瓜割の滝の続きです。
渓流沿いを先に進むと、見えてきたのは・・・
こ、これはひょっとしてキクザキイチゲではないですか!
渓流沿いの斜面に沢山咲きはじめていました。
キンポウゲ科イチリンソウ属。
花弁のように見えるのは、例によって萼片です。
キクザキイチゲは近畿以北に分布し、林床で美しい花を咲かせます。
早春にほんの一瞬美しい花を咲かせ、すぐに跡形もなく見えなくなるスプリングエフェメラルの一つです。
キクザキイチゲのイメージはこの淡い紫色なのですが、なんと対岸のスギの林床に・・・
「わたし、綺麗?」
なんと、白花も咲いていました!!
白い花もあるとは聞いていましたが、見るのは初めてです。
それどころか、キクザキイチゲは京都府立植物園にもなく、大阪公立大付属植物園で数輪見ただけです。
もう嬉しすぎて撮り倒し(笑)
お隣には薄紫の花も仲良く咲いていました。
不思議ですね~
キクザキイチゲで大興奮でしたが、もう一つ、沢山咲いていたこちら。
「私も見てよ!」
スギの葉に埋もれるように咲きはじめていたのはミヤマカタバミ。
こちらは年中葉が見られるのでスプリングエフェメラルとはされていませんが、十分魅力的です。
こんな感じで咲きはじめていました。
カタバミ科なので、光が当たらないと開花しません。(キクザキイチゲもですが)
実は最初9時半頃に勇んで出かけたのですが、ほとんどの花が開いていませんでした。
なので、時間を見計らって14時過ぎに再訪したというわけです。
柱頭が5裂します。
立派に雄蕊、雌蕊があるのに、実を付けるのは閉鎖花なんだそうです。
去年同じ場所に行った時、びよ~んと伸びた閉鎖花を見たのを思い出しました。
こちら可愛い三姉妹~
渓流沿いの花ではありませんが、いい雰囲気ですね。
最後に、まだ咲いていないと思っていた花が一輪だけ開花!
ショウジョウバカマです!
よほど環境がいいのか、葉の色艶もよく、花もとても綺麗でした。
ここ以外にも葉が沢山ありました。
あと半月もしないうちに一面ショウジョウバカマでピンクになりそうです。
まだ続きます!
【撮影:2023/3/11 福井県若狭町】
今回の若狭お出かけの一番の目的は、実は海でも梅でもなく、こちらでした。
これな~んだ?
京都府立植物園の植物生態園に通っておられる方ならご存じのはず。
そう、モミジチャルメルソウです。
福井、京都、滋賀の日本海側に自生する日本固有種で、準絶滅危惧種に指定されています。
たまたまネット検索していると、去年行った瓜割の滝で見られることを発見。
となるといてもたってもいられず、出かけてきたというわけです。
というわけで、瓜割の滝へやってきました。
去年の9月中旬にもご紹介しているので詳細は省略しますが、こちら天徳寺というお寺の奥にあります。
今回は、拝観も省略。
ヤブツバキの花など見ながら渓流沿いを行くと・・・
ありました!
川のすぐそばにびっしりとモミジチャルメルソウが生えています。
石段があったので、下まで降りてみました。
その名の通り、モミジのように葉に切れ込みがあります。
他のチャルメルソウは結構毛だらけなのに、モミジチャルメルソウはほとんど毛がなく艶々しています。
そしてもう一つの他のチャルメルソウとの違いは雌雄異株であること。
この事実は、記事を書くために調べていて初めて知りました。
最初から知ってたら、もうちょっと細かく花を見たのに~
いつ見ても不思議な花・・・こちらの花は花盤の周囲に雄蕊が並んでいるので、雄花だと思います。
雌花は、雄蕊がほとんど見えないそうです。
なお、前にどこかでご紹介した通り、名前の由来は果実の形が中国の楽器のチャルメラににているからだそうで・・・
今度は果実も確認しないとですね。
(京都府立植物園で探してみます)
まだ咲きはじめの株の方が多くこれからも楽しめそうです。
モミジチャルメルソウが沢山咲いていた場所の向かい側、白い花が見えました。
分かりにくいですが、モミジチャルメルソウの群落の右側です。
カメラを向けると・・・ん?ワサビ??まさかね。
花はアブラナ科。
最初ユリワサビ一択かと思ったのですが、葉にゆるい鋸歯がほとんどありません。
前に信州のワサビ園で見た葉よりずっと小さいので、多分ユリワサビなのでしょう。
こちらも渓流にしか生えない植物だと思いますので、納得です。
苔むした岩と渓流。
マイナスイオンがたっぷり!
おや、まだ早いと思っていましたが、ネコノメソウの仲間の花が咲いていました。
タチネコノメソウでしょうか。
やんたんなどでよく見かけるヤマネコノメソウに比べたら、華奢な感じです。
こちらも日本固有種で、谷沿いの水湿地に生えるそうですので、ぴったりですね。
雄蕊は8個です。
歩き始めて10分も経たないうちにこれだけの花を見つけることができました。
そして、横にはさらに嬉しい発見が・・
そちらについては明日!
【撮影:2023/3/11 福井県若狭町】
今回若狭に出かけた目的のひとつが梅園の梅を見ること。
福井県の梅といってもピンとこない人が多いと思いますが、実は若狭は日本海側随一の梅の産地です。
しかもそのほとんどが若狭町、三方五湖の周辺で栽培されているそうです。
今回行ったのはその中心地ともいうべき、三方湖の周辺にある梅園。
車をその名も「梅の里会館」という梅製品直売所の駐車場に停め、徒歩で散策に出かけました。
遠くに見えているのがウメです。
綾部の梅林でもみたように、高さがきっちりと揃っているので、観光の梅園とは全然趣が違います。
近づいていくとこんな感じです。
上部がきっちりそろっているように見えますが、実際には結構えだがぴゅんぴゅん上に伸びています。
青空に映える!
若狭町のホームページに、梅栽培に関する分かりやすい説明がありました。
それによると、
・若狭の梅栽培は江戸時代天保年間(19世紀前半)に始まりました。
・主な品種は若狭で生まれた「紅映(べにさし)」。実に赤み(紅)が差しているので、その名前がつきました。
・紅映はほぼ100%福井県のみで生産されています。種が小さく肉厚でアミノ酸の多い美味しい品種です。
和歌山の南部梅林の一目100万本には敵いませんが、山の上まで広がる梅園は結構見ごたえがあります。
ちなみに、南部梅林が始まったのは19世紀半ば以降ですので、ほんの少し若狭の方が先輩のようです。
時期的には少し遅めでしたが、まだ十分綺麗でした。
梅林の下にも緑が萌え始めていました。
お決まりのヒメオドリコソウに
青いオオイヌノフグリ(星の瞳ちゃん)の群生も綺麗。
こちらはミチの付かない、タネツケバナでしょう。
一見ただただ梅の木が広がっている場所ですが、全く飽きません。
おや、梅の根元になにやら木箱が・・・
ズームで見てみると・・・
ミツバチの巣箱でした。
梅の蜜って美味しそう~
こちらの梅の木の下にも巣箱が・・・結構養蜂もされているようです。
ほとんど赤萼で白い花弁の梅ばかりですが、ほんの少しピンクがかった花も・・・
ちゃんと雌蕊が見えます。
とても気持ちの良い青空の日に、梅林を散策できて楽しかったです。
今回は湖をバックにした梅林を撮れなかったのがちょっとだけ残念でした。
調査不足でした・・・
駐車させてもらった梅の里会館ではちょうど梅まつりが行われていました。
梅を使った商品が所狭しと並べられ、私も梅ジャム、梅酒、梅胡椒(柚子胡椒梅バージョン)を購入。
甘酸っぱいジャムはヨーグルトに、梅胡椒は蒸し鶏のたれに、梅酒は晩御飯のおともにと楽しんでいます。
【撮影:2023/3/11 福井県若狭町】
先週末、ストレス解消にと久しぶりに若狭まで行ってきました。
前に行ったのが11月の初めころでしたので、およそ4カ月ぶりです。
今回の目的は、梅園とスプリングエフェメラル。
それはまたこの後ご覧いただくとして、まずは海です!
福井県小浜市から敦賀市まで海沿いを走る国道162号線。
その途中の世久見湾という場所から見た光景です。
(ちなみに国道162号線の起点は、京都市右京区。小浜までは100㎞弱だったと思います。)
エメラルドグリーンの海がすごく綺麗!
この辺りはリアス式海岸で、海岸線がとても入り組んでおり、波が穏やかです。
夏場は海水浴場になる海岸もあるようですが、基本こんな岩場が多いです。
これは自撮りではなく、自影撮りでしょうか(笑)
どーでもいい写真ですね。
夕日が綺麗なんだそうで・・・
次に向かったのは、三方五湖方面。
今回の目的の一つ、若狭町の梅園を見に行きました。
詳しくは明日載せる予定ですが、今日は予告編としてチラッとどうぞ。
田んぼにアオサギ
こちらは三方湖です。
ダイサギが気になります。
ヨシが生えている手前には、カモもいるようです。
マガモか~・・・しかも遠すぎ!
わたしを撮ってちょうだい。
撮ってって言うから撮ってるのに、逃げないで!
あまり鳥果はありませんでした。
ハマダイコンの花が綺麗です・・・
ということで、植物以外の投稿はこれで全て。
あとの3回で、今回見た花たちを出していきますね!!
【撮影:2023/3/11 福井県若狭地方】
綾部梅林公園でウメを堪能したあと、わち山野草の森に行きました。
そろそろスプリングエフェメラルたちが咲きはじめているのではないかと期待に胸を膨らませて・・・
今年は雪が意外と遅くまで残り、そのあとは朝晩は真冬、昼は4月の陽気となりました。
いったいいつ頃花が咲くものやらちょっと不安でしたが、いかなきゃ分からない!
ということで、今回は趣向を変えて、道の駅から由良川沿いに歩いて行きました。
お~川岸に沢山のぶら下がり系が!
こちらはカワラハンノキでしょうか。
ぶらぶら下がっているのが雄花です。
そして、上の方に小さなマイクのように突き出しているのが雌花ではないでしょうか。
早春っぽいですね~
ついつい沢山撮ってしまいましたが、ほどなくわち山野草の森に到着。
入ってすぐの有料ゾーン付近にはほわほわのコートを纏ったネコヤナギ。
後ろのピンクはウメです。
花壇にはセツブンソウがまだ少し咲いていました。
途中何もない上り坂をぜいぜい言いながら登ります。
鳥!カメラを向けると・・・嘴を花粉で黄色く染めたヒヨドリでした。
鳥果の少ない日だったので、出てきてくれてありがとう~です。
やっと着いた・・・ユキワリイチゲの咲くエリアです。
ぱっと見、葉だけ?
いえいえ、数輪ですがちゃんと咲いていてくれました!!
嬉しくて何枚も。
ほとんどこんな感じで、まだまだこれからですね。
バイカオウレンはもうほとんど終わっていました。
こちらは名残花です。
思ったより咲いていたのが雪割草!
ちなみに、ユキワリソウとカタカナで書くと、サクラソウ科サクラソウ属の全然違う植物になります。
雪割草はミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウの総称なんだそうです。
こちらは雪割草として紹介されていたので、キンポウゲ科ミスミソウ属ということにしておきますね~
数々の園芸種があり、雪割草だけを沢山育てておられる方もいらっしゃいますね。
一度、出かけたときにそんなお庭を見かけて驚嘆しました。
湿地ゾーンに向かう途中の神社の鳥居。
ヤブツバキが綺麗でした。
湿地ゾーンは何もなくて、作業中だったのでパスし、そのまま小川沿いの一番奥まで行ってみました。
途中、沢山生えていたフキノトウ。
もう食べごろが過ぎたものが多く、花が咲いていました。
こちらは、雄花です。
少し紫がかった線状の花を付ける雌花も見たかったのですが、見当たりませんでした。
結局一番奥まで行ったものの、何も見つけることができず、そのまま戻ってきました。
由良川の鉄橋を特急列車が通過していきました。
入り口の三角屋根の建物が見えてきました。
おや、赤いぶら下がり系は何でしょうか。
ベニバナアセビでした~
こちらの木、結構長く咲いていて、桜の時期にも見られます。
ということで入り口に戻ってきました。
これから、イワウチワやイワカガミ、シュンランにカタクリなど、どんどん咲いてきます。
また足しげく通うことになりそうです。
【撮影:2023/3/4 わち山野草の森】