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アミノ酸の欠乏が腎細胞癌を殺す

2016-02-10 06:06:42 | 
Nutrient deprivation kills kidney cancer cells

Cutting off amino acid triggers cell death in cancers

February 3, 2016

http://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160203150121.htm



(腎細胞癌の大部分はVHLという腫瘍抑制遺伝子が失われている
栄養素がすべて存在している時の腎細胞癌は健康なままだが(左)、アミノ酸のシスチンという栄養素が欠乏すると急速に膨張してネクローシスする(右)

Credit: Chien-Kuang Ding, Duke University)

すべての細胞は栄養素を必要とするが、癌細胞は『貪欲power hungry』なことで有名である
結果として、癌細胞は生き残って増殖して転移するために必要な追加燃料を供給すべく、代謝を変化させる必要がある
この貪欲greedyな代謝を科学者は何十年間も治療の標的として利用しようとしてきた

※power-hungry: 力に飢えている、権力欲が強い

デューク大学の研究者は腎細胞癌/renal cell carcinomaの有望な標的を発見した
この研究はCancer Research誌のオンライン版で2月1日に発表されたもので、
それによると腎細胞癌はその大部分が代謝の配線を変化させ、シスチンという外側の栄養素に依存した状態のままだという
腎細胞癌のマウスモデルで細胞からアミノ酸のシスチンを奪って欠乏させると、ネクローシスという細胞死を引き起こした

※シスチン: システインが酸化されて2分子結合したもの

「これらの腫瘍を非常に悪性にするのと同じ仕組みが、栄養素の欠乏に対して脆弱にするということを我々は発見した」
デューク大学医学部で分子生物学・微生物学の准教授associate professorであり、研究の首席著者senior study authorのJen-Tsan Ashley Chi, Ph.D.は言う

「それはまるで、相手が得意な分野で逆にやっつけてやるbeating it at its own gameかのようである」

彼は今回の研究が腎細胞癌の治療に向けた新しい有望なアプローチを示すものだという
腎細胞癌は歴史的に非常に治癒が難しいとされてきた癌であり、年間10万人以上がこの癌で死ぬ


腎細胞癌の症例の内、約4分の3はVHLという腫瘍抑制遺伝子が失われているのが特徴である
Chiと彼のラボでpost-doctoral fellowである筆頭著者のXiaohu Tangは、
このたった一つの遺伝子の変化がどのようにして癌細胞の代謝や栄養素の必要性に影響しうるのかを調べようと決めた

※VHL: フォン・ヒッペル-リンダウ(VHL)病の原因遺伝子。VHL病の35~45%は淡明細胞型clear cellの腎癌で死亡する

Tangは癌細胞で栄養素の欠乏テストを実施し、培養器から15のアミノ酸を一つ一つ取り除いた
ほとんどの場合で癌細胞は変化を非常にうまく切り抜けweather、増殖を遅らせるか正常のままだった
しかし、シスチンを取り除くと癌細胞は膨れ上がって表面に浮き上がり、ネクローシスという細胞死の確かな兆候を示した

研究者は次に数多くの遺伝子分析を実施し、それらをつなぎ合わせてpiece together、シスチンに依存する原因となる遺伝子ネットワークの全容を明らかにした

通常、VHL遺伝子はTNF-αという遺伝子を抑制するように働く
VHLが失われると、高レベルのTNF-αがより悪性な形態の癌を生み出し、より急速に増殖して、危険なフリーラジカルを大量に噴出する

シスチンは抗酸化剤を高レベルに維持し、酸素のフリーラジカルを無効化する
そのため、シスチンを取り除くと癌細胞は自分自身のフリーラジカルの手によって必然的に死ぬ

研究者はこのアプローチが組織培養細胞とマウスで成功することを示した
Tangたちはデュークがん研究所のDavid Hsu博士と協力して腎細胞癌の腫瘍をマウスに移植し、そのマウスにスルファサラジンsulfasalazineを投与した
スルファサラジンはシスチンの取り込みを阻害する薬剤であり、その投与はネクローシスを誘発して腫瘍の増殖を著しく遅らせた

この癌を完全に打ち負かすためにはさらに強力な薬剤が必要だろうとChiは言う
しかし彼は、アポトーシスapoptosisではなくネクローシスnecrosisによって癌を標的にして破壊することが治療として非常に有望だと考えている

「ほとんどの化学療法はアポトーシスによって癌細胞を殺すが、
アポトーシスを回避する癌細胞は化学療法への抵抗性と腫瘍進行の根本的原因である」
Chiは言う

「シスチンの欠乏による治療はアポトーシスとは異なるメカニズムを通じて癌細胞を殺すことにより、そのような抵抗性に対処する」


http://dx.doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-2328
Cystine deprivation triggers programmed necrosis in VHL-deficient renal cell carcinomas.
シスチン欠乏はVHL欠損腎細胞癌にプログラムネクローシス細胞死を引き起こす

腫瘍形成性/発癌性の形質転換oncogenic transformationは、腫瘍の代謝を再プログラムして癌細胞を細胞外栄養素へ依存させる可能性がある
ゆえに、そのような栄養素を欠乏させることは治療機会を表すが、どの栄養素に癌細胞が依存するのかを予測するのは困難である

今回我々は栄養遺伝子学的/nutrigenetic
https://en.wikipedia.org/wiki/Nutrigenetics
なスクリーニングを実施し、15種類のアミノ酸それぞれを欠乏させた上で
VHLを持つまたはVHLを持たない明細胞腎臓癌/clear-cell renal cancer cell(ccRCC)で、
同遺伝子系isogenicのペアとなる表現型を決定した


実験の結果、シスチンの欠乏がVHLを欠損する細胞系統ならびに初代ccRCC腫瘍細胞においてプログラム細胞死のネクローシスを急速に引き起こしたが、
VHLを回復させた対照の細胞ではネクローシスは起きなかった

シスチン取り込みの阻害はccRCCの異種移植の増殖を有意に遅らせた

重要な事に、シスチン欠乏はVHLの状態に関わらず同様の代謝的な変化を引き起こした
これはVHL欠損細胞とVLH回復細胞の間で観察された異なる運命を説明するためには、代謝的な応答だけでは十分ではないということを示唆する

代わりに、我々はVHL喪失と関連してTNFαレベルが上昇し、
それによりVHL欠損細胞はアポトーシスを阻止するために完全なRIPK1に依存することを発見した

しかしながら、既に存在するTNFα発現上昇により、
VHL欠損細胞は『シスチン欠乏によって引き起こされるネクローシス』に感受性になる

我々はさらに、
Src - p38 (MAPK14) - Noxa (PMAIP1) というシグナル伝達と
TNFα - RIP1/3 (RIPK1/RIPK3) - MLKL というネクローシス経路が
お互いに増幅reciprocal amplificationして、シスチン欠乏によるネクローシスを促進することを発見した


まとめると、我々の研究結果はVHL欠損RCC細胞におけるシスチン欠乏が魅力的な治療の機会をもたらすことを明らかにする
これは薬剤抵抗性の腫瘍細胞に特有のアポトーシス回避メカニズムを迂回する



関連サイト
http://wholefoodcatalog.com/nutrient/cystine/foods/high/
シスチンを多く含む食品
ラッカセイ(乾)510 mg、カシューナッツ(フライ、味付け) 490 mg、アーモンド(乾)300 mg、クルミ(いり)280 mg、納豆(糸引き納豆)290 mg、



参考サイト
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13125598773
糖質制限中で、間食にはナッツかチーズと教わり、ナッツを食べはじめました。
現在、1日にアーモンドを25粒食べていますが、クルミ、カシューナッツも好きです。
 

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