アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第二十九話. 原風景=水辺の風景

2009-02-11 16:43:18 | バイオグラフィー

* そろそろ日本にはシベリアからの渡り鳥たちが到着しているころでしょうか。こちらでは白鳥は定住しているのですが、先日公園で見た、この春生まれた白鳥の子供の羽の色はまだグレイで、くちばしもまだ黄色くなっていませんでした。来週の土曜日は私の誕生日ということで、仕事をお休みして、聖地といわれるグラストンベリーへ初めて行ってみます。ローカルバスを乗り継ぎ3時間の小旅行です。聖水をいただいてくるつもりです。

 第二十九話 原風景=水辺の風景

中年になっていいことのひとつは、物語がだんだん紐解かれてきて、お話の意味、話の複線が見えてくるところではないでしょうか。
子供時代、高校時代、仕事時代、大人時代と、いくつかの章を重ねてきて、そろそろ、ははーんと筋が見えて、もっと先が読みたくなります。
どうしてこの親の元に生れ落ちたのか、なんとなくその理由が分かってくるし、小さな出来事の数々が数珠玉のようにつながって今に至っているその全貌も見渡せます。

私は新潟市生まれですが、新潟市は日本海に面し、街中には信濃川が流れていて、夕焼けのきれいな街で、田んぼをつぶしてできた郊外の新興住宅地でかえるの大合唱を聞きながら育ちました。
一番好きだったのは田んぼの真ん中の道を犬と行く冬の朝で、まだ誰も足跡をつけていない、真っ白な雪の上に降り立つのが気持ちがよかったのを覚えています。

大人になり働き始めた頃は下町の海のそばの古いアパートに住んでいました。不動産屋さんに、「ちょっと待ってください」と言って、走って砂浜まで行き、風景を見てから、賃貸契約をしたのでした。

その後もわたしはいつも水のそばに住んでいて、自然に触れられるようにしてきたのだなぁとわかります。こちらでも川のほとりに住んでいるのですが、こうしてみると水がわたしの原風景なのですね。

ブリストルでも、かも、白鳥、大サギなどがたくさんいる大きな池のそばを自転車で走って大学に通っていますが、一度大雨のあと、そばの川が氾濫して、市民農園も池も太い木々も全部水浸しになり圧巻でした。そして水鳥たちは「ここは楽園!」とばかりに声を上げていました。

(間 美栄子 2008年 11月15日 )



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