子どもが小さかった頃に、映画館へアニメを観に連れて行った。映画館はポップコーンとチョコレートの臭いで充満していて落ち着かず、心底後悔した。以来私は子どもを映画館に連れて行かなかった。スクリーンの向こう側は、白い壁だ。子どもをこのような場に連れてきてはならないと思った。・・・いや、私が、もう二度と来たくなかった。(以後、映画係は彼らの父親の役目であった)
以前から映画館は、あまり好きな場所ではない。スクリーンに向かって泣き笑いを共有するのが、たまらなく苦手なのだ。
笑いのツボや泣きたくなるところが、ほかの人とずれているのを察せられるのが嫌だった。
家の中で映画鑑賞できるようになって、ようやく映画を観るようになった。一人きりで、のびのびと。
しかし出先で、先日たまたま時間が余った。ふとみると映画の出し物と時間表が目について、10分後に「東京物語」が始まるという…。
観ちゃいましたよ^^)V映画館で邦画を。
最近の劇場は指定席で、カップ置場も備わっている。
買っちゃいましたよ^^)Vホットコーヒーを。
たまに静かな場面で、おとなりの映画の音が漏れ聞こえてきましたが、気にしない気にしない。
会場にお客は十数人。中高年のカップルばかりで、おひとり様は私だけだったが、気にしない。
20数年ぶりの映画館は、やはりポップコーンの臭いがしたけれど、椅子の上に正座しても迷惑にならぬほどゆったりとしていて、私も少しは大人になったのだなあ、などとほくそ笑みながら、映画館を楽しんだ。
さて、今月の朗読のご案内を。
◆2月16日(土) 15時開演
柿原智恵子:梨木香歩作「家守綺譚」より 「南天」「ふきのとう」
武 順子:安房直子作「鳥」
茶菓付き 2000円
カフェガス燈(JR総武線本八幡駅から歩いて3分)
http://tabelog.com/chiba/A1202/A120202/12007117/
◆2月23日(土)15時くらいから
東京深川にある「そら庵」にて、中島敦の「文字禍」を読みます。月琴の音色とともにお楽しみください。
投げ銭&1オーダー。できればご予約くださいませ。ゆる~い会ですので、お気軽に。
そら庵 http://www.sora-an.info/access.html
映画もいいけれど、朗読会は、もっといい。ライブがいい。小さな共有も心地いい。