのパンツしかはかないのに
ブランド物のパンツが登場！！

だからって理津子は騒がない
静観・・・

心の中で葛藤

自宅に自分と夫以外の陰毛が落ちていて
夫の見える所に張り付けておき
それでも騒がない様は恐ろしくもある


理津子にはストーカーがいて
そのことを親友に相談したら
ストーカー宛の手紙を書いてくれた
それを渡したら効果あり！！

内容知りたいです
ストーカーを人間扱いって
どんな？

２作目の「下戸の超然」
酒が飲めないってつらいんだなあ
憂さ晴らしにヤケ酒
なんてこともできない

男が飲めて
女が飲めないってのはいいけど
逆はうまくいかないことが多いか？
男の方の心の広さが必要かも

３作目「作家の超然」
これって絲山さん自身のことですよね
入院の準備から
手術前の日
全身麻酔は２秒とかからない
寝返りを打ちたいけど打てない
一つ一つうなづいてしまう

自分のことおまえっていう表現
読んでいてつらい苦しいヨ・・・
君は～がいい
男性にもおまえって呼ばれるのはいやだヨ

君って素敵！！
ただこの話に合うかどうかと
作者の意図等はわかりませぬが

ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦

アオヤマ少年の聡明さに感服

なんでもノートにメモを取る姿勢は見習いたい

いじめにあった時も
どういう態度に出れば相手が喜び
いじめがエスカレートするかを
鋭く分析し
対処している

勉強のことにはほとんど触れていないが
こんなにいろんなことに興味を持ち
充実した小学校生活を送れるなんて
うらやましい

人はみんないずれ死ぬんだと
気づいたのはいつのことだろう

アオヤマ少年の妹と同じ頃
気づいていただろうか？？

歯医者のお姉さん
結局正体は？

ペンギンを生み出す海の精？

いじめっ子のスズキ君が
どうしても爆笑問題の太田さんをイメージしてしまう・・・

ゴランノスポン 町田康

ゴランノスポン？
どういう意味か？

検索するとこの本が出てくるだけ

ご覧のスポンサーでお送りします
の略か？

一番印象に残ったのは
「一般の魔力」
薄田併義（うすだ？？よし）
妻　葵子（あおいこ？）
娘　弥香（やか？）
フリガナなくて読めんわ

自分勝手な夫婦
すべて自分たちが正しいと思い込んでいる

駐車場でのろのろ入れている車に対して
無言のプレッシャーを与える

スーパーの通路に立ちふさがって
品定めしている人に
声も掛けずにぶつかって通ろうとする

早いレジに争って並ぶ

隣家の雑草が自分の家にまで生えてきたので
隣りの住民が旅行中に
除草剤をまき
そのせいで死んだ隣の家の猫を
遠くまで埋めに行く

そこでみつけた捨て犬
その命を思う併義の投稿が新聞に掲載される
矛盾に気づかず喜ぶ夫婦

そして起こる事件

スーパーでの出来事は
ここまでひどくはないが
思い当たることがあり
文章で読むとなんて嫌な人間だと猛省・・・

路地裏ビルヂング 三羽省吾

路地裏ビルヂング
正式名称　辻堂ビルヂング
ビルディングではなくビルヂング
どうしてなのかは最後までわからず

そのビルで働く人達の人間模様

健康食品の販売会社
制服は真っ黄色のジャケット
阪神ファンみたいだと
話の最後の方ではそこの社員が虎キチ
と呼ばれている

保育園
無認可だから
認可では受け入れられない子が多い
月齢に達しない乳幼児
障害のある子
親が深夜まで働いている子など
そこで働くおばさん
５０過ぎてやるべき道がみつかった！！

学習塾
有名大学を出て
就職せず
資格を取ると言って
勉強しながら塾の教師のアルバイトをしている大貫

そこに通う小学生のヤマト
母親はシングルマザー
弟を保育園に預けている

不動産屋の電話相談　セールスの窓口
町内では車上荒らし　引ったくり　侵入窃盗が多発していた
不動産屋社員の桜井は
苦情処理担当の上司がストレス発散のため
やっているのではと疑ってしまう

広告代理店
広告代理店と聞くと
格好いいイメージだが
徹夜続きで大変そう
作者の三羽さんは
広告代理店勤務だったらしいから
だいたいが近い生活をしていたのだろう

一階は度々内容が変わる料理屋
そこにいる正体不明の老人
従業員はこれまた正体がわからない外国人

このビルが道路拡張による
立ち退きの危機に！！

本の表紙は登場人物を人形で表している
裏表紙には店子たちとして
登場人物が紹介してあるが
なぜかそれは主な登場人物ではなく
脇役がほとんど

神様のいない日本シリーズ 田中慎弥

小学４年生の息子　香折（かおり）
学校でいじめにあい
部屋に閉じこもってしまった

その息子にドア越しに話す父親の一方的な話で終始する

いじめの原因はその女の子みたいな名前と
今は失踪している祖父の事

祖父は昔野球バットで飼っていた豚を
殴り殺したことがあった

その事は町内でも有名な話だった

他にも飼っていたウサギが犬に殺される様など
読んでいてゾッとする
そこで読むのをやめようかと思った

が１９５８年の日本シリーズの話になり
読み進めていった
その年の日本シリーズは巨人対西鉄ライオンズ
巨人川上が引退して
長嶋がデビューした年
先に３勝して王手をかけた巨人が
その後４敗して日本一を逃す・・・
アンチ巨人としては最高の話！！

そして１９８６年
広島対西武ライオンズ
広島の山本浩二が引退して
西武の清原がデビューした年
２８年前と同じ事が起きる
先に３勝していながら
広島は負ける

１９５８年は祖父が豚を殺した年

１９８６年は息子である香折の父が
日本シリーズの間
野球より大好きな女の子と文化祭の出し物
演劇の稽古に夢中になった年
その劇は「ゴドーを待ちながら」
ゴドーとはゴッド
つまり神？
それはまるで失踪して父を待つ
妻と息子のような・・・

ほのかなひかり 森浩美

家族や人生をテーマにした話が８話

聖夜のメール

事故で夫を亡くし
十歳の息子と二人暮らしの綾子
辛い事があったら声に出して愚痴るといいという
先輩のアドバイスで
口には出せないが
亡き夫が残したケータイにメールを送ってみた
それからはいろんなことをメールで
夫に話すようになり
綾子が明るくなる
そして反抗期の息子の思いやり・・・

想い出バトン

一昔前のテレビの一時間ホームドラマのような話
娘を嫁がせる前の家族の様子

噛み合わせ

キャリアウーマンの吉岡
（もう一度見直しても下の名前が出ていないような…）
プレゼンの前に歯が痛み出し
近くの歯医者へ行ってみたら
その歯科医は５年前に
理由も告げず自分の前から去った男だった
その原因とは？

リリーフはいない

上司が仕事帰りに部下二人を連れ
横浜スタジアムへ！！
部下の一人が会社を辞めたいと言い出したからだ
「ピッチャーならリリーフもいる
仕事だって代わりの人間ならいくらでもいる
でも人生はそうはいかない
人生のマウンドは一度上がってしまったら
自分ひとりで投げ抜くしかない
先発完投
どんなに苦しくても誰もリリーフはいない
マウンドを降りる時が死ぬ時だ

じゃあまたな

大会社の社長の一人息子
父親に勘当され
先輩の会社の世話になる
ところが社長である父親が急死
跡取り息子は父親の会社の専務に・・・
会社の経営が芳しくなく
下請けをきることになった
その会社は先輩の会社
そのことを伝えるため
先輩に会うことに・・・

ワイシャツの裏表

結婚３年目のさゆり
夫が浮気している・・・
ワイシャツに香水の匂い
ケータイを操作して夫に成りすまし
浮気相手に会うことになった

褒め屋

仕事を一生懸命やってきて
それなりに業績もあげているのに
会社では浮いた存在
一人深酒し
その勢いで電話した先は褒め屋
依頼主を褒めまくる？？

トイレットペーパーの芯

これもテレビのホームドラマ
夫婦二人暮らし
子供は独立し
家は築４０年以上
子供は作らない予定の娘が妊娠・・・

理屈が通らねえ 岩井三四二

御家人の三男坊　二文字厚助
算法の長谷部塾の高弟

ある旗本が十字環の問題を解いた者には
十両の賞金を出すとし
厚助が正解
「算法見台」に名前が載り
勘定衆御家人に婿入りする話まで来たのに
上方から来た安藤曲角なる人物が
その答えを否定
別の答えを出してきた

そのため厚助の名誉は取り上げられ
婿入り話も破談

旅立った曲角をつかまえ
その解き方を教えてもらおうと
厚助も後を追って旅に出た

その途中に立ち寄った村々で
算法を教えながら
そこで発生している問題を解決していくのだが

どれもこれも一筋縄では解決しない問題ばかり

ほかげ橋夕景 山本一力

第一話　泣き笑い

江戸の町の子供たちの間で
駄菓子屋で売っている
閻魔さまや鬼　大蛇が描かれた木の絵札を
集めるのがはやる
今ならポケモンカード集めみたいな？

子供たちの間ではそれが取っただの取られただの
揉め事の原因になるんだな

今も大して変わらないな

清吉は息子の金太に真実を言わせるため
自分が父親から言われたことを思い出して
八幡様の御守木札を噛ませようとする
少しでも嘘をついていたら
噛むといきなり真っ赤な血を吐いて死ぬと・・・
子供心には恐ろしいわな～～

第二話　湯飲み千両

瓦問屋　三河屋の内儀　つる
夫に裏切られ
自分の過ちで長女を死なせたために
次女と跡取り息子にも避けられてしまう

それでもつるは家族のために生きるのだ

第三話　言えねえずら

清水の次郎長の実話なんだろうか？
最後に参考資料とあるが？？

酒好きの次郎長が酒を断った理由がわかる

第四話　不意峨朗

喜一郎は江戸から京に移り住み
舞妓たちの髪結いをしていた

ある日江戸に戻れという
夢のお告げを受ける
これまで夢のお告げで助けられてきた喜一郎は
江戸に戻る

それは命を懸けて
江戸を守るためだった

喜一郎の行動は
今回の大震災と重なる
これと似たような行動を取って
命を落とした人も
たくさんいただろう

第五話　藍染めの

伊勢型紙彫りの職人　佐五郎
親方の娘さゆりを好きになるが
さゆりには他に好きな男がいて
逢瀬の隠れ蓑にされたり
佐五郎をダシに使って
その男と一夜を過ごしたりしたが
さゆりはその男に裏切られ
自害しようとする

結論は出てるわな
佐五郎とさゆりはたぶん結ばれるんだわ

第六話　お燈まつり

傘張り職人　光太朗
所帯を持とうと約束していたおみさを
事故で亡くしてしまう

その痛みを忘れるために
紀州新宮に移るが
そこでおみさそっくりのかすみという女と出会う
親しくなっていく二人
その二人に嫉妬する男
その男のために何とかしようとする配下の者たち
その男たちの企みで
光太郎はお燈まつりに参加することになってしまう
お燈まつりの様子は飛ばして読んでしまった

飲み屋で常連客ぶって
いつもの　と言うのは野暮らしい
店のほうからいつものにしやすか？
と問いかけるもんなんだって

第七話　銀子三枚

「プリンセス　トヨトミ」の映画を観た後にこれを読むとは・・・
豊臣と徳川の戦いになったら
徳川が勝ち
豊臣に関わった人々は
全滅させられるからと
秀吉配下にあった長宗我部家の当主元親は
一族の血を絶やさないために
側室に生ませた子を匿う

第八話　ほかげ橋夕景

おすみは早くに母親を亡くし
父親で大工の傳次郎と二人暮らし
そのおすみが
同じ大工の浩太郎と所帯を持つことになる
祝言間近の娘に冷たくする父
その父親の心情は？