ハグハグの日々 Ⅳ  ~ 南日本海人、ライダー変身

ご訪問有難うございます。南日本海人、夏山裕のブログです。家族を愛し、人生に感謝して、日々をハグしながら送っています。

南日本海人、この辺で山田正紀の話

2008年04月19日 | お気に入りの本・映画・アート
 小さな頃からのSFファンであるので、文学のなかで小説が一番と思っているし、小説の中でSFが一番面白いと考えている。SFのなかで一番すごいなという作家が山田正紀である。小松左京大人ももちろん尊敬しているが、山田正紀はその小松左京の先の道を見つけて進んだ感がある。
 『想像できないことを想像する。』なんとまあ、わくわくするような言葉ではないか。実際、彼の小説の本格SF(?)は、さながら彼の想像力と読者の我々の想像力との真剣勝負のようである。
 しかしながら、考えると彼のことについて語るには、シャープな頭と莫大な集中力と超絶的に豊富な語彙を要するので、今日は、彼の本で代表的なものを紹介したり、一言コメントをつけたりすることでお茶を濁そう。

『神狩り』
 神の存在についてのまったく新しいアプローチであった。そのもの自体が描けないものを、周りを描くことによってあぶりだす手法に驚き。こんなこと誰も思いつかなかった。

『チョウたちの時間』
 過ぎ行く時間を愛おしむ作品。宝物のようなストーリイ。甘酸っぱいよう。

『弥勒戦争』
 仏教とは、弥勒とは、人類の業とは。ああ、いいねえ。小松左京節を感じるねえ。

『最後の敵』
 生物化学の最前線から生み出された感の作品。人間自体の不思議さと不気味さを感じさせる。このあたりから山田は天才だと思ったなあ。

『宝石泥棒』
 完全な作り話なのに、ここまで説得力のある想像ができるとは。この世界神話創造のイマジネーションは恐ろしいほどである。

『神々の埋葬』
 これが神三部作の最終作と思ったが、後でもう一つ最終作がでた。『神狩り』がプロローグであり、『弥勒』が仏教で、『2』がキリスト教とするなら、この『埋葬』はイスラム教とヒンズー教のあたりを主題としたイメージだ。インドや中近東に行きたくなる。

『神狩り2』
 まさか、『神狩り』の2が書けるとは思わなかった。びっくりした。最後は苦しんだようなところが見えるが、この想像力、構成力はやはりすごい。特に神が飛ぶイメージは、あまりにも想像力を絶するが故に、逆に荒唐無稽なイメージになり、それが、また反対の意味で凄いと感じた。

『顔のない神々』
 これは日本版だ。というより新興宗教を題材としたものか。地に着いた迫力がある。呪術的なイメージだ。この辺から広がる路線もあったなあ。ほかの作品に。

 いやあ、やはりこう思い出しただけでも、名作、傑作ぞろい、山田正紀は天才だ。すごい。他にもたくさん著書がある。もっともっと読まれていい作家だと思う。見えない存在に挑む作家だ。まさにミッション・インポッシブルだ。かっこいい。

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