こんにちは「中川ひろじ」です。

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「シルキーバス」のことみんなで考えませんか?

2018-05-09 11:52:03 | 公共交通

 

遠藤まゆみ岡谷市議会議員のワークショップ「シルキーバスのことみんなで考えませんか」があり出席してきました。

遠藤さんから「岡谷市内を走るシルキーバへの一人ひとりの要望は多い。回り道が多く時間にムダを感じていたが、自宅に近いところで乗ろうとすれば現状となる。市・事業者だけの取り組みでは限界がある。住民と三位一体でいいものをつくっていくことが必要と感じている」と今回のワークショップ開催に至った思いがお話しされた。

続いて、岡谷市の担当者から「岡谷市内を走るバスのこと」について説明がありました。

 

現在、岡谷市内を走る公共交通は、アルピコ交通岡谷茅野線(本線)、岡谷市がJRバス関東とアルピコタクシーに委託して運行している「シルキーバス」、近隣では下諏訪町が「あざみ号」、諏訪市が「かりんちゃんバス」を走らせています。このほか、岡谷市・下諏訪町・諏訪市の三つの自治体で共同運行し、諏訪湖を周遊している「スワンバス」、さらに高速バス、JRがあります。

アルピコ交通岡谷茅野線は、岡谷駅と茅野駅を大型バスで結び往復32便が走っています。運賃は距離制となっています。ちなみに岡谷茅野間は大人910円です。JRは320円ですから、駅から遠い人や、途中に目的地がある方が利用しているものと思われます。市の説明の後、アルピコ交通労組諏訪バス支部浜委員長の話によれば、この路線は市町村をまたいで運行されている路線で国と県から幹線経路補助金が1700万円投入されているそうです。この補助金を受けるのは1日5往復以上が必要とのこと。平成22年は一台当たりの平均乗車人数は20人であったが、平成29年は14人に減ってきています。平成29年の乗降客454人中46%にあたる200人が岡谷市内で乗降しています。

 

シルキーバスは、現在7路線を5台のバスで運行しています。5台のうち中型バスが4代、ジャンボタクシーが1台で乗降人数に応じて配置されています。路線図をみると、市内くまなくバスが走っています。基本路線は循環路線である「今井・長地」「長地今井」線で、平日各7便が運航しています。このほか市街地を循環する「東ルート線」が右回り3路線左回り2路線、「西ルート線」は右回り3路線、左回り1路線を運行しています。一方向往復路線では「やまびこ公園線」往復9便、「川岸線」16便、「川岸橋原線」往復2便運行しています。

限られたバスの台数をより効率的に走らせるための工夫がバスダイヤを見ていると感じられます。

 

運賃は一律大人150円、小学生80円。回数券12枚綴りは1500円。1日フリーパス券は大人300円、小学生150円です。

市では高齢者向けに大型バス、ジャンボタクシー別にシルキーバスの乗り方を動画でつくっています。ジャンボタクシーの場合、8人以上になる場合はタクシーを追加することと、乗るときに行き先を運転手に伝えることが必要です。

 

スワンバスは外回り8便、内回り7便運行しています。岡谷市から諏訪湖を挟んで対岸にある諏訪日赤まで内回りで約30分ですが、外回りだと1時間20分ほどかかります。

 

シルキーバスの利用者数は、平成18年163,980人から平成28年136,541人に減少しています。市の担当者はこの原因について高齢者の免許保有率が上がっていて、10年前に比べてマイカーで移動する人が増えていることや、家族による送迎が増えていることではないかと説明していた。市は1日平均5人以下になると運行を検討することとしているそうです。

また、収支の状況ですが、運行経費が約7500万円、運送収入が約1500万円で、赤字が約6000万円ということになります。そもそも赤字だから民間バスが撤退したので、市が市民の足を確保するため運行しているので赤字分は市が負担しています。*ただし、市の持ち出し分の9割は国の特別交付税で補てんされています。

課題は、高齢者向けにノンステップバスを導入したいが坂道が多く難しいことや、車両更新がなかなかできないことだそうです。

 

 

スワンバスの利用者も平成18年113,648人から平成28年85,689人に減少しています。市の担当者は、今回会場となった間下区民センターを起点とした、JRへの接続、買い物、レジャーの利用方法も紹介してくれました。これは、いいことだと思います。私も松本でバスを使って何ができるのかツアー計画をたててみたいと思いました。

続いて、アルピコ交通労組諏訪バス支部の浜委員長から公共交通の置かれている現状についてお話がありました。2002年道路運送法の改定でバス事業がそれまでの認可制から届け出制に変わり大幅に規制緩和となりました。これまで既存のバス会社が高速バスや貸切バスの利益で赤字路線バスを運行していましたが、それができなくなり更に路線バスを削らざるを得なくなりました。公共交通は水道やガスと同じ社会的インフラであり、交通弱者対策として必要不可欠です。民間だけの運行では赤字になれば廃止ということになってしまいますが、国の地域公共交通維持改善事業を使って、全国で自治体がバスを走らせています。

諏訪バスも例外ではなく、会社再建を余儀なくされた時も赤字路線バスの廃止、自治体運行への切り替えを行ってきています。さらに、運転手が不足をしていて、シルキーバスの受託さえも撤退せざるを得ませんでした。

バス事業者とすれば、労働条件の改善を進めながら、運転手を確保し、「安全・安心」のバス運行に心がけていきたいというお話でした。

参加者からは「バス停に屋根や椅子を設置してほしい。それができなければ病院の待合室で待っているので声をかけるようにすればどうか」「バス停と横断歩道が重なっていて、バスを待っている客か横断しようとしているのか分からず車が止まってくれてしまう」「JRとの接続が悪い」「高齢者の免許返納へのサービスを強化したらどうか」「高齢者への優遇措置を拡大してほしい」などの違憲要望が出されました。

最後に、遠藤市議から参加者の皆さんの1週間の動き方についてアンケートを行う提案がされました。

「乗って残そう公共交通」は、確かにそうですが、「乗って便利な公共交通」にしていかなければ結局は利用者が減って廃止となります。行政・事業者・住民が一緒になってバスを楽しく利用できる仕組みを考えていくこと、特に住民が参画しないと成功はしませんね。

 

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