坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

オルセー美術館展の内覧会にて

2010年05月25日 | 展覧会
明日から約3か月、国立新美術館(六本木)で開催されるオルセー美術館展「ポスト印象派」のプレス内覧会に行ってきました。報道陣もいつもの人数より多く200人ほどでしょうか。カメラと映像がかなり入っていました。最初の部屋の一番目の作品が、ドガの「階段を上がる踊り子」で、もうそこからテンションが上がっていきます。オルセー美術館館長のギ・コジュヴァル氏が会場のゴッホ「星降る夜」の前で、ごあいさつ。壁の色もオルセーの雰囲気をつくりだすために、落ち着いた淡いブルーグリーンの統一されていました。きら星のごとく巨匠の作品とゴーギャンの影響の装飾的傾向の強いポン=タヴェン派と文学的内面的志向のナビ派らの作品をそろえたことで重厚感のある内容となりました。混雑しますのでやはり土日を避けた方がいい展覧会となりそうです。

ボストンから浮世絵名品展

2010年05月25日 | 展覧会
ボストン美術館の日本の中世美術のコレクションは広く知られていますが、印象派などに影響を与えた江戸期の錦絵黄金期の浮世絵の名品が、一世紀あまりの時を超えて日本に里帰りします。
今年の8月から1年間、神戸市立博物館、名古屋ボストン美術館、山種美術館、千葉市美術館、仙台市博物館の全国5会場を巡回。明治期にアメリカに渡った鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽の三大絵師を中心に、役者絵などが揃います。浮世絵ファン必見の展覧会となりそうです。