蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

チェスタートン

2011年03月03日 09時29分59秒 | 日記
昨年末から読みたいと思っていたのが
ギルバード・ケイス・チェスタートン氏の本。

…というか、最近小説を殆ど読んでない

先日、「母アンナの子連れ従軍記」(ブレヒト)の通し稽古を観で
いくつか疑問に感じた点があったので
久しぶりにブレヒトを調べ直し
原作を読んだりして、疑問を解消しようとした。

昔、ブレヒトの異化効果について
よくわからず調べまくったことがあったっけ。
で、私の中のくくりでは、簡単に言えば

  冷や水をぶっかけること

と捉えていた。
つまり、お客様を感情移入させないための手段であり
冷静に考えさせるための手法だと思っていた。

で、私は基本的にこの手法は使わないようにしようと…

それはなぜか?

それまで所属していた劇団で
この手法を使った舞台を上演したが
お客様からはあまり良い感想を頂けなかったから。

観客は感情移入したいのではないか?

私も映画や芝居を観て感動できるときは
感情移入できたとき。
私はお客様の心が震える舞台を造りたい。
だとすれば、異化効果は適切ではないんじゃないか?

と思っていたんだけど…

どうもねぇ…
私は異化効果の一面しか捉えていなかったようで…
自分の未熟さを猛省した次第。。
今は「ああ、なんだ…そういうことだったのか…」
と目から鱗が落ちた感じでして…

異化効果とは、くだけた言い方をすると
私たちが日常当たり前のように思っていることが
実はおかしなことだったと気付かせるための手法で
視点を変えさせる手法と言っても良いだろう。

私、知らずに使ってました、この手法
次回作からは、知った上で使おうと思います

「母アンナ~」は「肝っ玉おっ母とその子どもたち」を
現代口語に訳した作品だった。

ドイツの三十年戦争を背景に描かれている。

……
演出のN氏は、異化効果を狙ったのかもしれない…
にしても、どうしても削除した部分が気になる芝居だった。

そんなことを考えているうちに
シェイクスピアやチェーホフに興味が移って
調べ出してみると…

どの作家も面白いと思える戯曲があって

  うーん…どうしようかな…

と迷い始めてしまった。

何を迷い始めたかというとですねぇ…

面白くて深くて普遍的なテーマがしっかりと存在し
言葉に力のある古典群なのに
現代の若者たちは、それを知らないし
知りたいとも思っていないんだよね…

それはきっと「古い」とか「難しい」っていう
イメージがあるせいなんだよね。。

私も古典に取り組んでみようか…

というところで迷いが生じ出したわけです。

が、今は時期尚早と言う結論に至りました。

それはなぜか?

団員が古典作品を読んでいない現状では
ディスカッションにもならないし
ただ指導するだけのつまらない稽古になるのがオチ。

ただいずれやってみたい…
そんな気持ちが大きくなっているので
団員たちが古典作品にも興味を持てるように
少しずつ話をしていこうと思っている。

そんなわけで、一度古典から離れるために
昨年から気になっていたチェスタートンを読むことにした。
それと現代日本戯曲大系全10巻!
以前から読まねば…と思いつつ
手をつけられないでいた全集である。

全部を読むのは時間的に厳しいが
私の琴線に引っ掛かるものだけをセレクトして
今は読もうと思っている。

何しろ大至急2本の脚本を考え
1本は早急に書き下ろさなければならない。

演出する脳と戯曲を書く脳は違うんだよね。
少し活字で脳に刺激を与えないと…

ようやく執筆モードに入れそうな感じです