ネコたちによかれと思ってやっていた躾とお仕置き、時に体罰。当時はニャーをはじめ、みんな耐え忍ぶ生活だったに違いない。それでも保護者あっての自分たちだと、つかの間の幸せを見つけては安らいでいた。だから、保護者が勘違いしちゃうんだな。
今年の初め、自分のアホぶりに気付いた保護者は自らを恥じ、そして変わった。すると、ネコたちも変わってきた。殺伐感が抜け、今では彼らが如何に平和を好む生き物なのかよくわかる。一方保護者も、人が丸くなったとお店で言われたりした。ある意味ネコたちは、保護者の人格を反映する鏡なのかもしれないな。
ニャー(左)とちび太
ネコたちをお世話し、そしていろいろ教わる日々。いろんなことがありました。わが家では現在、8匹の保護猫が同居しています。でも当初はニャーと、亡くなったみうだけのつもりだった。
ちび太には子猫だった店時代、多くの里親さん候補が現れた。でも話が流れに流れてようやく向かったトライアル。様子を見に伺うと、先住さんに嫌われ小さなケージ暮らしをしていた。このまま飼うつもりだと言う。里親さんに話をつけ、その日のうちに連れて帰った。
チキンにも何人かの候補がいた。絞り込んだ最後のひとりと話しているうちに疑念が湧いた。小さな子供の玩具にするつもりか、過去に合わない猫を捨てたこともあるような。すかさず断りを入れたことは言うまでもない。
(左から)ポニー、チキン(手前)、キー(奥)、ちび太、クウ
オルタナや現代ビジネスなどのネットニュースによると、コロナ禍の自粛生活でペットショップの売れ行きが倍近くに増えたのだという。しかし同時に、飼い主によって保健所に持ち込まれるペットも増えた。ひどいケースでは購入して3日で保健所に持ち込んだ飼い主もいたそうだ。保護団体やボラさんたちの尻ぬぐいにも限界がある。ノラ保護活動には里親探しが欠かせないが、こんなことで大丈夫なのかと不安になるばかりだ。
シロキ(左)とチキン
わが家の他のネコたちはと言うと、ポニーやエイズキャリアのシロキは馴れるまでに時間がかかった。今ではシロキはすっかり甘えん坊で、ポニーもこっちが座っている限りは自分からすり寄って来る。リンとキーも甘えん坊になったけど、ポニー同様立ち上がると逃げる。クウには相変わらず触れない。でも、手を差し出すと猫パンチの代わりに鼻でクンクンしてくるようになった。これら5匹も、当初は里親探しをする予定だったのです。
リン(奥)とニャー
ちび太が出戻って以来里親さんの基準が厳しくなり、チキンのトライアルを断ってからは一般募集も止めてしまった。思うに特に成猫の場合、里親さん宅に移るのはわが家に保護してから数か月、長くても半年以内にすべきだ。さもないと保護者のみならずネコ自身にも情が湧いてしまう。それはハリーの引っ越しのときに痛感したことだ。保護猫たちはわが家に来る前に十分つらい経験をしている。将来の幸せが見えていても、もうそんな思いをさせたくないと思ってしまう。
気丈なリンは懐いてなくても大丈夫かなと思えたが、リンとキーは野性味残るクウのなけなしの拠り所。クウがもう少し馴れたら3匹揃って、などと考えているうちに機会を失ってしまった。今ではちび太もこれ以上苦労させたくないという気持ちが強く、シロキやまだ若くて仲のいいチキンとポニーをセットで引き取ってくれるいい人がいれば、などと甘いことを考えているこの頃です。
リン一家;(左から)リン、クウ、キー
一方自分のトシや予備軍(保護したい外の連中)のことを考えると、積極的に里親さんを探さなければならない事情もある。保護猫扱いのベテランでもある古女房殿は「割り切りだよ」と言うけど、今の世相を考えると、そう簡単には踏ん切りつかないでいるわけです。
ポニー(左)とチキン