資生堂ギャラリー(銀座)で、「暗がりのあかり チェコ写真の現在」展(6月19日~8月8日)が開かれます。現代の写真表現の多様な様相を切り取ってきた同ギャラリーがチェコ写真の現在をポートレイト、風景、フォトモンタージュ、ドキュメンタリーなど多岐にわたる写真表現を10名の作家で構成します。チェコと言えば絵本やアニメーションで有名ですが、芸術文化の固有の歴史をもつ国の現在をモノクロームを主体とした写真作品が新鮮に切り取っています。
パウル・クレーの絵をお好きな方は多いでしょう。細い線と色彩と、人間や動植物のかすかな具体的イメージが織りなす小宇宙の世界。建築とデザインを主体にした工芸と芸術の調和を回復するために、1919年にドイツ、ワイマールにバウハウスが設立されました。研究と実践を提唱し、ウィリアム・モリスのアーツ&クラフツ運動も連動していきます。カンディンスキーとともに教授に迎えられ生活と一体となった美の教育に力を注ぎました。カンディンスキーは「即興曲」など音楽的システムを絵画に応用し線と色彩の組曲を画面に構成していきます。クレーはパステルトーンの碁盤縞の幾何学的模様をベースに自らそこで遊び楽しむように心の風景を描いていきます。ポリフォニーの色彩の和音が優しく響きます。