蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演「星のない町 ぼくの町」

NPO法人劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演
タイトル 『星のない町 ぼくの町 ~ゴミ人間プペル奇譚~』
脚本・演出 青木由里
原案 『えんとつ町のプペル』西野亮廣 著
出演 青木賢治/栗生みな/坂本真由美/青木淳/井田亜彩実/鈴木一衣/導星ゆな 他

日時 2022年3月5日(土)18:00~    2022年3月6日(日)11:00~/16:00~
会場 須坂市 メセナホール 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/mugen_puperu

上記公演は好評のうちに幕を閉じました。
ご来場を賜りました皆様、ご尽力を賜りました皆様に、心より御礼を申し上げます!

にいがた演劇大学②

2013年09月03日 12時38分59秒 | 日記
さて、演劇大学の続きです。

午後からは実技講座の発表会を見学。

作品はチェーホフの「三人姉妹」
指導は、松本修氏。

二時間半の戯曲を40分程度の短編に凝縮した作品。
四幕物だった。

わずか一日3時間程度を三日間稽古しただけで
発表会をするには、作品が重すぎたかな?

役者の演技面はさておいて、チェーホフ作品を
かじるには、良い機会だったかもしれない。

この実技に参加したケンジ君も
戯曲を読みなさい!と言っているのに
あまりガツガツ読もうとしていなかったので
今回は強制的に近代戯曲の代表作を読むことになり
それだけでも、良い経験になったのではないかと思う。

私は、客観的に台詞を聞いて

 これはコメディだわ

と、改めて認識した次第。
そして人類の在り方を遠くまで見通しているチェーホフに
改めて興味を持った。

交流会で、チェーホフの作品に詳しい評論家の村井氏と話した中で
「結婚の申し込み」「熊」をやってみたらどうかとご提案をいただいた。
これまで、他者の戯曲を上演したことがない私だが
何らかの形で上演してみたいと考え始めている。

松本氏、曰く

 ただ待っている人というのが面白い
 しかもその人たちが不幸な人であり失敗した人であり
 これから失敗するであろう人々である
 舞台上に黙っている人たちの面白さがある

と。

その後、シンポジウム会場へ。

テーマは「新潟の演劇と国際交流の可能性」

私は「新潟の演劇」という部分を「地方の演劇」に置き換えて
パネラーの皆さんの話に耳を傾けた。

・劇場は考える場所
 人間は心に傷を持っているが故に演劇が必要

・県全体の演劇ネットワーク化を図る⇒風通しを良くしていく
・新潟市にはアイドル土壌がある
  キッズミュージカルが盛んとのこと

・新潟演劇人は皆、仕事や家庭との両立で悩んでいる
 そうでない人は東京へ行く

これは、どこの地方でも切実な問題かも。

これに対し、演出家の皆さんは口を揃えて

  東京も同じです

と。

だよね、東京に出たからと言って
演劇で生活していける人はごく僅か。
みんなアルバイト生活を余儀なくされている。

演劇を継続していける体制を作るには…
この答えは特になし。

ただ、演劇の地位向上と資格制度が出来れば・・・
例えば、地方自治体で演劇学校を造る試みが生まれ
それが波及して行けば…という意見はあった。

そういえば…
小布施町で、演劇学校建設の話が出たっけ。
今のところ、賛同者が少なく難しそうだけど
これが実現したら全国的に注目を浴びるかもしれないな…

歴史を振り返っても、古代ギリシャ時代から演劇は存在した。
そして、消滅せずに今に至る。
これは、人間にとって必要なものであるという証明になる。

国際交流の話

簡単に世界へ行けますよ~
と、誘うような演出家たちの言葉が続いた。

が、私は今

 足元を固める時
 まずは長野県の土壌を耕さねば…

と思っているので…

だが、いずれは異文化と交流したり
世界の演劇に触れてみたいと思っている。

その後、演出家陣と新潟市演劇人の大交流会に
参加させていただいた。

長野から来たということで、皆さん大歓迎して下さり感謝!

三年ぶりに再会した和田先生と
たっぷりお話ができ、とても嬉しかった。
先生は相変わらず精力的に活動されている。
凄いな~私も見習わねば!

女性の演出家・小林七緒さんとは
女性演出家が少ないという話になった。
本当に指折り数えるくらいしか知らないんだよね。
その中に私も入れてもらえた…かどうかはわからないが
長野で野外劇をやっている団体という点で
特殊性があるため、皆さんの印象に残ったかもしれない。

野外劇を継続していく大変さは
演出家であれば、みんな知っているから。

その後、色々な方と交流し、地方の演劇事情は厳しいな…と思いつつ
そこで前向きに活動しているメンバーと出会えたことが嬉しい。
どの人も野外劇にはとても興味を抱いてくれて

 来年、観に行きます!

と言ってくれた。

今後、何らかの形で交流していきたいと思う。

和田先生始め、演出家の皆様、評論家の村井先生
ありがとうございました。

そして、新潟市の演劇人の皆様
お仲間に入れてくれて、ありがとうございました。
これから、よろしくお願いします!