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ファンコーニ貧血とDNA修復経路

2015-08-18 05:48:41 | 
Mutations linked to genetic disorders shed light on a crucial DNA repair pathway

August 7, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150807220752.htm

DNA損傷の一つ、鎖間架橋interstrand crosslink/ICLについて

※DNA損傷には「鎖間架橋」の他に「二本鎖切断」「ミスマッチ」「シクロブタン型ピリミジンダイマー」などがある



細胞がどのようにして鎖間架橋を発見して修復するのかを調べるため、
ロックフェラー大学の研究者は修復プロセスに欠陥がある患者のゲノムを調べた


そうして発見された2つの新しい遺伝子のうち、Molecular Cellの8月6日号ではRAD51について報告する
RAD51とUBE2Tという2つの遺伝子の変異はまれな遺伝子疾患であるファンコーニ貧血を引き起こす

「我々は患者のサンプルと病歴を調べるところから始めた。その2人はファンコーニ貧血の症状はあるが、遺伝子の原因がわかっていなかった」
首席著者のAgata Smogorzewskaは言う
「研究により一人からはRAD51タンパク質に欠陥が見つかり、 もう一人からは同様にUBE2Tタンパク質に異常があった」

※ファンコーニ貧血は8つの亜群(A-H群)に分けられ、原因遺伝子としてA群(FANCA)、C群(FANCC)、G群(FANCG)、F群(FANCF)の4つが同定されている



RAD51とUBE2Tは鎖間架橋修復interstrand crosslink repairという修復プロセスに関わり、それにより二本鎖間の間違った位置での結合は修復される


鎖間架橋/ICLは、
 シスプラチンのような化学療法、
 アルデヒド、
 硝酸nitrateを食べた後に生じる亜硝酸nitrous acid
によって引き起こされる
ICLはDNAの複製を阻害し、細胞分裂時のゲノムの正確な複製が不可能になる

ICLの修復プロセスは非常に複雑でありsophisticated、多くの酵素を使ってDNA鎖間のつながりを切り離す
それにより細胞は増殖できるようになる

ゲノムは常にICL形成のリスクがあり、ICL修復経路の欠陥はファンコーニ貧血と関連する様々な症状a constellation of symptomsを生じる
それは例えば癌になりやすかったり、骨髄で血球を作る幹細胞の欠陥、不妊、成長不全などである


Smogorzewskaラボのpostdoctoral fellowである筆頭著者のAnderson Wangたちはファンコーニ貧血のような症状の少女のゲノムを配列決定し、RAD51をコードする遺伝子の2コピーの1つに変異を発見した
これは驚くべき「犯人」だった
RAD51はDNA修復プロセスの一つである相同組換えhomologous recombinationにおいて重要であることは既に知られていたが、相同組換えはICL修復の最後の段階(架橋crosslinkが切断された後)で使われると考えられていた
しかし、RAD51遺伝子の1コピーにのみ異常がある状態で少女の細胞はまだ相同組換えが可能だったが、ICL修復はできなかった


RAD51の1コピーの異常が症状の原因かを調べるため、研究者たちが彼女の細胞から異常を取り除いたところ、細胞はICLを修復する能力を回復した
共著者のカリフォルニア大学デイビスのStephen KowalczykowskiラボはRAD51が相同組換え以外での役割があると考えており、それは2つの酵素、DNA2とWRNを抑制することによるという
それらはICLでDNAを分解し、RAD51に異常があるとそれらは過剰に破壊的になる



Cell Reportsで7月7日に報告されたUBE2Tの研究では、
Smogorzewskaラボの筆頭著者Kimberly RickmanはUBE2Tの変異が別の患者の症状を説明できることを発見した
UBE2Tは既にICL修復の活性化に関与することが知られている
この発見によりUBE2TはICL修復経路で置き換えることのできないタンパク質であることが明らかになった


http://dx.doi.org/10.1016/j.molcel.2015.07.009
A Dominant Mutation in Human RAD51 Reveals Its Function in DNA Interstrand Crosslink Repair Independent of Homologous Recombination.


Highlights
・RAD51のT131P変異を発現する細胞はICL修復に失敗するが、相同組換えは問題なくできる

・RAD51のT131P変異はATPアーゼ活性の調節を狂わせて野生型RAD51を阻害する

Summary
RAD51/FANCR


http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2015.06.014
Deficiency of UBE2T, the E2 Ubiquitin Ligase Necessary for FANCD2 and FANCI Ubiquitination, Causes FA-T Subtype of Fanconi Anemia


ファンコーニ貧血は原因遺伝子として17の変異が知られている(FANCA-FANCS)

ユビキチン結合酵素E2であるUBE2Tが新しくFANCTとして加わる

UBE2TはE3ユビキチンリガーゼ複合体の構成要素であるFANCLと相互作用し、UBE2TはFANCD2とFANCIのモノユビキチン化に必須である


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