難しい仕事を終えて飲んだ三軒目のハシゴで
立派なホテルのバーで一杯も良いね
と相棒が言うので
皇居が望める、何年か前に出来た贅沢そうなホテルに入った
上層階にある、バーと言うよりは大きなサロンであった
「止めようよ、一杯づつで良いじゃない」と言うのに
相手は「1本7,000円也」
のシャンペンを注文した
旨いのかどうなのか、を判るほど飲み慣れていないので
勿体無いな…の気持ちは払拭されなかった
ふと、外を見ようと、窓辺の眺めの良さそうな席に目をやると
上品で感じの良さそうな老夫婦がいた
「もう十年程したら、そんな飲み方も言いな…」
と、帰ってから妻に言うと
「そこまで二人で続けばね…」
と、あしらわれた