武 順子(Take Junko) ひとり語りのひとりごと

わがままな朗読家の我がままなひとりごと。「縁側の猫を枕に日向ぼこ」…猫が好き。詩を書く人でもあります。

成功するって、どういうこと?

2006年10月04日 08時19分54秒 | Weblog
ひとり語りなんて、なぜ、こんなことしているのだろう、と、考える。

まずは、自分のため。自身が好きな物語を、声に出して読みたい。声に出して読むことが、楽しくて、声に出すことで、物語が立体化されていくのが、楽しくて。そのためには、もっと深く、その作品を知りたい。そして最後に、せっかく声に出すのだから、これだけ努力しているのだから、誰かに、聞いてほしい。

子ども達のため。これは、素語りや読み聞かせを通じて、穏やかで想像力のある大人に育ってほしいと思うから。そんな大人の大勢いる町は、きっと魅力的な町になると思うから。私は教師ではないし、ただの母親。そんな私ができること、微力だけれど、それしか出来ない。おはなしを、子ども達の心の中に、すとんと落とすことが出来たなら、それほど幸せなことはない。

落とすことが出来たかどうか、そんなことを確かめる術はありません。何十年もたってからじゃないと、わからないことです。
わかなないけれども、出来るだけたくさんの心に、おはなしの種を蒔きたいから、誠実に学び、稽古をするのです。

見返りを考えない。でも、効果は、期待する、てところでしょうか。
語りで成功する、なんてことは、考えない。考えるような語り手には、なりたくはない。

時々、語りとは別の世界の人から言われます。せっかくだから、成功してね、と。または、そんなことやっていて、成功するはずがない、とも。どういうことが、成功すると言うのだろう。有名になることが、成功なのだろうか。地道に、自分が楽しんで、みなさんに、その楽しんだ成果を、聞いていただく。せっかく聞いていただくのだから、心の中に、種を落としたい。すとん、と。そして、発芽率が、すこしでも高くなってくれたら…。だから、努力する。

それだけで、いいのだとおもいます。
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