昨日の勉強会で、無事『名人伝』の初演を済ませた。
酷評をいただくことになろうと、講評会の自分の順番までどきどきして、あれはまずかった、これは失敗だったと、頭の中でぐるぐる考えていた。
しかし、おおむね好評。
ホッとしたと同時に、あれれれれ・・・と思った。
前日まで、椅子に座って読む稽古をしていたのだが、直前になって、急に立つことにした。それなので、動きに無駄が多かったような気がした。
座ると立つでは、呼吸が変わってくる。体も心も解放される。解放されると私の場合、無駄に声が大きくなる。
緊張が極まったときも、実は声が無駄に大きくなる。どちらかわからないけれど、相反するような理由で、でかい声で読んだ。
とかく無駄が多いと思っていたのだが、きっと、私が感じていた無駄が、「遊び」のように受け取ってもらえたのかもしれない。
唯一の救いは、腹からの声と動きであったということ。
途中、「述懐」という言葉がある。「じゅっかい」と読むはずが、間違えて「じゅつかい」と読んでしまった。ぅわ。どうしよう、と次の段落の手前で無駄な間を取ってしまった。その間、頭の中では、「まちがえちゃった!いやだ、恥ずかしい!でもまあいっか!!」という言葉が飛び交っていた。おお、3つ目の無駄だ!たぶんおそらく次の出だしでそれなりの修正できたので、死に間は避けられたかもしれないけど。
動きの無駄、声の無駄、間の無駄。・・・これらが今回は、たまたまうまく作用したのかもしれない。
師匠や先輩方からは、声がまっすぐで読みもストンとまっすぐになった、と言われた。これは嬉しかった。
4年ぶりの参加で久しぶりに聴いていただいて、少しは成長したのかもしれない。よかったよかった。
あ、それから。
最前列に、よく笑ってくださる観客がいらしたので、助けられた。
助けられて、よおっしと思ったのかもしれない。稽古でどうしてもうまくいかなかった部分が数か所、スムーズにできた。
お客様に助けられることは、よくある。とてもありがたいことだ。
ひさびさに参加した勉強会。たくさんのことをいただいてきた。
直前に緊張のあまりであろうか、おなかの具合を悪くした。それでも乗り切ることができた。これだけが、自分を褒めてあげたい一点だったのである。
さて
21日(土)15時からは,
本八幡のガス燈で、二人会である。
2度目の名人伝だ。
相方は梨木果歩を読む。
ガス燈のこじんまりした雰囲気で昨日と同じ読みをしたら、たいへんなことになる。
明日から再び、稽古稽古、だ☆