哲学者のような猫

私が
ひねもす
ここに座っている
哲学者の顔した
猫のように

私＜わたくし＞

猫が、庭を眺めている
じっと、空を見つめている
壁に頭をくっつけて、考え事をしている
じっと思索をしている
ストーブの火に目を細めている
ひらめきにたどり着いたようにおもむろに新聞の上に鎮座する
辞書を枕に気だるい想いに耽る

…ようだ。まるで哲学者のようだ。

あたたかな春の日差しの居間で、猫を眺めながら、私も哲学者の振りをしてみる。
頭の中は、猫と同じくらいかもしれないけれど。

もうすぐ春ですねえ

穏やかな春の日です。

ついさっき、知り合いのおじいさんから電話をいただき、デートに誘われた。

「ねえ、きょうはどうなのよ。暇？デートしない？」

デートの場所は近所の喫茶店。なにか用件があるらしい。

たとえば用件がどんなにつまらないものでも、誘い方が粋なので、とても気持ちが華やいだ。いくつになっても、デートに誘われるのは嬉しいものだ。

もうすぐバレンタインだ。チョコレートでも買って、いそいそと出かけていこうっと。

このブログにお越しのみなさま！
この古希のおじいさんを見習って、週末のバレンタインには「デートしよう」と誘ってみましょう！



雪が溶けて川になって流れていきます
つくしの子が恥ずかしげに顔を出します
もうすぐ春ですねえ　
ちょっと気取ってみませんか

風が吹いてあたたかさを運んできました
どこかの子がとなりの子を誘いに来ました
もうすぐ春ですねえ
彼を誘ってみませんか

…春一番

上弦の月

上弦の月下弦の月について、あまり深く考えたこともなかったし、調べたこともなかった。弦の張ってある平らが上にあれば、上弦だと、思い込んでいた。

けれども！

調べてみるものですねえ

夜に見える半月の、
西に見えるのが、上弦の月。
東に見えるのが、下弦の月。

時々青空にぽっと浮かぶ半月の、
向って左側が欠けていたら、上弦の月。
向って右側が欠けていたら、下弦の月。

迷ったら、調べる。インターネットは、便利。


　浴衣の君は　すすきのかんざし
　熱燗 徳利の首　つまんで
　もういっぱいいかがなんて
　妙に　色っぽいね

　僕は僕で　あぐらをかいて
　君の頬と耳は　まっかっか
　ああ風流だなんて
　ひとつ　俳句でもひねって

　部屋のあかりを　すっかり消して
　風呂あがりの髪　いい香り
　上弦の月だったっけ
　久しぶりだね　月見るなんて

　…旅の宿。口ずさみながら、PCに向かう ねこまくらです。

そうはいっても

苦しくて
こそこそと
逃げだす
松の実ほどの
勇気をかかえ


松の実って、ラグビーボールみたい。

ん？長すぎるかな？

それっくらいの勇気しかもたない自分も、確かにいます。

私の本質、なんて、そんなもんです。

どっしりと、たおやかに、こそこそと、…

すべての形容詞が当てはまってしまう。いや、これは私だけじゃない。すべての現象に言えること。

美しくもあり醜くもあり、裕福であり貧しくもあり、大きくあり小さくもあり、…

ぐぐぐっと 踏ん張ってみる

観自在菩薩が
般若波羅蜜多を深く行じしとき
五蘊みな空なりと照見し
一切の苦厄を度したまう


柳澤桂子・文『生きて死ぬ智慧』より



毎月の語りの会でトラブル発生。
逃げたくなって、逃げようと思ったが、思いとどまる。

柳のようになろう。

枝葉はたおやかに揺れながら、根はどっしりと、地中に巡っている。

逃げるもんか。どんな風が吹いたって、さらりとかわすのだ。踏ん張りながら。