わが家の ファイブ ヒアシンス シスターズ
*昨日のお休みには久しぶりにロンドンでなずなと落ち合い、チャイナタウンで肉まんを食べ、映画を見てきました。
(‘We need to talk about Kevin’ http://www.youtube.com/watch?v=ozm-hlPNGX4)
冬はやっぱり、ホッカホカの肉まんだー。わたしは中学生、高校生のとき、いつも部活の帰りに肉まんをたべていたので、そういう季節感覚になっています。
日本では雪のようですね。家に閉じこもりがちになりますが、気分転換にまたスカイプではなしましょう。
第105話 音楽とバイオグラフィー
BBC3ラジオを聴いていたら、あるリスナーの年配の男の人がこんな話をしてくれました。
親父が炭鉱事故で死んでしまって、おふくろは生活費を稼がなくてはと、パブに働きに出るようになったんだ。そこでお客から「ワイヤーレス」-当時ラジオのことをこう呼んだんだがーもらったんだよ。俺はまだ7歳くらいだったが、夜布団の中でこの「ワイヤーレス」のことを考えていて、いてもたってもいられなくなった。それで下に下りていってスイッチをつけてみた。すると、今までに聞いたこともないような美しい調べが「ワイヤーレス」から流れてきたんだ。
俺の生活環境にはそんな音楽はまったくなかったからね。7歳の男の子が、夜布団からでてラジオの前に立っている、といえば、パジャマを着て、スリッパを履いて、と思い浮かべるかもしれんが、当時は、シャツはたった一枚、毎週土曜日に洗ったら、それを学校に行くときも、寝るときも、ずっと一週間着ているんだよ。そんな生活だったんだよ。
その人はその後も、ずっとこの曲のことを想い続け、大きくなってそれはショパンのノクターンだということを知るのでした。以来熱狂的なクラッシックファンに。一人の人の人生を変えてしまうような力を音楽は持っているのですね。
わたし自身は、初めて自分で買ったクラッシックのレコードは、ベートーベンの田園でした。高校生だったわたしは、友達と一緒にロマンロラン「ジャンクリストフ」を読んでは、モデルとなったベートーベンの生涯に熱していたのでした。この音楽がどれほどわたしの想像力をかき立て、理想へと向かわせたかは計り知れません。
わたしたちの病院には、ミュージックセラピストがいて、ミニマリーコンシャスステイトの患者さんも、自分の好きな音楽を生演奏で聞くことができます。患者さんの家族にどんな音楽がすきなのか尋ねると、エルビスとかロックとかの答えが返ってきたりもし、そんなロック世代がもう60歳、70歳となっているのだなーと驚いたりします。
(間美栄子 2012年 2月1日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
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