むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何田連歌(巻36、平成30年10月27日満尾)

2019年01月10日 | 作品集

初折表    
発句 初露もまだしき程の小萩かな 南天  
雁の飛び来る明け暗れの空  
第三 数わかぬ田ごとの月の静まりて 初瀬  
第四 幾里かけてわたる秋風 可矢  
第五 あとを追ひ旅行く道の果もなし 直人  
第六 山峡の湯にしばし憩はむ 素拙  
第七 酌みかはし雪に嘯く詩もありて 和雄  
第八 唐土なれど春ぞまたるる 可矢 もろこし
初折裏    
第一 外つ方に雲流れ去る天の原  
第二 ふりさけ見れば袖にこち風 初瀬  
第三 梅が香に過ぎにし月日しのびゐて 梅豊  
第四 おぼろ夢見の闇はあやなし 路光  
第五 たきつ瀬の深き所や淀むらむ  
第六 嘆くおもひを隠せ黒髪 草芳  
第七 駒音の寄らで遠のくつれなさに 可矢  
第八 恋ふるしるしもつひに尽きぬる さう美  
第九 尼寺のややも艶めく墨の袖 初瀬  
第十 冷たさ映ゆる山の月影 直人  
第十一 暮れはての尾上の道を越えかねて 南天  
第十二 心はかへるふるさとの空 可矢  
第十三 神奈備の花は昔の花と咲け 路光  
第十四 のどかに響く笛竹の声 素拙  
名残折表    
第一 野辺の雪とけにけらしないつの間に  
第二 風はものかは水ぬるむ頃 初瀬  
第三 友どちと筑波の山にうちむれて 直人  
第四 鞠の遊びに一日ひねもす 路光  
第五 あららぎの上に片雲うつろへり さう美  
第六 仰げば空ぞ草芳ばしき 草芳  
第七 思ふたけ包めど色に出でにしか  
第八 はや穂と見ゆる文の結び目 南天  
第九 かなはぬと知りつつ願ふ逢瀬とて 直人  
第十 舟よせかぬる須磨も明石も 初瀬  
第十一 松風の吹き添ふ浜に浪高し 素拙  
第十二 浮き寝わづらふ雁のひと群れ 路光  
第十三 都にもひなにもやさし月の影 さう美  
第十四 聞けばをちこち砧打つ音 初瀬  
名残折裏    
第一 里を背に山路の関も見え初めて 直人  
第二 幾歳か経るすずろなる旅  
第三 冬ぎぬもいつとはなしに萎えぬらむ 南天  
第四 いたくな吹きそつらき霜風 路光  
第五 灯火の燃え細りゆくあかつきに 可矢  
第六 いさら小川の水もぬるめり 梅豊  
第七 鎌倉の御寺は花も寿ぐや 純一  
挙句 霞たなびく丘ぞにぎはふ 素拙  

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