DAILY DESIGN.

      

兵庫県立美術館

2006-11-19 | Weblog
ちょっと前に兵庫県立美術館に行きました。
今もまだしているけど、ちょうど「エコール・ド・パリ展」がやっていた。
ついでに行ったのもあって、
あまり期待していなかったけどすばらしく良かったです。

20世紀前半のパリはとても華やかで、
才能のぶつかる場所だったのかな~などど勝手な想像がでてくるくらい、どの作品も個性的でよかった。

個人的な意見でなんだけれど、
今の芸術の考え方とこの時代の芸術に対しての考え方を比べて考えると、
今はとても表層的で刹那な考え方な気がした。
エコール・ド・パリ展の作品は作風や表現方法は違えど、
何となく一貫した時代の景色やら生活する人が見える気がするのに、
今の現代美術は「面白さ」「奇抜さ」とかいう、
一瞬の感情的なものしか見えない気がする。

もちろんそれが悪いとはまったく思わないし、
そういう普通に生活してる上で気づかない視点を表現するっていうのは見る人にもとても良いとは思うけれど、この展覧会みたいに100年近く経ってから作品を見た時に、見に来た人は何かを感じ取れるのかな?と疑問に思ったわけです。

デザインっていう仕事もその時代に合ったカタチ(造形やら顧客のニーズ)を作っていくけど、もっと大きな流れを感じて、ずっと美しいと思われるようなものを作っていきたいものです。
まあ会社に居るとなかなかそういうデザインは聞き入れられないけれど。

写真は兵庫県立美術館の地価駐車場へ向かう階段。
この建築はスケールが大きいんだけど、
こういうディテールには安藤さんらしい狭い狭い空間が活きています。
この階段、どってことないんだけど好きなんです。
ただ駐車場とつながるだけの階段なのにとても存在感がある。
何故だろう?

いつもここを通るたびに「何かもっと使用目的がある筈!」と思うけど何もない。
ふと思ったんだけど、建築にも美術にもデザインにも必要なのは
「ユーザーに考える余地を与える事」なのかも知れませんねえ。