水谷茶屋でお腹を満たした後、向かったのは・・・
あれ、奈良にこんなところあったっけ?
と思われる方も多いのでは。
今回適当に奈良を歩いてきましたが、一か所だけ行ってみたい場所がありました。
それが春日山原始林です。
春日山原始林とは、1100年以上、春日大社の聖域として守られてきた自然林です。
国の特別天然記念物であるとともに、世界文化遺産にも指定されています。
これだけ長い間伐採が禁止されていたので、現在貴重なシイ・ナラの照葉樹林となっています。
神域なので中には入れないとずっと思っていましたが、たまたま遊歩道が整備されていると知りました。
今回は出発が遅かったので、もっともお手軽な「水谷神社から若草山コース」で小手調べすることに。
(他にもいろいろコースがあり、いずれ全部行きたくなりました。)
あ、幸先よくエゴノキの実を食べに来たヤマガラに遭遇です。
木々の隙間から木漏れ日が漏れて、ここまでの喧騒が噓のようです。
見上げてみました!
ご親切に樹名板がありました。この木はイチイガシ(ブナ科コナラ属)。
幸先がいいです。
奈良公園でも時々見かけるこの木はナギ(マキ科ナギ属)。
本来、四国・九州以南に分布する暖地性の植物ですが、奈良に移植されたものが自生するように。
葉がまるで分厚いササの葉のようなので、一度見ると結構覚えます。
このナギ、異臭がするのでシカが食べない上、木陰でもよく育つそうです。
そのため徐々に林内で勢力を拡大しつつあり、本来のシイ・カシを脅かすと駆除もされているとか。
小さな川が流れる周囲は鬱蒼とした森になっています。
照葉樹はどうしても暗くなりますね。
すぐに休憩所が。さすがにまだ休憩するほど疲れていません。
ただ、コースの地図があったので、念のため確認。
「洞のモミジ」の標識があったので見上げると・・・
まだまだ綺麗な青紅葉でした・・・
シダが群生する場所がありました。種類は不明です。
先に進みます。緩やかな坂道をこんな感じで約2.5km登っていきます。
見ての通り人は少なく、降りてくる人に時々出会うくらいでした。
アセビ(ツツジ科アセビ属)の青々した葉。まだ蕾は付いていません。
こちらもシカが食べないので増える組ですね。
遊歩道以外の立ち入りは禁止されています。
確かにマムシはでるのかもしれないけど、「神域につき」ではだめなのかな。
岩に根が食い込んだ木がありました。すごい迫力です。
こちらの木の根はなぜか空洞に。なんかどれもすごいぞ。
ちなみに、木の背が高すぎて種類がよく分かりませんでした。針葉樹のようです。
ところで、主要樹種のシイ・カシはどうした、ですが・・・
お~、この微妙に暗い感じの木、比較的なめらかな樹皮、こちら間違いなくシイですね!
でもスダジイかツブラジイかどちらでしょう。
・・・秋なので、簡単に見分けがつきました。というのも・・・
シカのふんじゃないですよ。黒い丸いどんぐりがあっちにもこっちにも。
この小さい実はツブラジイ(ブナ科シイ属)のどんぐりです。
ここらにある椎の木はツブラジイが多いようで、遊歩道には沢山の実が落ちていました。
いや~いいですね。やっぱり木は最高ですね!
写真は最低の出来ですけど・・・(泣)
おや、斜め上に伸びるこの木、樹皮がとても特徴的です。
波打っています。
背が高すぎて葉が分かりません。
カエデの葉が見えていますが、カエデの樹皮にしてはちょっと迫力ありすぎ?
最初見たときはシデの仲間かと思いましたが、お隣のイヌシデとは全然樹皮が違いました。
そうそう、イヌシデもここ原始林の樹種のひとつだそうです。
お隣の木の真ん中に奇妙なものがくっついているのを発見。
ズームで見てみると・・・なんじゃこれ。
このふわふわのお座布団かパンみたいなのは、キノコの仲間でしょうか。
たまたま反対方向から下りてきたご夫婦、私が熱心に写真を撮っているのを見て
「何があるのですか?」
実は・・・と指さすと、お二人ともえ~なにこれ!と興味津々。
ご主人がスマホで写真を撮って早速検索されましたが、「〇〇の蛹」とか出てきてガッカリ。
私も先ほどGLで調べてみましたが、結局不明。一番近いのがヒラフスベ?
ご存知の方教えてくださいませ~
砂防ダムのような石積み発見。誰かが作ったのでしょうか。
ふぅ、緩いとはいえずっとのぼり坂。
たかだか2.5kmとはいえ、だんだん足が重くなってきました。
幸いこの先に休憩所があり、そちらで少し水分補給の休憩。
あちこちどんぐりだらけでしたよ~
大きいのがスダジイ、小さいのがツブラジイでしょうか。
ようやく鶯の滝方面との分岐点まで来ました。奈良奥山ドライブウェイとの交差はもうすぐです。
それにしても、出逢いの三叉路とはよく名付けましたね。
鶯の滝はここから2.2kmで、結構迫力のある滝だそうですよ。夏に行きたいです。
ということで原始林散歩はここまで。
花は全く見られませんでしたが、鬱蒼とした木々にテンションアップです。
地味な絵面ばかり見てくださり、ありがとうございました。
【撮影:2023/11/3 奈良県春日山原始林】