London徒然草

「ばく」のロンドン日記

WAWA

2008-06-24 | 子供達


さっき、ピップ君が二階の,お兄ちゃんの部屋から,
ぬいぐるみをくわえて走ってきました。

白いアザラシのぬいぐるみ、「ごまちゃん」以外
あまり興味を示さないのに、めずらしい。

そういえば,10年前,日本から引っ越してくるときに、
当時5歳の息子は大切そうにこのぬいぐるみを抱えていました。
まだ,彼の部屋に、この2匹、おいてあるのですね。



ピップ君、ご丁寧に往復して,2匹とも。

この,ぬいぐるみ、全く同じ、ラブちゃんのぬいぐるみなのですが、
名前を「わんわん」と言います。

息子の小さかったときの、宝物。
そして、心の支え。

何しろ、1歳のお誕生日を迎えて,一週間もしないうちに
終日保育園ですごす、息子でしたので。

彼の通った保育園は,渋谷区のカソリックの教会が運営する
とてもすばらしい先生たちと、環境の、
(いまは環状六号線の道路拡幅のため、庭園がほとんどなくなってしまったけれど)
これ以上は望むべくもない保育園でした。

ただ,一つだけ,保育に必要のないものは持ってこないでください
と言われ、息子はわんわんを連れて行くと抵抗。

ぬいぐるみも、なくなる困るので。と言い渡され,
わんわんは,必死に食い下がった私たちと園側の妥協点として、
廊下の手提げの中に終日入れておくことに。

一日何回かは,廊下に行っては袋の中のわんわんを撫でていましたね。

片時も離さず、この子がいないと、夜も眠れなく,一度ならずも
何度か行方不明になって,そのたびパニックになったので,
スペアのわんわん2号も迎え入れて。



No3の、お宮参りの写真。
手にはしっかり、わんわんが。
なつかしいなあ

3歳になって,野猿のように毎日ドロドロになって庭園で遊んでいた息子の生活は
突然、終わりを告げ,「ブリティッシュ・スクール・イン・東京」
と言うガッコウに、入れられた彼。

英語が全くわからず、朝から午後1時半まで「お机に座る生活」に、
精神的に参ってしまい、チックになったり、戻したり、不安定になってしまった彼。

おそるおそる,学校へ持たせた、わんわん、
先生は「問題なしよ~,みんないろいろ持って来ているし。気にしないで」
と言ってくださり,ほっとした私たち夫婦でした。

「私の宝物」をみんなに見せて,なぜ宝物なのか,説明するという
授業の時も,大いばりでわんわんを持っていきましたね。

その年の学校のクリスマス会では、わんわんも,彼とおそろいの金色の紙で
王冠みたいな帽子を,つくってもらって、かぶって一緒に参加。

入学して,7ヶ月ほど経つと,息子も、だんだん英語も理解し始め、
保育園に戻そうか?
と,真剣に悩んでいた私たちも、一安心。
明るい顔で学校に行くようになりました。
もちろん毎日わんわんを連れて。

そして,学年末。

年度末のレポート,こちらの成績表のようなものですが、
校長先生自ら、手書きのコメントに、こう書かれていました。

「かれと、WAWAは、毎日,ちゃんと学校に元気に来ました。偉かったね....」

なんだか,そのとき私は「イギリスの教育って、わるくないかも」
と感じたのでした。

いまでも,日本でいうと高校一年に相当する息子たちの通う学校に
制服や規則はありますが,
たとえば、息子の友人、ロバートは金髪のロンゲ。

理科の実験ときなど、先生は
「はいっ、ロバートと、髪の長い女の子は、危ないのでゴムで縛って!」
と言うそうです。

頭髪も、ピンクなどに染めない限り、「常識的」であれば
許されるそうで。

私の時代から,こういう部分に、日本では少し変化はあったのでしょうか?

知りたいようで,知りたくない私です。




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18 Comments

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はじめまして! (kiyomi)
2008-06-25 09:07:46
こんにちは! はじめてコメントさせていただきます。
シンガポールで2匹のJRTと、スコティッシュの夫と2人の息子達と暮しています。
いつも楽しみに、ピップくんの様子やら、ロンドンの暮らしを覗かせていただいていました。
色々な共通点などがあったりすると、思わず笑ったり、うんうん と頷いたり・・・
今回は、私の中でかなり大きな共通点を見てしまい、たまらず?!コメントさせてもらう事にしました。
時期は違っているようですが、私の次男も
「ブリティッシュスクール イン 東京」に
毎日宝物のミニカーやら、ヌイグルミを抱えて通っていました。
久しぶりに当時のことを思い出して、ほんわか した気持ちになりました。
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Unknown (ちょろひこ)
2008-06-25 16:25:54
うんうん、我が家にもクローゼットに想い出のぬいぐるみちゃんがいるいる!息子の場合はずっとゴマちゃん一筋でした。中学まで一緒に寝てたなあ。。
男の子って女の子みたいにおしゃべりだったり、ぎゃーっと親に訴えたり出来ず、内向的で情緒不安定になることあると思いませんか?そういうときにずっと心の支えになったわんわんなんですね、きっと。

日本は規律正しくしないと図に乗る、、というか、わきまえない子供が多いので統率とれないのが現状でしょうね。自由を叫ぶ前にしっかり自分自身を持った子供が少ないように思います。自由!と言いながらみーんな同じ格好で同じ髪型、、ってどうよ?個性がない。。うちの息子ももちろんそういうタイプです(苦笑)まったくねえ。。
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古き良き時代だったのかな (まきまき)
2008-06-25 16:45:26
No2君、今ではお母さんの背をとっくに追い越すほど成長したのに、WAWAのことは大事にとっておいたんですね。
ピップくん、WAWA達からお兄ちゃんのにおいがした?お外で汚したりしちゃダメですよ。
私も子供の頃はお気に入りのぬいぐるみがいくつかあって、幼稚園、小学校の低学年の頃は毎日その子達を順番に選んではベッドで一緒に寝てました。寝相がかなり悪かったので、朝起きると一様に床に落ちてましたが…(笑)
それらのぬいぐるみは、今も実家の母が大事に取っておいてくれてます。私が家を出て行ったら、ちゃんと私の部屋にその子達はお行儀よく鎮座してますよ。

息子さんがここまで大きく、立派になれたのも、幼児期にWAWAがいてくれたからなんですね。それを分かってくれる先生がいて、スクールの先生達も親御さん、子供の立場になって考えてくれるような方達だったんだろうな。

日本の今の子供達については、上でちょろひこさんが説明してくれている通りという悲しい現状です。それに、最近ではモンスターペアレンツと呼ばれるような親バカならぬバカ親達がうるさいようで、学校側も親達やPTAへの対処が大変なようです。
これから子育てをする私には、これからの日本は理想と現実とのギャップが大きい世の中に思えてなりません。
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Unknown (クー)
2008-06-26 04:08:34
わんわんと息子さんの可愛いエピソード、微笑ましく読ませてもらいました。
今はNo4のピップくんが大事に引き継ぐことになるのかな?(笑)
アンジーなら、すぐさまボロボロにするので、そんな大切なぬいぐるみは絶対渡せない!

アメリカの現地校は「ゆるい」とか「ぬるい」とかお母さんたちは言うけど、子供たちは帰国が近づくと日本の学校が嫌だと言い出すようです。
制服も、決められた長さの髪型も、ギューギューの授業もアメリカに慣れてしまうと苦痛のようです。
一長一短、どちらにも良いところ悪いところあるでしょうけど、子供の個性を大事にする。。。という教育は海外の方が進んでるかもしれないですね。
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むずかしい決断 (ままみあ)
2008-06-26 12:39:41
No.2君、、、めぐるめぐる環境変化にワンワンとともにがんばってきたのですね、、、涙です。

うちはまさに今、まだ、子供の学校、、、どうしたらいいのか迷っているところ、、、。9月から1年生にさせるのか?それともすでに1年生で動いているクラスに編入させるのか?

うちの旦那は日本の教育は軍隊だというし、そこには、そうだよなあ、、、とうなづいてしまう自分がいるし、、、、かといって、日本にあるインターはちょっと別の方向にぶっとんでいるような気もするし、、、。

ばくさんのご家族は正しい時に決断をされたと思います。
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素敵なお話ですね (理恵)
2008-06-26 15:28:34
型にははめるんだけど、愛があって人間の事情に合わせて変わってくれるのが生身のルールでいい感じです。
ばくさんの語り口も丁寧でしみじみしちゃいました。
甥っ子にも大事な犬のぬいぐるみのポーちゃんがいたのに、もう忘れちゃったようです。
姪っ子はアヒルのアヒーちゃんをまだ持ってます。
社会と関わる障壁のように心を守ってくれたぬいぐるみさんなんですね。
ピップたん、かじっちゃだぁめよ。
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Unknown (りんぼうず)
2008-06-26 20:54:53
決まりとか校則って難しいよね~。。
理不尽な考えじゃなかったら、先生もOKしてくれるって事が嬉しいわ~!!
姪っ子おね~ねは、高校生になって携帯電話を持ったんだけど、学校で使ったら1週間没収なんです!先週没収せれてた!そ~だそ~だ!没収でもなんでもされて、学ぶが良い!!姉と私は「ヨッシャ~!」って思ったよ(笑)
私たちの学生時代とは違うって事が、くやしかったり羨ましかったり!!
時代に応じた対応が出来る子になって欲しいと思う、叔母なのです♪
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さて (ままま)
2008-06-26 23:33:27
ピップくん、お兄ちゃんにお許しは出たかな?
お兄ちゃんと同じくらいばくちゃんにも思い出の多いワンワンなんだよね。
それにしてもピップ、二匹とも運んでくるなんて偉いっ!
大きなものはこぶの得意なんだよね♪

教育の問題は難しいね。。
親は常に子供の幸せを願っているんだもの。
まくにぃは権威や体制に対する反骨精神が旺盛で困りました。。。
先生にも意見しちゃうんだもん(笑)
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いいお話です (いなひこ)
2008-06-27 02:08:32
ぬいぐるみのワンワン 本当に息子さんの心の支えになっていたんですね。保育園での廊下の手提げの中に入ったワンワンを撫でては、気を落ち着かせていたなんて、ちょっとホロっときますね。
うちも いな二郎が結婚した時新居に1歳のお誕生日に私の弟からのプレゼントのゴジラ持って行きました。思いいれが強いようです。
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kiyomiさま (ばく)
2008-06-27 17:18:11
こちらこそ,初めまして~♪ 
いや~,コソミくださっていたのですね。もっと早くカミングアウトしてくださればよかったのに!! 
BSTのおなかまで,JRTを2匹も!飼っていて、スコティッシュの旦那さん(うちはウエルシュです)それは共通点多しです(笑)
BSTもずいぶんかわってしまったようですが、我が家のNo1は、3歳からY5まで通ったので,感慨深いです。息子さんたちはおいくつですか?

これからも,是非、末永くおつきあいください。
もし,サイトなどお持ちであればお教えくださいませ♪
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