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2015年2月25日

2015-03-01 23:33:41 | 代謝

オメガ3脂肪酸とビタミンDは脳のセロトニンを制御し、行動と精神の障害に影響するかもしれない
Omega-3 fatty acids, vitamin D may control brain serotonin, affecting behavior and psychiatric disorders



海産物に豊富な必須脂肪酸のオメガ3とビタミンDは特定の脳障害と関連する認知機能と行動を改善することが示されたにもかかわらず、根底にあるメカニズムは不明だった。FASEB誌で発表される新しい論文では、ビタミンDと海産物のオメガ3脂肪酸が様々な脳障害と関連する症状を改善する理由についてのミッシングリンク(missing link; 隠された手がかり)はセロトニンかもしれないと説明する。

昨年発表された論文で著者のPatrickとAmesは、必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンへの変換をビタミンDが調節するという発見の意味について論じ、特にビタミンDの状態が悪い発育中の子供においてどのように自閉症の発症に影響するのかについて述べた。

今回彼らはこれらの微量栄養素(micronutrient)と神経精神病学的な疾患との関連について論じた。セロトニンは、気分や意思決定(decision-making)、社会的行動、衝動的行動など広範囲の認知機能と行動に影響を及ぼし、攻撃的な社会的反応(aggressive social responses)や衝動的行動を抑制することで社会的な意思決定にさえ関与する。多くの臨床的な障害(例えば自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、双極性障害、統合失調症、鬱病)は、統一的な特性として脳のセロトニン濃度の低さを共有する。

「本論文で我々は、セロトニンがどのようにして実行機能(executive function)、衝動調節(impulse control)、感覚ゲート(sensory gating)、向社会的行動(pro-social behavior)を調節するのかについて説明する」、Patrick博士は言う。

「我々はセロトニンの生成と機能をビタミンDとオメガ3脂肪酸に関連づけ、これらの重要な微量栄養素がどのように脳の機能を助けて我々のふるまい方に影響を及ぼすのかを示す。」



エイコサペンタエン酸(EPA)は脳でプロスタグランジンE2(PGE2)という炎症性シグナル分子を減少させることによりシナプス前ニューロンからのセロトニン分泌を増加させ、PGE2はセロトニン分泌を阻害する。EPAは、炎症がどのようにして脳のセロトニンに対して負に影響するのかを示唆する。

しかし、EPAはセロトニン経路に関与する唯一のオメガ3でない。ドコサヘキサエン酸(DHA)はシナプス後ニューロンで細胞膜の流動性を増加させて受容体をセロトニンへアクセスしやすくすることにより、さまざまなセロトニン受容体の作用に影響する。

彼らの論文はビタミンDの低さ(大部分は日光に当たった時に皮膚によって作られる)と海産物のオメガ3の欠乏がなぜセロトニン経路のような遺伝子の経路と相互作用するかについて説明し、それらの機械論的な関連を明らかにする。セロトニン経路は脳の発達、社会的な認知、意思決定にとって重要であり、これらの遺伝子-微量栄養素の相互作用はどのようにして神経精神病学的な転帰に影響するかについて考察する。

「ビタミンDはステロイドホルモンに変換されて約1,000の遺伝子(その多くが脳内にある)を制御するが、アメリカ人には不足している。アメリカ人は魚を十分に食べないのでオメガ3脂肪酸欠乏も非常に広くみられる」、Ames博士は言う。

この発表は、ビタミンD、EPA、DHAの最適な摂取が、脳のセロトニン濃度と機能を最適化することを示唆する。脳の障害と関連する症状のいくらかをおそらく予防して、副作用なく改善する。

記事出典:
上記の記事は、UCSF Benioff Children's Hospital Oaklandによって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.ビタミンDとオメガ3脂肪酸はセロトニンの合成と作用を制御する、パート2:
ADHD、双極性障害、統合失調症、衝動的行動との関連。

FASEB、2015年2月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/02/150225094109.htm

<コメント>
1年前のPart1の続きです。


http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/ad06785ebedd4298b25fb41fb68eee65
ビタミンDは、必須アミノ酸のトリプトファンを変換して脳でセロトニンに作る酵素のトリプトファンヒドロキシラーゼ2(TPH2)を活性化する。
ビタミンDは、トリプトファンヒドロキシラーゼ1(TPH1)を作る遺伝子を阻害して、腸などの組織でセロトニンの産生を止める。TPH1は過度に発現されると炎症を促進する。