長田家の明石便り

皆様、お元気ですか。私たちは、明石市(大久保町大窪)で、神様の守りを頂きながら元気にしております。

本書との出会い

2013-09-02 17:55:15 | Dunn "Baptism in the Holy Spirit"

このコーナーでの2冊目の本は、洋書です。

James D. G. Dunn "Baptism in the Holy Spirit" The Westminster Press,1970


「洋書も読むの?」と言われそうですが、驚くなかれ、私としてはきちんと読んだ2冊目の洋書でもあります。(洋書はまだ2冊しか読んだことがないということ。)

このコーナーの問題意識としては、「福音とは何か」「救いとは何か」ということですが、この本は、「聖霊のバプテスマ」という視点から「救いとは何か」という問題を掘り下げた本、ということができるでしょう。


(1)この本との出会い


この本を購入したのは、神学生時代です。4年生時、自分でテーマを決めて卒業レポートを書かなければなりませんでした。私が選んだテーマは、「第二の恵み」。私が所属する教団では、「第二の転機としてのきよめ」が強調されてきましたので、このようなテーマが自然に私の中で問題意識として固まっていました。

実は、私が所属する教団では、この「第二の転機としてのきよめ」を別の角度から表現した言葉として、「聖霊のバプテスマ」という言葉が使われてきてもいました。ですから、私の卒業レポートでは、「きよめ」についてと共に、「聖霊のバプテスマ」についての検討をしました。

このレポートをまとめるために、色々な本を購入したり、読んだりしました。日本の文献だけでは限界もあると思い、キリスト教書の洋書カタログの中から「聖霊のバプテスマ」をテーマとしていそうな本を、タイトルだけから判断して何冊か購入しました。その中の一冊が本書だったわけです。ちなみに、購入した別の本は、今見てみると、本書に対する反論として書かれた本のようで、これもびっくり。(まだ読んでいませんが。)

ところで、当時購入したものの、この本は長い間読まれないまま本棚に眠ることになりました。自分の英語力からすると、この本を読みこなす余裕がないように思えたことも、もちろんあります。それと共に、私のレポートのテーマは、「第二の恵み(転機)」です。「第二の転機」としての「聖霊のバプテスマ」について検討するのに役立ちそうな本を探していたわけですが、ざっと見た所、この本は、「第二の転機としての聖霊のバプテスマ」という考えをばっさり拒絶する内容に思えました。それで、せっかく購入したこの本を読まないまま、卒業レポートを書いたわけです。

神学校卒業後、20年。ある牧師が、「聖霊のバプテスマ」についての聖書神学的研究の最重要図書としてこの本を紹介しました。びっくりしました。「あの本が!」というわけです。こうして、本棚に眠っていたこの本は、20年振りに手に取られ、読まれることになりました。


(2)このコーナーで取り上げるにあたって


本は、テーブルに辞書(英和、ギリシヤ語)や聖書(日本語、ギリシヤ語)を並べながら、どうにかこうにか読み終えました。内容的には、私の問題意識から言っても非常に刺激に富んだ本でした。とは言っても、このコーナーで取り上げるには、それなりに躊躇もあります。1つには、自分の英語力、ギリシヤ語力から言って、この本の論旨を100%理解できた自信はないからです。

もう1つは、この本には続編があるかもしれないのです。この本の最後には、この本の結論がもう一つの基本的問題を提起することになる、ということが記されています。そして、この課題について、本の末尾にこう記しています。「もし神が望まれるなら、やがてこの課題について取り上げるであろう。なぜなら、その課題は、本研究の必然的続編だからである」。(229頁)

私としては、この続編をぜひ読みたいと思っています。それは確かに重要なテーマであり、著者がこの課題にどう答えているか、興味深いところです。(本になっているのかどうか、また本になっているなら、どんな結論を著者が提示しているのか、ご存じの方がありましたら、教えてください。)

というわけで、この大切な続編を読まないうちに、前編に過ぎない本書だけを読んで、あれこれ評価するのは、妥当とは言えないかもしれない・・・そんな気持ちもあります。

ただ、それでもあえてこのコーナーで取り上げていきたいと思ったのは、せっかく苦労して読んだ洋書も、時間が経つと段々内容を忘れていくだろうからです。まだ記憶が残っているうちに、自分なりに内容を咀嚼し、色々と問題点を整理していきたい・・・そんな風に思って、勇気を出してこのコーナーで取り上げることにしました。

とは言え、作業が困難をきたすであろうことは目に見えています。もしかして、途中で断念することになるかもしれませんが、その時はご容赦頂きたいと思います。

コメント (1)
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