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<証言>元陸自衛隊幹部 「市民監視は以前からやっていた、私はスパイ報告受けた」 生々しい文書内容

2011-08-19 | 原発利益共同体 ・ 軍事体制

 『特高警察・憲兵隊を思い出す 自衛隊による国民監視活動の問題点はどこに② 志位委員長ラジオで』記事に続き、以下同じく赤旗日曜版2007年6月17日付けより↓
    



 
 <証言> 元陸上自衛隊幹部 私はスパイ報告受けた  
    
     「市民監視は以前からやっていた」 「監視情報は、自衛隊内で定期的に報告」 



 ーー毎月開かれる「駐屯地部隊長等会議」では、調査隊幹部が「隊勢力(自衛隊に反対する勢力)動向」についての報告をします

 その際に配られる文書はA4版1枚ぐらいですが、共産党が暴露した内部文書と酷似した形式のものでした

 「治安情勢」「反自衛隊活動」などの項目があり、P(日本共産党)系宣伝○件、S(社民党)系宣伝○件、などと記され、集会の日時や参加人数が書き込まれている場合もありました。

 文書を元に調査隊幹部が平和集会、消費税反対の宣伝など共産党や市民団体、労組の行動を詳細に報告。さらにマスコミの取材活動も細かくチェックして「反自衛隊活動」に分類していました。

 それ以外にも「情報資料」「反対勢力の動向」などの詳細な文書が4半期に1回の割合で部隊の「保全担当者」などに配布されます。それには、監視した団体を区分けした図表、宣伝や集会で撮影した写真などが添付されているときもありました。

 調査隊幹部に何人も友人がいたので彼らの仕事ぶりはよく知っています。普段から私服で活動し、土日は集会などの監視に終日出かけていることが多かった。
 在職中は、当然の活動だと疑問を抱きませんでした。しかし自衛隊が軍隊として暴走を始めたいま、志位委員長が指摘する「憲兵政治」の恐ろしさを痛感します。--



  情報保全隊文書 生々しい手口

  氷山の一角

 日本共産党が入手した陸上自衛隊情報保全隊の資料は、2種類11部です。
ひとつは、陸自東北方面情報保全隊が収集した情報を習慣単位で一覧表にまとめ、分析を加えたもの。2004年1月7日から2月25日まで、合計5週間分あります。
もう一つは、情報保全隊本部が作成した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」です。03年11月24日から04年2月29日までの6週間分などがあります。

  集会・宣伝を偵察 

 ふたつの文書では、自衛隊基地から遠く離れた市街地での集会や宣伝行動も偵察して監視しています。
資料は主催団体、行動形態、年月日、時間、場所、動員数を区分けして記載されています。宣伝内容もプラカードはもとより、話し言葉まで記入しています。

  Pは共産党、GLは民主党

情報保全隊は、監視対象を思想信条で色分けしています。「P」は日本共産党系と区分した市民運動や労働運動、社民系は「S」、民主党・連合系労組などは「GL」。このほか、「新左翼」などあらゆる運動を独断で分けています。
情報保全隊本部の資料では、月ごとに「総括」をし、各団体の集会、宣伝、抗議、要請、ビラ配布をグラフにして整理しています。

  人物特定

個人の名称、肩書き特定も詳細です。集会主催者側の人物だけでなく、参加した元自衛隊員の名前まで特定して、記入しています。
自衛隊の騒音に抗議した人を「反自衛隊活動」と分類。仙台市ではヘリコプターの騒音で苦情電話をした男性の指名、住所から勤務先の部署まで調べて記載しています。

  盗撮

04年1月16日に防衛庁正門前の抗議行動を、個人の顔が特定できる形で撮影するなど、写真も記録しています。(写真右)

  年金・消費税

青森市では、全日本年金者組合の「年金改悪反対」や消費税廃止各界連絡会の「消費税増税反対」の宣伝、署名活動を調べています。
また、労働組合の春闘もチェックしています。

  記者の行動・記事を敵視

(このブログ前回記事最初の件)、「自称『朝日新聞社記者』を名乗る女某は、2月3日1710(午後5時10分)頃、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し自衛隊のイラク派遣に関する取材を実施」「取材したと思われる内容の記事を確認」と記載しました(写真左下)
これに対し、朝日新聞は、7日つけの社説でこの問題を取り上げ、「『県内も賛否様々』と題して両論を公平に伝えたこの記事が、なぜ反自衛隊なのか」とひはんしています。
「報道し局長等との交流会」で、支局長らから出た質問も、個人名、社名を上げて逐一報告していました。さらにイラクを取材した記者の動向も監視。「男性(28)は、東京新聞現地特派員として、2・12(木)以降、バグダッドを拠点に取材を行っており、取材記事が東京新聞に掲載された」としています。

  宗教者、地方議会も対象

 地方議会の自衛隊イラク派兵反対決議まで調査していました。
秋田県田沢湖町議会の調査では「P(共産党)町議が強く採択を主張」と、福島県飯野町議会では「賛否議員数10対3」と記載していました。  
 

 (自衛隊・情報保全隊シリーズおわり)

特高警察・憲兵隊を思い出す 『自衛隊による国民監視活動の問題点はどこに』 志位委員長がラジオで② 

2011-08-19 | 原発利益共同体 ・ 軍事体制
 『自衛隊による国民監視活動の問題点はどこに...』記事に続き、

 自衛隊内部文書の核心  志位委員長がFMラジオで語った    赤旗日曜版2007年6月17日付け


 (自衛隊・情報保全隊の内部文書には、消費税反対の運動から、成人式での宣伝まで監視対象として記載されていた・・)


 志位 これを読んでいくつか酷いと思ったのは、「反自衛隊活動」というレッテル張りがたくさん出てくるんです。例えば、朝日新聞のある女性記者が駐屯地前で隊員に、イラク派兵についてどう思うかを聞く、そして青森市内で市民に賛否を聞いて記事を書いたことがある。「賛否分かれる」という記事ですから公平な報道ですが。

角谷 賛否ですからね。

志位 それが「反自衛隊活動」に区分されて。

角谷 「否」があったらだめなんですかね。

志位 そうですね。自衛隊は本来、政治的に中立でなければならない。これは大原則です。自衛隊派兵は政治が決めたことです。それに従って自衛隊が行った。自衛隊が勝手に行ったら大変なことになるんですね。ところが政治的中立という大原則を踏み破り、自衛隊に反対する、あるいは年金など自衛隊とは関係ないことでも政府に批判的なことをすると「敵」扱いで監視する。これは大変な問題です。

角谷 シビリアンコントロールにも抵触しかねないと。

志位 もう根底から覆る。それからこれは違法活動なのです。情報保全隊の任務は、建前上、自衛隊の機密情報、防衛情報が外に漏れないようにすることです。全くそれからも逸脱した活動をやっている。
 写真撮影も違法ですね。メディアが撮る場合は、国民の知る権利に応えた事にもなるが、自衛隊がデモや集会の写真を撮るとなると、肖像権の侵害で憲法違反なんですよ。憲法13条違反の大問題です。


 
 志位 強大な軍事力を持った組織が

 高橋 恐ろしくなりますね


高橋 政府は問題はないという姿勢をとっています。

志位 本当にひどい居直りですね。結局、資料の信憑性について否定しきれなくなった。久間防衛大臣自身が、”これは誰か他の人がつくったものじゃなさそうだ”と言ってしまいました。事実上、自衛隊がつくったもんだと。追い詰められて、「当然だ」と言い始めたわけです。
 しかしこの居直りを許したら、際限なくこういうことが当たり前の社会になってしまいますから
 
 たとえば、コンビニに防犯カメラがついているような場合、一般的には、犯罪を抑止、防止するという目的がはっきりしています。今度の場合は全く異質です。この仕分けをきちっとする必要があるんですよ。今度、監視をやっている主体は強大な軍事力を持った組織なんです。

角谷 それはそうだ。

志位 つまり、国家権力の中枢がやっているわけです。
 それから二つ目に、国民が知らない間にやっている。つまり、自衛隊の情報保全隊だと腕章してやっているわけじゃないんです。


角谷 いつの間にか入り込んでいる。その人の存在も隠れて。

志位 デモにしても集会にしても、一般の参加者のふりをしてやっているんでしょう。国民が知らない間に、国民の行動をこと細かく監視している。そして私が驚いたのは、この文書の中に膨大な個人の名前が書いてあることです。膨大な個人情報がある。私たちが黒塗りにせざるを得なかった個人名は、この二つの文書だけでも200ヵ所を超えるんです。

角谷 それがファイルになって自衛隊の中にあるかもしれない。

高橋 恐ろしくなりますね。



 角谷 「監視社会の先に恐怖政治」
 
 志位  協力して立ち上がろう


志位 このようになってくると、憲法が保障する市民の自由な意見表明を萎縮させますよね。

角谷 毎回国会に出そうで断念になっている共謀罪は、政府に批判的な発言をも取り締まりかねないということですから、前倒しで始まっているということですか。

志位 ある意味では先取り的な姿勢です。戦前は憲兵隊というのがあって、最初の仕事は軍隊内の治安維持だった。ところがだんだん国民の監視になっていった。

角谷 ああ、そうか。

志位 そして東条政権の時期には「憲兵政治」といって弾圧もやった。つまり自分で逮捕もする、取調べもする。そして刑務所にぶち込むということで。

高橋 このリストを使って取締りを行うということもありえるということですか。

志位 自衛隊が海外の戦争に出て行くときに国民も動員するというのが有事体制ですね。そのときに文句をいうようなやつは取り締まってしまえということにもつながる。情報というのは、長い期間ずっと蓄積して初めて意味が出てくる。蓄積して、どこにどういう、「不満分子」「批判分子」がいるかつかんでおけばいざというときにぱっと押さえられる。

角谷 日本は情報機関といえば他にも警察だとか公安調査庁、内閣情報調査室、外務省などにもありますね。データベースがいろんな役所でつくられている可能性ってあるんですかね。

志位 それぞれやっていると思いますが、軍がやるという場合は特別の意味がある。

角谷 確かにそうでしょうね。

志位 警察がやる情報収集の中でも違法なものが問題になることがあります。ただ警察がやる場合は一応、犯罪捜査のためという大義名分がある。しかし軍はいったい何のためにやるのか
 この問題でジャーナリストの大谷昭宏さんが憲兵隊を思い出すとおっしゃったし、衆議院副議長の横路(孝弘)さんが特高警察の再来だとおっしゃった。いま起きていることの危険性ということを言われたんだと思いますね。

角谷 「監視社会の先に恐怖政治がある」という言葉まで予測されてしまうとなれば・・・。

志位 ここで止めないといけない。

角谷 なるほど。民主党議員の名前が出たり社民党の団体なんかも今回の名簿には出てきます。他の野党は何か共闘しようという雰囲気はあるんですか。

志位 私たちはこの問題で監視の対象になった皆さんに協力して立ち上がろうと呼びかけているんですよ。民主主義と人権を守るという大問題ですから、大きな国民の世論と共同と連動で止めさせなければならないんです。ここで止めさせないと先が大変なことになる。久間大臣のように、「何で悪いんだ」「当然じゃないか」という開き直りを許していたら、これは大変なことになります。


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  <証言> 元陸上自衛隊幹部 

     「市民監視は以前からやっていた
、私はスパイ報告受けた」


  につづく・・・

自衛隊による国民監視活動の問題点はどこにあるかーー 共産党志位委員長ラジオ対談2007

2011-08-19 | 原発利益共同体 ・ 軍事体制
 一昨日の記事『自衛隊 情報保全隊ってなんだ 高校生まで狙われた国民監視部隊の闇』につづき・・ 


自衛隊による国民監視活動の問題点はどこにあるかーー 日本共産党の志位和夫委員長が、FMラジオJ-WAVEの番組「ジャム・ザ・ワールド」(2007年6月11日放送)の「15ミニッツ」コーナーに出演、誠司ジャーナリストの角谷浩一氏、どうコーナーリポーターの高橋杏美氏と語り合いました。
 その内容を要約して再現するとーー。


高橋 「消えた年金」問題で国民の怒りを集めている安倍政権にまたもや、国民をバカにするのはいい加減にしろという問題が発覚しました。

 日本共産党の志位和夫委員長が記者会見で、自衛隊の情報保全隊が自衛隊活動に批判的な全国の市民団体や政党、労働組合、ジャーナリスト、宗教団体などの動向を調査した内部文書を明らかにしたんです。

角谷 僕も記者会見に行きました。166ページにわたる資料を食い入るように見ました。会見中でも、ある記者が「これ僕のことです」と言ったり、衝撃的な内容でした。
 
 非常に監視対象が広い。ジャーナリストとか取材活動をしている人にまで・・・。実は僕はイラク派遣問題のときに野党の参考人として、国会で派遣反対の答弁に立った。ぼくもきっと監視対象なんだなぁと感じました。


 志位 当事者しか知らない情報が
 ここで志位氏が質問に答えました。

高橋 自衛隊が国民を監視していたという内部資料、どのような形で入手されたんですか。

 志位 自衛隊の関係者が提供してくださいました。 この活動自体がおかしい、こんなことを続けさせてはいけないと言う思いから提供があったと理解しています。

高橋 民主党の「ガセメール」問題の記憶がまだ新しいんですが~~

 志位 文書を受け取ったときに、文書そのものの精査をかなり丁寧にやりました。そうしてみると、自衛隊でしか知りえない情報がたくさん書かれているわけです。
  
 それからサンプル調査をやってみた。日本共産党の関係者も監視の対象にされています。そういう方に、実際に監視対象の行動があったかどうか、調査したんですが、1件も合わないものがない。しかも、「しんぶん赤旗」を含め、どのメディアも報道していない内容も記載されている。

角谷 つまり、公開情報を丁寧に調べたものではなく、明らかに調査をしていると。

 志位 そうです。公開されてないもの、つまり当事者でなければ知りえないもので、現実にも合う。これがいくつも確認されました。

 
 イラクだけじゃないんですね。
 年金も医療も春闘も対象に


角谷 資料を見ていくと、監視はイラク派遣についてだけじゃないんですよね。年金のこととか、医療費とか春闘とか。

 志位 東北方面の情報保全隊のつくった資料には、「一般情勢の細部」というなかで、ありとあらゆることが記載されています。
 
 今いわれた年金とか、自衛隊とはおよそ関係ないことが。

角谷 年金の問題で批判して対象になるなら、いま日本中ほとんどの人が保全隊の調査対象になっちゃうんじゃないでしょうか。(笑)

 志位 そうですよ。

角谷 そういうことになりかねませんよね。

 
 志位 文書の時期は2003年11月から04年2月くらいまでの5~6週間で、明らかになったのは氷山の一角なんです。
この時期はイラク問題が大きな焦点で、それが情報量としては多いけれども、そのときでも年金や医療、春闘など全然関係ないものが入っている。ですから、今だったら、年金や憲法の問題で運動が起こっており、監視しているかもしれない。その時々に、政府や自衛隊に批判的な活動を監視する役割を果たしているんじゃないかと推測しています。

角谷 例えば僕は、政治の取材で与党の批判もすれば野党の批判もします。そうすると、情報機関からは、こいつはけしからん、政府の文句ばかり言っていると。でも僕たちは、何を政府がやっているか、チェックしたり、おかしなことをただす。どういうことが国会の中で動いているかを知らせるのが使命だと思っています。それは国家転覆にひっかかりかねないんですかね。


 (つづく)かも。(たぶん)