武 順子(Take Junko) ひとり語りのひとりごと

わがままな朗読家の我がままなひとりごと。「縁側の猫を枕に日向ぼこ」…猫が好き。詩を書く人でもあります。

文楽・蓑助さまに愛を込めて

2006年10月08日 23時42分32秒 | Weblog
相模原市のホールに、文楽『曾根崎心中』を観に行ってきました。
蓑助さんに会えるかと、楽しみに行きましたが、残念でした!! きちんと確認せずに行った私が、バカでした…。
でも、写真集『文楽・女たちに魂をこめて』を購入しちゃいました。
ずっと迷っていたのです。3000円を出して買うべきか、図書館で借りて満足するか。…けれども、買った!! もう、私のものだわ!! 
国立劇場で、蓑助さんに出会って、もう、とりこになってしまいました。本来の目的など忘れてしまうくらいに、蓑助さんに夢中になっていました。
人形遣いが、顔を出すなんて、と、文楽を初めて鑑賞した時には、不思議に思いました。でもね、人形の表情と一体化して、いえ、もしかしたら、人形以上に、艶やかで、哀しい。人形の、魂なのですもの。顔を出す、ということを理解しました。

蓑助さんを、蓑助さんだけで見たら、きっと、ごつごつした、普通のおじさんなのかな。いや、きっと、普段でも、色香が漂う表情を持つ方なのだろうな。若い頃の写真は、きりりとした表情でした。年を重ねるほどに、顔かたちは、人形から離れていくのに、漏れこぼれる魂は、より、人形に近づいているのではないかと、感じます。的確な言葉ではないかもしれませんが、内面からの美しさを、感じます。
素敵な人って、にじみ出てくる匂いを持っているかどうかなのだろうな。生きざまが、顔の皺の一本一本に現れ、魂が匂いになって滲み出るのですね。
私も、この年になったからこそ、そんな風に考えることが出来るようになったのかもしれない。
写真集の中の蓑助さまに、人形遣いに恋する、昔の乙女でございました。
コメント
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