「俺が死んだら、捨ててくれ」
と、書いたメモが袋に貼ってあった
小学校卒業証書と、分厚いボール紙に印刷された全体写真
それに、小学校時の学業優秀と皆勤の賞状が数枚づつ
それ以上は進学しなかったので、後は大人になってから苦労の末に入学出来た大会社の付属研修所の入学・修了証書と集合写真
生きている間は自分では捨て難かったの だろう、無口な親父の矜持だったのか…
タンスの上から埃だらけの袋を見つけた時の気持ちは、正に、英語で言えば、タッチングだった
一方、自分はと振り返ると
後を託する子がいない身だから、沢山有る写真も証書もやはり自身で処理しておかねば、と思ったものだ
心なき身にもあわれは知られけり…、か?