蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

新生“夢幻工房”に向けて

2015年12月09日 23時15分21秒 | 日記
今月末、劇団員・塚田健太郎君が退団する運びとなった。

彼は私の次に古株。
もっちゃんも同時期に入団したけど
一度退団して再入団したので
健太郎君が一番の古株である。

入団したのは13年前の秋―
彼は、オープンエアシアター2002「KAGUYA」に
一般参加者として出演し
野外の規模の大きさに感動して入団。

入団当初は、私とはあまり話す機会がなかった。

うーん…というか…
どちらかというと劇団員と
距離を置いていた気がするな~
稽古が終わるとさーっと消えると言う感じ。
雑談すらあまりした覚えがない。
なので、他の団員にとっても
どんな人なのか何を考えているか
わからない存在だった(笑)

2007年頃、健太郎君と同期のメンバーが退団し
一時的に団員が減った時期があり
ようやくポツリポツリと話すようになった。

役者としては、2008年の「IHSIN」では準主役
それ以降は、準主役か主役というポジション。

 オレには下積みがない
 下積み経験は必要だ

と、ある時期からよく言うようになった。

あ、最初っから思っていたのかもしれないけど
何しろ喋ったことが殆どなかったので(笑)

私は、下積み経験あり。

16歳から2年間、劇団東俳の舞台稽古の時
端役だっため、ひたすら体育座りで
稽古見学をし続けた。
そして3年目に主役に抜擢していただき
以降、劇団の中核として劇団を盛り上げ
後輩の指導も行うようになった。

東俳の4年間は、私の演劇人生の
土台作りだったように思う。

稽古後は必ず演出の先生と一緒に
お茶をしたりお酒を飲みに行って
女優になるために必要なことを聞いたり
読むべき本のタイトルやジャンルを伺って
それを片っ端から読み漁った。
演劇も出来るだけ上質な舞台を見るように心がけ…
貧乏生活だったので、チケット料金の
工面がすっごく大変だったけど
当時観劇した舞台は、今でもよく覚えている。

劇団仲間とは演技論・演劇論を戦わせ
時には大げんかをすることもあった。

一晩中、飲んで語って、朝寝ずに
アルバイトに行く生活―

東京の演劇人は今でもそんな感じ?

長野市はみんな車移動なので
お酒を飲むのは一年に数回?

環境が違うから―と思うものの
もっとコミュニケーションを取れる環境が整えば
もっと凄い何かが出来そうな気がするんだよね―

と思いつつ、今に至る。

健太郎君の話に戻そう。

2007年頃から健太郎君は大道具チーフになったが
当時は舞台屋さんに叱られることもシバシバだった。

舞台を踏むたびに仕事を覚えていき
3年を過ぎる頃から徐々に板に付き始め
今では頼りになる大道具担当となった。

裏方面は、他に劇団の要である制作を担当。
パソコンが苦手で、相当大変だったようだが
今では書類作成もサクサクできるようになった。
二カ月に1度発行する会報「夢幻」も担当。
会報発行当初は、全ての原稿チェックをしていたが
健太郎君に「任せてほしい」と言われ
それ以降は、全て一任。
会報は、今年4月からもっちゃんが担当している。

一任=放置

ではないはずだが、報告・相談・連絡が
上手くいかないと一任と言う名の
“無責任”になってしまう場合もある。

「ほうれんそう」の難しさを痛感。

人を育てるとは?と自問自答しながら
自分とは異なる考えや価値観を
持った人たちを観察しながら考え続けた。

今の時点での結論は2つ。

①教え過ぎない
②やる気エネルギー量の増加

①は教える側の問題

良い加減というのがある。
これも人によって違い
全員一律とはいかないので
一人一人よく観察し
状態を見極める必要がある。

②は教えを乞う側の問題

本人が

 成長したい
 上を目指したい
 目標を達成したい

という気持ちや目標・ビジョンが有る人であれば
どんなことでも、自分の肥やしにして
どんどん成長していくということ。

教え方の問題以前に
教えを乞う側の心持ち次第であることは
どうやら間違いなさそうだ。

要するに―

自分がやりたいと思えば
いくらでもエネルギーが出るが
そうでなければ、義務となり
億劫になり、やる気も失せる。

この世の中さぁ
やりたいことだけをやっている人なんて
そんなにいないんじゃないかな~

仕事というものは、どちらかというと任務。
任務は、やりたかろうがやりたくなかろうが
きちんとやらねばなりませぬ。

だとしたらその任務の中に、自分がやりたいことや
興味があることを発見してみたらどうだろう。
きっと俄然やる気が湧いてきて
大いに成長すること間違いなし♪

これ誰でも出来そうに思うんだけど
どうかな.。o○

健太郎君の場合、ある時期から
どちらかというと、この任務の感覚で
活動を継続してきたように思う。
もちろん、興味のあることを見つけながら―
副理事長という責任ある立場でもあるから
当然と言えば当然だが。

その彼がようやく自分のやりたいことを
見つけたという。
これは喜ぶべきことだ。

で、何度も話し合い、夢幻の劇団員として
彼のやりたいことをやれる道はないかと探したが
現状それは厳しくその他の道も模索するも
最終的に退団を選択することとなった。

残念だけど、これまで苦楽を共にしてきた
健太郎君の旅立ちを祝福したいと思う。

今後、良き関係を築けるように
私も努力していきたいと考えている。

有難いことに劇団員たちはやる気十分。

これは、もしかしたら良い転換期かもしれない。

明年は、新生“夢幻工房”として
もう一段階高いステージを目指して
精一杯取り組んでいきたいと思っている。

そして今、あることを密かに検討中―
更に別件で、一つの企画も思案しているところ―
いずれBlogに綴りますので、それまでお待ちください(^^)

合同公演の稽古も始まり、またまた
タイトなスケジュールになりつつある。

けど、全部やりきる!

今を精一杯大切に生きることが
今の私に出来ること―


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですか (三毛乃介)
2015-12-12 22:34:41
残念ですが、感謝とともに 彼の前途を祝したいですね。
よろしくお伝えください。
返信する
三毛乃介さんへ (yuria)
2015-12-13 01:09:05
コメントをありがとうm(__)m
今後の展開を見守っていてください(^^)
健太郎君に伝えますね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。