東京シティフィルの第200回定期演奏会。東京オペラシティにて。
200回記念ということで、飯守泰次郎&矢崎彦太郎の二枚看板がともに出演、何やら趣向もあるとのこと、これは聞きに行かねばなるまい。
チラシに出ていた今回のタイトルは、
「記念ガラ~飯守&矢崎の愉快な・・・」。
愉快といえば、指揮者2名によるご挨拶のトーク。漫才みたいで楽しい(矢崎さんはボケもツッコミもナイスだな)。
プロコフィエフ:古典交響曲 ニ長調 作品25(交響曲第1番)
ラヴェル:ラ・ヴァルス
リスト:交響詩「レ・プレリュード」
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
どちらがどの曲を振るかは当日のおたのしみ、とのこと。ふつうに予想すれば日頃のレパートリーからして前半2曲が矢崎、後半2曲が飯守なのだが。
実際は、矢崎、飯守、が交互に登場。
結果、飯守の「ラ・ヴァルス」を聴けたのが本日いちばんの収穫か。重く厚く、異様な不気味さがあって、実にユニーク。どろどろの爛熟。途中までは。だんだん雲が晴れていくように明るくなって、硬めな響きに変化していき、リズムの急変する終結部では、エレガントな揺らぎとか、イリュージョンが崩壊していく感じとかではなく、かっちりジャン!ジャン!と締めた。設計してこうなったのか、指揮者のカラーが自ずと出たのかは知らないが、面白く、興奮した。
本編のあとは、合唱団も登場し、祝典のアンコール大会。矢崎指揮でヴェルディ「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」、飯守指揮でJ.シュトラウス2世を2曲、「コヴェントガーデンの思い出」、「こうもり」からシャンパンの歌、最後は指揮者無しで「ラデツキー行進曲」。聴衆も手拍子で参加、ニューイヤーコンサートみたい。
30年の歴史、200回の定期。立派なことだが、現状は厳しい。
もっと世間にアピールしないと。
camera: Fuji NATURA BLACK F1.9 film: Fuji NATURA1600