坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

袴田京太朗 人と煙、その他 

2014年05月11日 | 展覧会
袴田京太朗さん(1963年~)は、もっとも注目を集めている彫刻家の一人です。彫刻という概念も今日では、多様な広がりがあり、概念的な規定が難しくなっています。
袴田さんも、また彫刻とは何かという問いかけを基盤として、概念の拡大に挑戦している作家です。
私は、数年前に、資生堂ギャラリーで開催された椿会のグループ展で、、掲載の「扮する人」のシリーズだと思うのですが、家族像が可愛いフィギュア的な人物が、壁にイスタレーションされていて、面白い視覚と手法が気になっていた作家です。
この近年の作品では何色もの色鮮やかなアクリル板を積み重ねてつくられ、明るいポップなイメージもありながら、彫刻の枠組みも考えさせられました。
その袴田さんの大規模な個展が、現在平塚美術館で開催されています。
声高に表現するのではなく、手仕事と機械的な要素が混合して、不思議な世界観へと誘います。

◆袴田京太朗 人と煙、その他/開催中~6月22日/平塚市美術館