母真佐からの小包が届いたのは、それから一週間程してからであった
開けると
妹の優香の身の回り品や子供の頃から大事にしていたもの、そして十枚ほどの写真が同封されていた
これで、準備は整った
後は、自分の覚悟と度胸が要求される…
王宮ではエミ王女一行の訪問準備が始まった
お付きの女性随行員が十名ほど、男性随行員が数名、そして警護人が男女合わせて二十名ほど、となった
健一は比較的自由に行動出来るようにと、随行員の末席に位置づけられた
情報部員が得た写真が回って来た
民族衣装を着て、顔は目の部分を除いてベールで覆われているので、何とも判別が難しい
ただ、目元は東洋人のものだ…
ちよも随行して、エミ王女と健一との間の連絡員として、また必要に応じて日本語の通訳として役立つようにと、王女のそば近くに居る事になった
予期せぬ事になったちよに健一は
「断ってもいいんだよ」と言った
「大丈夫です」と気丈な返事が返って来た
有り難かった…
(続く)
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