アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第五十三話  21歳のころ

2009-11-15 00:54:20 | バイオグラフィー

            (ウォールドガーデンのゲイト)


*光線が低く斜めになる秋は、虹の季節でもあります。
イギリスでは50歳の誕生日を盛大に祝うという慣習がありますが、半世紀も生きてこれたのだもの、楽しくやろう、というのはいいですよね。生バンドをよんで、ケイリ(アイルランド、スコットランドのフォークダンス)のパーティを開く人もよくいます。私も3年後には皆さんをケイリにご招待しますので、よろしく。

第五十三話  21歳のころ

むかし、大学生のころ、自分の書く文がぜんぶ他人の言葉のような気がして、ぱったりと文が書けなくなったことがあります。「自分の考え」がなく、他人からの借り物のような気がする。試験のときにはこの違和感でレポートも書けず困りました。

シュタイナーによると、人間は7年ごとに大きな節目を迎えながら変化しているといいます。生後7年間は身体を養い、やがてエーテル体(生命体)という、「気」のレイヤーが、母親から独立して自分のものとなります。14歳になるころには次のレイヤーであるアストラル体(感情体)が出来上がり、21歳では、自我ができ、肉体を含めた三体をまとめ統括するようになります。

私が21歳のとき体験した、文が書けなくなったというのは、この新たな自分が生まれるときのとまどいだったのではないかといまにして思うのです。
そんなふうに、もやもやしているとき、タイのスラムや難民キャンプを訪ねたのも、自分は何なのか探していたからでしょう。
第三世界を目の当たりにすることで、さらに古い価値観も崩れ落ち、自分は砂漠の一粒の砂であるかのような希薄な存在感になってしまいました。

その後、28歳でなずなを身ごもり、35歳でイギリスに移住しと、さらに7年ごとの節目を越えながら、42歳で大学院。やっと、文章を書くことができるようになったのは、ちょっと遅いけれど、そして2倍かかりましたが、砂粒から築き上げ、やっと新しい自分が生まれたということかもしれません。

(間美栄子 2009年 11月15日)



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