蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

アーティスト

2012年03月30日 23時52分58秒 | 日記
ARTIST〈アーティスト)は芸術家という意味。

この“アーティスト”というタイトルの映画の
全国ロードショーが4月7日から始まる。

この映画、アカデミー賞の5部門を獲得!
しかも、モノクロのサイレント映画!!

“無声”映画が現代に蘇った??

サイレントと言えば、私はチャップリンを思い出す。
面白いよねぇ、チャップリン♪
笑いとラブロマンス、社会風刺の中に
深いペーソスを感じる作品が多い。

あ、話がずれた。

この映画情報を読んで、昔の白黒&サイレントの
復刻版かと思いきや、かなり大胆な「つくり」らしい。

カラーフィルムで撮影し白黒にコンバートすることで
グレーの濃淡による陰影が効果的な表現になっているとか。

また、効果音も観客の「ドキッ!」を狙った入れ方

「ぼくは話せない」という中間字幕を
使っているらしいけど、想像すると面白いねぇ~
現代だからこそ生きる字幕だよね。
だって、サイレント映画全盛期は
「話せない」のが当たり前だものね。

サイレント映画の表現手法は

  無駄なものを排除して、伝えたいものだけを残していく

と、ミシェル・アザナヴィシウス監督は語る。

リアルな生活空間からいらないモノを削ぎ落とし
必要なモノだけを残していく。

ハリウッド映画界の巨匠ビリー・ワイルダー氏は

  複雑なことを伝えるときは簡潔なセットで
  シンプルなことを伝えるときには重厚なセットを使う

と言っていたそうで。

ビリー・ワイルダー氏は、映画の脚本家であり
監督・プロデューサーとしても有名。
自らを職人監督と自負し、アメリカ映画協会のインタビューで
「私は芸術映画は作らない。映画を撮るだけだ」と明言し
生涯、娯楽映画に徹したという。
その数はナント!60本!!
しかも名作と呼ばれる作品がズラリ!!!

  なるほどねぇ…

観客の想像力を掻き立てることに狙いを定めた場合
リアル過ぎるセットは邪魔になるのかもしれないね。

内容的にはロマンティック・コメディ
チャップリンの映画も同じ触感だけど
監督曰く

  ラブロマンスにコメディを盛り込む手法は古くならない

と。

確かにね。

ラブコメの要素が入っているドラマや映画
アニメ・コミック・小説に至るまで人気は高い。
人間社会は、男と女がいなきゃ成り立たないし
普遍的なテーマの一つなんだよね、恋愛って。

ピナ・バウシュの映画を観そびれちゃったけど
この映画は、何とか観に行きたいなぁ。


万物は流転する。

人間の細胞だって感情だって
刻一刻と変化しているし
大気だって、植物だって、大地だって
地球全体、いや宇宙全体だって
変化し続けている。

だから

変わらないために、変わり続ける必要があるんだろうね

けど、上記のように

変わらないものもある

そして

変わってはいけないものもある…んだろうな…

音の壁

2012年03月28日 15時50分54秒 | 日記
ある方から≪音の壁≫というワードを聞いた。

一般的に言う≪音の壁≫とは

  音の壁とは、航空機にとって、音速(マッハ1)付近の速度で飛行が困難となる状況を表す。
  (Wikiより)

  航空機の速度が音速に近づくと、空気の圧縮性の影響を受けて抵抗が急増する。
  また、機体表面で局所的に衝撃波が発生して飛行特性が変化し、飛行が困難となる。
  これらの現象を音速の前に立ちはだかる壁に例えて「音の壁」(sound barrier)と呼んだ。
  (「はてなキーワード」より)

どうやら航空用語のようである。

私が聞いたのは、演劇音響効果上の≪音の壁≫

つかこうへいさんは、≪音の壁≫を作ることを重要視されていたそうだ。

  音の壁か…

私が演劇において使用する音響は

  ①空間(場・情景)イメージ
  ②心理イメージ
  ③時間・時間経過
  ④場面転換

である。

一番大切にしているのは『空間』
そして『皮膚感覚』

野外空間には、壁がない。
劇場には、壁がある。

音響には

  ①直接音響
  ②間接音響

が、ある。


良いきっかけのワードを頂いたので
音響について再考してみようと思っている♪

ベクトルの話

2012年03月27日 16時59分04秒 | 日記
先日、ある方とお酒を飲む機会があり
いろんな話の中で

  ベクトル

という言葉がその人の口から飛び出して、びっくり!

先日の日記に記したけど
ちょうど私もベクトルについて
考えていたところだったので

  ここにも同じことを考えている人がいた!

と驚いた。

私は縁を感じるんだな、こういう時。

  この人とは長く付き合っていきたい

と思う瞬間だった。

その人は

  ベクトルの違う人とは同じ方向に向かえない

と。

そりゃそうだよね。
向かう方向が違う人と同じ方向に向かえるわけもなく…

思いは同じ方向を向きたいと思っていても
諸事情で向かうことが出来ない人もいる。

思いだけでは他者には伝わらず
行動を見て、他者は判断するんだよなぁ。

腹の括り方一つなんだけど…
シンプルで単純なことなんだけど
人間、これがなかなか…

私も折々に、それを皮膚で感じている。

それでも、すり合わせ可能な接点を探し続けて
手法を見つけ、あがいているわけで…

無理強いしても仕方ないし
今は、同じベクトルを持つ人を
祈りにも近い気持ちで探し始めている。

同じベクトルを持つ人が集まったら
物凄いエネルギーが生まれるはず。

差しで飲んだ数時間、非常に濃密な時間だった。

色々悩みながらも、ビジョンを持って
コツコツと努力を重ねている人と話すのは心地良い♪

リーフレット到着!

2012年03月25日 15時25分55秒 | 日記
賛助会員リーフレットが届きました!

結構きれいに出来たんじゃないかなぁ
と思うけど、好みもあると思うので…

団員諸君、このリーフレットを片手に
夢幻工房の存在を知っていただけるように
周知活動を頑張りましょう♪


あ、そうそう!

最近、嬉しい出来事が一つありました。

先週、事務局にDVD注文のメールが届きました。
早速手順を踏んで、郵送させていただいたところ
それから2日ほどたって、その人から
オープンエア一般参加の申し込みをいただいたんです!」

その人は、DVDを観て、舞台に少しでも携わってみたい思い
一般参加者のオーディションへの申し込みを決断したそうです。

DVDを観て、携わってみたいと思ってもらえたことが
何よりも嬉しかった!

しかも、購入してくれたDVDは
オープンエアではなく、劇団本公演「百々眼~カオス~」

オープンエアの規模は、何倍も大きいので
きっとびっくりすることでしょう。

毎年、新たな出会いがあるこのオープンエア
どんな人たちが集まるか、今からワクワクしています♪

私の演劇観~ざっくり~

2012年03月24日 16時21分44秒 | 日記
今月は、賛助会員リーフレットとDVD2本分の
ジャケット・ラベル画像製作で随分時間を費やしてしまった。
何とか年度末までにDVDを販売できる運びになり
やっと一息…という感じだが、のんびりしてはいられない。

オープンエアと本公演の構想を
4月中には練り上げねばならない。

方向性は決まっているので、あとは
下調べを重ねて閃きが訪れるのを待つだけ…

この一週間、私の演劇観のまとめをしようと
時間を見つけては、あれこれ調べていたんだけど
調べを進めるうちに、興味が別の方向に飛び始め…

  台本に早く着手したい!

という気持ちがあるからなんだよねぇ。

なので、つい、調査中に巡り合う内容が
次回の台本とリンクしそうだと
そちらに考えが飛んで行ってしまう。

そうはいっても、現時点での演劇観を
まとめようとしていたわけで
放置も出来ないから、ざっくりと整理しておこう。

◆座標空間:上演会場
◆座標軸
 X:役者のエネルギー(テンション)  正→高  ±0→ニュートラル  負→低(平静より落ち込んでいる状態)
 Y:役者の向かう方向  正→観客・共演者   ±0→共演者のみ  負→自分
 Z:観客の心の振れ幅  正→大  ±0→ニュートラル(日常の平静状態) 負→大(落ち込み)

上記の座標軸XYは、敢えて「役者」にしたけど
これは「演出」が「役者」を導くための座標軸である。

このX・Y・Z軸の高次な点で交わる舞台が
私の目指す舞台である。

演劇はライブである。
観客と、同じ空間、同じ時間を共有するからこそ
成立するのが演劇空間だと、私は思っている。

私の演劇観において、観客不在の劇を演劇とは呼べない。

観客不在劇とは、簡単に言うと

  自己満足
  自己陶酔
  欲求の垂れ流し

と思える芝居である。

表現には二通りある。

  ①他者への伝達優先の表現
  ②自分の欲求優先の表現

前回、ベクトルとスカラーのメモを記載したが

  ①→ベクトル(向きのある量)
  ②→スカラー(向きのない量)

だと、思ったんだよね。

②のほうが芸術的だといういう人もいるかもしれないが
私は、向きがないように見える作品でも
後世に残るような芸術は、他者や社会や国家
あるいは宇宙レベル(神)に対するベクトルを
持っているんじゃないかと思うし
それを外界に発信したい欲求があって
生まれた作品じゃないかと思う。

表現というジャンルには、上記二つがあるとして
演劇は、他者と同空間・同時間を共有する以上
①のエネルギーである必要があるんじゃないかと
観客への意識を持ち創作するものではないかと
私は思っていまる。

とはいえ、創作側が観客を意識しながらつくっても
観客にそう思って頂けないケースもある。
人間は好みで見方が左右するものだし
キャストの中に、観客や共演者への意識が
不足している人がいれば
観客に伝わらないシーンもあるだろう。
スタッフにしても同様のことが言える。

ただ少なくとも、創作側が観客を意識しながら
生み出した作品であれば、上記のような評価は少ないはず。

私は、正の感情(喜・楽)にしろ負の感情(怒・哀)にしろ
観客の感情を揺さぶる作品を創りたい。

Z軸の「落ち込み」というのは
例えば、テーマがドカン心に響いて
それが原因で落ち込むと言うようなことではなく
嫌な気分に襲われる状態をさす。
但し、好みを超越したところの…と補足しておきたい。

ホラー映画は、嫌いな人が観れば嫌な気分になるが
好きな人は、気分が高揚するものだから。

だから観客は、事前にチラシ等で情報を入手し
観たい芝居を観に行く、これは当然のこと。

観たいと思って来て下さった方に
出来るだけ嫌な思いをさせたくはないよね。

嫌な思いをさせたい人は、いないと思うけど
結果的になってしまうケースがある。

主催者や創作側が、チラシや公演情報に
作品内容がイメージできる情報を掲載せず
観客層を想定していなかった場合や
上記の座標軸において、観客への意識が
0点以下のシーンが多い場合などが、そのケース。

まあね。。。
私も、上記のようなことを考えながら創作しているが
まだまだ未熟なところがあり
行きつけていないところが多々あるので
ひたすら精進するのみ、です!

現時点での「私の演劇観」
ざっくりとした“まとめ”でした。