五十円

不景気のせいか
近頃、値下げ競争が激しい

３～４昔前は
給料も含めて、物価がどんどん上がった

雇用も売手市場で
働き甲斐も有り、将来への希望も大きかった

バブルがハジけて、もう二十年
かっての日本は、もう無い

次から次と、政府が変わっても
景気は一向に好転しない

復興景気を期待したが
それも時間が掛かり過ぎて…

何もかも安値競争になり
近頃では、請求書を送らなければ
５０円引く、との一方的な通知…

そんなにまで、コスト節減をしているのか、
あるいは、環境への配慮受けを
狙っているのか…

もう少し
世の中全体に、余裕が欲しい

コンパクト

片づけ・整理をしていて
驚く事は
あんなに大切だと思って取っておいたものも
思いきって捨てると
その何十分の一になってしまう

自営の事務職で三十五年超もやって来ると
大事なもの、将来役に立つ
と思っていた書類が山と溜って来たが
その中で
見直したとか、役立てたとか
言えるものは少ない

変化が無いようで実は変化が有り
流れていると知らされる

仕事のものだけでなく
身の回りの整理もし始めているが
思い切って捨ててみると
結構捨てられる

長かったようで
そうでもなかったか…
コンパクトに纏まる

いろいろと
一生懸命やって来たが
そうでもなかったか…
大した事は無かったようだ

無人駅

普通列車でJRローカル線を旅すると
無人駅の多いのに驚く

中には、嘱託員が
仮駅員を勤めている

昔はチャンと駅員が居て、出・改札をしていた
名残を残すところも少なくない

そう言えば、はるか国鉄時代の
鉄道には誇りが有った

国鉄マンも、それぞれの職場で
職責に応じた誇りを持っていた

そして、親子兄弟で国鉄マンである
家庭も少なくなかった

また、各駅周辺には社宅が有って
多くの同僚、先輩、上司が
近所に住っていたものだった

近年、この近くにも
JRマンションが建ち、高層建物が
幾つも寄り固まって有る

昔の社宅群とは
比較にならないほど
快適だろう

今でも、隣家のJRマン同士の
付き合いは有るのだろうかと
時々余計なお世話を考えながら
前を通る…

ライブカメラ

最初は白鳥や鶴の飛来状況を
見たくて
設置されているライブカメラを
毎日見ていた

今では
そのような自然観察のみならず
公園、市街、山頂からの展望、駅その他の建物、等
いろんな所を
ライブカメラで見るのが
楽しくなった

日々の、時刻ごとの
天候や人込みや
いろんな変化が見える

特に
現地を訪れたところは
その当時との比較で
面白い

冬の間は
真っ白で地面だと思っていたところが
春になって
そこが水面だと判った時には
ビックリした

馴染んだところは
誰か知り合いが歩いていないかと注視するが
いまだ、そう言う事例は無い

逆に、見られていないかと
注意しなければならない

近頃はコンビニをはじめ、
監視カメラを付けている職場が少なくないが
それも困ったものだ
働いている人が適当にサボれない

進歩のし過ぎも
時には便利で
時には不便だ…

女刑事（2）

「お父さんはお元気？」と聞いたら

「父は殉職しました」との事

『ええっ、いつですか？」

「もう１０年ほど前になります」

「じゃ、私は海外赴任中でしたから、ニュースにも接しませんで、失礼しました」

「いいえ、こちらこそ。　御連絡しないで済みませんでした」

「もっと詳しくお聞きしたのですが、今日はお客さまと御一緒していますので、あいにく時間が有りません」と詫びると

「私も職務中ですので、また別の機会にさせて頂きます」と受けて、離れていった

思わぬ出会いのみならず、考えてもいなかった内容に、

先ずは驚いた…