この季節、花はほとんどありませんが、実は結構目立ちます。
昨日に引き続き、大阪公立大附属植物園で見た真っ赤な実からお届けします。
なんたって、今日はクリスマスですからね~
ヒイラギ!と答えた方が多いのでは。
いえいえ、ヒイラギはモクセイ科ですが、クリスマスの飾りに使うのはモチノキ科。
どちらも葉の棘が鋭いので魔除けにするという共通点があります。
じゃあ、こちらはセイヨウヒイラギ!
いえいえ、セイヨウヒイラギの葉はこんな仮面のような形はしていません。
じゃあ答えはというと・・・
ご安心ください。ちゃんと樹名板がありました。
こちらは、シナヒイラギ(モチノキ科モチノキ属)。別名ヤバネヒイラギです。
なるほどどこかで見た記憶があると思ったら、京都府立植物園のモミジゾーンにもあった実ですね。
で、こちらの木は竹林の横にあったので、クリスマスというより和風、いえ中華風でしょうか。
つづいてこれでもか、の真っ赤な実。
いや~、沢山生りましたね~
お庭や公園などでも見かける木なので、ご存知の方が多いと思います。
実のお尻の黒い部分は花が落ちた跡ですが、星型になっています。
こちらはトキワサンザシ(バラ科タチバナモドキ属)です。
ピラカンサ3きょうだいの一つで、西アジア原産。
星型になっているのは、バラ科なので花が五弁だから・・・かな?
ちなみに、のこりの2つは、タチバナモドキとカザンデマリ。
実だけで区別するのは危険ですが、タチバナモドキは少しオレンジ色っぽく、カザンデマリは真っ赤っか。
本当は花山手毬ですが、火山みたいなのでカザンデマリと覚えています。
オレンジ色の実といえばこちら。
いや、これは普通にカキでしょ。
はい、カキノキ(カキノキ科カキノキ属)です。
野生の柿はヤマガキとも呼ばれるそうですが、こちらの柿は植えられた柿と違い小さくて実が鈴なり。
「山柿」という名前にふさわしい感じです。
近くで見かけた黒い実ですが・・・
隣に緑の花芽もついていますね。咲くのは春ですが。
こちらはヒサカキ(モッコク科ヒサカキ属)。
黒い実より、春のあのガス漏れのような臭いのする花の方が印象に残ります。
そして最後に2種類の実を載せますので、名前を当ててくださいね。
最初はこちら。
2つ目はこちらです。暗かったので撮った写真がすべてピンボケ。
いかがでしょうか~
答えは、上の方がムラサキシキブ、下の方がヤブムラサキ。
いずれもシソ科ムラサキシキブ属です。
どちらもよく似た紫色のミンツのような実がなりますが、違いがわかりますでしょうか。
ムラサキシキブは、次の写真のように花柄が少し長く、まばらに実が付く感じです。
毛はなく、全体がつるんとしています。
日本全国の野山で普通に見られ、宇治川沿いの林縁にも生えています。
一方、ヤブムラサキはちょっと毛深いのが特徴。
下の写真は以前京都府立植物園で撮った写真ですが、萼が毛だらけなのがよく分かります。
ヤブムラサキは少しだけ暖かいところが好きなようで、宮城県以西の本州、四国、九州に分布。
残念ながら青森や北海道ではみられないようです。
最後に、ムラサキシキブ、ヤブムラサキときたら忘れてはいけないのがこちら。
植物園では見られませんでしたが、庭園などで見られる「ムラサキシキブの仲間」はほとんどこちらです。
本州以西に分布しているとありますが、地元では野生のコムラサキは見かけません。
庭から逃げ出して野生化したコムラサキならあちこちで見ます。
クリスマス実特集第二弾、いかがでしたでしょうか。
最後に、園内あちこちで返り咲いていたこちらの花をどうぞ。
モチツツジ(ツツジ科ツツジ属)です。
毎年のように返り咲いて、冬枯れの山でピンク色が目立ちます。
静岡以西に普通に自生しており、地元でも春には山のあちこちがピンクになるほど沢山咲きます。
明日は、今回大阪公立大附属植物園に行った主目的である、あの花をドドーンと出していきますね!
【2023/12/9 大阪公立大附属植物園】