著者:ポール・バズデン、発行所:キリスト新聞社
ある会合で紹介された本を購入して読んでみました。
豊富な礼拝学の知識を背景にしながらも、現代教会の礼拝のあり方を考える上で、
実践的な方向性を与えようとする本でもあるかな、と思いました。
とりあえず、注目すべきは、著者が提唱する礼拝の5つのスタイル。
リタージカル、トラディショナル、リヴァイバリスト、プレイズ・アンド・ワーシップ、シーカー・サービス。
「私たちの教団はトラディショナルがメインかな」とか、「最近アメリカで流行っているのはシーカー・サービス・スタイルだ」とか、
色々思い当たるところがあります。
そして、熱くなりがちな礼拝議論に対して、多様性に対して受容的であるように勧めつつ、
最後のほうで、「礼拝目的の明確化」を提案しながら、著者自身の礼拝の目的についての見解を、
「主たる目的」と「副次的目的」に分けて示しているところが注目すべきと思いました。
「・礼拝の主たる目的は、神が神であるがゆえに、そして神が成し遂げられたことのゆえに、神に感謝と賛美をささげることであり(崇敬)、
私たちの神に対する愛、そして私たちと神との交わりを新たに確認することである(献身)。
・礼拝の副次的な目的は、イエスの生き方を見つめ、それに従うことであり(牧会)、
神の示された生の意味と生の規範に服従することであり(倫理)、
キリストの体として結びつき、それを建て上げることであり(交わり)、
そして神の愛と恵みを未信者に向かって宣べ伝えることである(伝道)。」(181-182頁)
現代の礼拝のあり方について議論をしようとするなら、まずは読んでおくべき基本図書という感じがしました。