メトロポリタン歌劇場来日公演。NHKホールにて「ワルキューレ」。
さすが世界最大のオペラハウスの公演、その底力は十分実感。
オットー・シェンク演出の、伝説的というか、定番というか、時代遅れというか(笑)、DVDでもお馴染みのあの豪華な舞台が再現され、まさに“超”がつく豪華キャストの面々が至芸を披露して、ゴージャス、ゴージャス。
レヴァインが怪我のため来日不可となり、指揮者は代役が立てられた。
「ワルキューレ」は全4回公演のうち最終日の本日だけは英国の名匠サー・アンドリュー・デイヴィス(他の3回はC.エッシェンバッハ)。
A.デイヴィスといえばエルガーやヴォーン=ウィリアムズのシンフォニーのCDでしか知らなかったので、どんなワーグナーになるのか興味津々。代役だけに万全とはいかなかったが、全体的にはなかなか良かったと思う。丁寧な音作りに好感。速めのテンポで明るく透明感のある響きを志向。重厚さはまるでなかったけど、こういうワーグナーも案外悪くない。
<主な配役>
ジークムント:プラシド・ドミンゴ
ジークリンデ:デボラ・ヴォイト
フンディング:ルネ・パーペ
ヴォータン:ジェームズ・モリス
ブリュンヒルデ:デボラ・ポラスキ
フリッカ:イヴォンヌ・ナエフ
↑見よ、この強力な陣容。
大好きな「ワルキューレ」の実演を全く穴のない配役で聞けるこの嬉しさ!
高齢のドミンゴはさすがに衰えを隠せず心配されたが、要所要所での「説得力」ある歌唱に感服。
モリスは17年前に収録されたDVDのものより遥かにヴォータンらしい風格が備わっていたし、ポラスキは私が2002年にベルリン国立歌劇場来日公演で聞いたときより声の伸びが良かった。
幸運にも最廉価のF席が取れて、で、これだけ楽しめたので今回の費用対効果は ∞ なり。
camera: Pentax MZ-M + K28mmF3.5 film: Konica CENTURIA PORTRAIT400