記念講演は、在日韓国研究所の金光男(キム クァンナム)所長です。非正規を正規職転換した朴元淳(パク ウォンスン)ソウル市政について講演をいただきました。
新自由主義がはびこるなかで、直接雇用の非正規1369人を正規職に転換したことをはじめ、間接雇用5953人を段階的に直接雇用に転換していくなどに取り組んでいることが紹介されました。
曰く、「いつ解雇されるかわからないという不安な気持ちのまま、どうして仕事に情熱を傾けることができるでしょうか。最も厳しい仕事を最も大変な条件のもとで行っている労働者に正当な労働の対価を支払うことができなければ、正義を尊ぶ公正な社会とは言えません。今回私が行ったことは、きわめて当然な労働の常識の見直しであり、社会の基本を回復したことにすぎないのです」
特に、「市長は市民だ」という理念のもと、市民のあらゆる階層と積極的に話し合いを続け、話し合いの場に専門家や運動家、あるいはボランティアといった皆さんを交え、その場で政策をつくっていく手法は斬新です。
日本の大企業を中心にアジアへの生産拠点を移すなかで、格差と貧困が広がっています。ここまでひろっがった格差と貧困であるからこそ、”平等”をあらためてスローガンに掲げる意味があると思います。
日本の安全保障環境を確保するためにアジアの社会民主主義勢力との連帯が必要だと思いました。
韓国から見た「戦争法案」についてもコメントをいただきました。
5月に社民党吉田党首が韓国の与野党の党首やソウル市長とも会談を行った。その仲介役をした。韓国では、299名の国会議員中142名が「日本国憲法9条をノーベル賞に」という運動に署名をしている。
外交部の正式見解は「朝鮮半島において韓国政府の要望がなければ集団的自衛権の行使は容認できない」というもの。これに対して中谷防衛大臣は「38度線の南側だけという見解がある」と答えている。
朝鮮有事の際、指揮権は韓米軍司令部(=駐韓米軍司令部)になる。法理上駐韓米軍司令部の指示で韓国内で自衛隊が活動できる。
だから国会は二度にわたり日本の安保法制に反対する決議を行っている。
・・・日本にはソウル市制のことも、韓国国会のことも詳しい状況は何も伝わっていない(怒)。
金沢へ向かう北陸自動車道は、小矢部から金沢森本まで雪。工事のための車線規制もあって、渋滞のため会場に30分遅れで到着。16階の会議室から見る金沢市内。金沢城公園が見える。
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