武 順子(Take Junko) ひとり語りのひとりごと

わがままな朗読家の我がままなひとりごと。「縁側の猫を枕に日向ぼこ」…猫が好き。詩を書く人でもあります。

「名人伝」初演のこと。そして・・・

2014年06月13日 09時13分14秒 | Weblog

昨日の勉強会で、無事『名人伝』の初演を済ませた。

酷評をいただくことになろうと、講評会の自分の順番までどきどきして、あれはまずかった、これは失敗だったと、頭の中でぐるぐる考えていた。

しかし、おおむね好評。

ホッとしたと同時に、あれれれれ・・・と思った。

前日まで、椅子に座って読む稽古をしていたのだが、直前になって、急に立つことにした。それなので、動きに無駄が多かったような気がした。

座ると立つでは、呼吸が変わってくる。体も心も解放される。解放されると私の場合、無駄に声が大きくなる。

緊張が極まったときも、実は声が無駄に大きくなる。どちらかわからないけれど、相反するような理由で、でかい声で読んだ。

とかく無駄が多いと思っていたのだが、きっと、私が感じていた無駄が、「遊び」のように受け取ってもらえたのかもしれない。

唯一の救いは、腹からの声と動きであったということ。

 

途中、「述懐」という言葉がある。「じゅっかい」と読むはずが、間違えて「じゅつかい」と読んでしまった。ぅわ。どうしよう、と次の段落の手前で無駄な間を取ってしまった。その間、頭の中では、「まちがえちゃった!いやだ、恥ずかしい!でもまあいっか!!」という言葉が飛び交っていた。おお、3つ目の無駄だ!たぶんおそらく次の出だしでそれなりの修正できたので、死に間は避けられたかもしれないけど。

動きの無駄、声の無駄、間の無駄。・・・これらが今回は、たまたまうまく作用したのかもしれない。

師匠や先輩方からは、声がまっすぐで読みもストンとまっすぐになった、と言われた。これは嬉しかった。

4年ぶりの参加で久しぶりに聴いていただいて、少しは成長したのかもしれない。よかったよかった。

 

あ、それから。

最前列に、よく笑ってくださる観客がいらしたので、助けられた。

助けられて、よおっしと思ったのかもしれない。稽古でどうしてもうまくいかなかった部分が数か所、スムーズにできた。

お客様に助けられることは、よくある。とてもありがたいことだ。

ひさびさに参加した勉強会。たくさんのことをいただいてきた。

 

直前に緊張のあまりであろうか、おなかの具合を悪くした。それでも乗り切ることができた。これだけが、自分を褒めてあげたい一点だったのである。

 

さて

 

21日(土)15時からは,

本八幡のガス燈で、二人会である。

2度目の名人伝だ。

相方は梨木果歩を読む。

ガス燈のこじんまりした雰囲気で昨日と同じ読みをしたら、たいへんなことになる。

明日から再び、稽古稽古、だ☆

 

 

 

 

 

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『名人伝』・・・これがなかなか難しい!のだけれども読み込むほどにおもしろくて

2014年06月06日 09時14分42秒 | Weblog

― つどい ―

日時:6月12日(木)10時半開演/終演6時半頃

場所:京急上大岡駅ビル、ひまわりの郷音楽室

料金:500円 途中出入り自由

 

(会場写真・当日ピアノは片付けます)

勉強会であります。もう20回以上、年に2回開催されています。

私は初回から参加しているのですが、3年ほど前から事情があってお休みしておりまして、今回復帰することになりました。

復帰演目が、中島敦の『名人伝』です。

いつも初演の作品をここでかけて、みなさんのご意見をいただきます。

非常に緊張いたします。

チラシを全部配ってしまい、うっかり手元に取っておくのを忘れましたので、プログラムを書き出すことが出来なくて申し訳ありません。

私の出演はおそらく3時以降になるとは思われますが、ぜひいろんなかたの熱演を楽しんでください。

全部で10人以上が出演します。

「雨月物語」「にごりえ」「山月記」・・・宮部みゆき、宮沢賢治・・・他

毎回、とても濃い演目が並びます。

この会、時間制限のないのも大きな特徴で、私もかつて1時間半のものを読んだ記憶があります。

 

ぜひお運びになってみてくださいませ。

 

『名人伝』も、楽しんでいただけましたら嬉しいですし

もしもよろしければ、こそっと感想やご意見をお聞かせいただけましたら、幸いです。

 

この会を休んでいるうちに

私の体が、いつの間にか怠け始めていました。

怠けたところで、だれからも指摘をいただけませんので

楽観的性格が頭を擡げ、まいっか・・・と

これでもイケるではないか・・・と

本来求めていたものから外れ始めておりました。

深く反省を重ねて、軌道修正

自分のやりたい形を

もう一度追求したいとの意気を込めて

『名人伝』から

やりなおそうと思いました。

やり直しには、とてもふさわしい作品です。

 

これも私の我が儘の一環

 

自己流で朗読することと

自己満足で朗読することとは

違います

聴き手があって初めて成立する朗読は

自分自身の思いだけで読むのではなく

常に聴き手のかたにどんな風に聞こえているのかを

考えながら読む

そのためには、研鑽の場は必要なのです

 

自己満足で終わりたくない

今いる程度に留まりたくない

一般のかたには受け入れられにくいような読みに

なるかもしれないけれども

目指すところを

もう一度確認し直し

走り始めたいと思います

 

ふらふらしている自分とは

おさらばします

いつも最後まで読んでくださって、ありがとう☆

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