モーツァルトが、1791年に作曲したジングシュピール(歌芝居。現在では一般にオペラの一種として分類される)。モーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラである。台本は興業主・俳優・歌手のエマヌエル・シカネーダーが自分の一座のために書いた「ドイツ語によるオペラ」。初演は1791年9月30日、ヴィーデン劇場で行なわれ、大好評を博した。
「魔笛」は今までのどのようなオペラとも違う、またいかなる形式にもとらわれない自由なスタイルを持ったオペラとして完成した。そして、そこにはモーツァルトの今までのオペラ創作のあらゆるノウハウが詰め込まれていて、まさにモーツァルトのオペラの集大成とも言うべき作品となっている。
だが、病魔に冒され2ヶ月余り経った12月5日、35歳の若さで亡くなった。
亡くなる直前に「魔笛」のパパゲーノが歌う「おいらは鳥刺し」を口ずさんでいたとも言われている。
魔笛の小屋
シカネーダーが提供した魔笛の小屋でモーツァルトは「魔笛」を作曲した。
この小屋は現在ザルツブルクに移築されている。
あらすじは、
世界は昼と夜の二つに分かれている。「昼の世界の王」は「夜の世界の女王」と結婚し、 パミーナという娘をもうけた。昼の王は死の直前、ザラストロに昼の世界の支配権を譲り、 娘パミーナを養育するように頼んだ。夜の女王はこれに対して怒り狂い、パミーナを取り 返し、昼の世界の支配権をザラストロから奪取しようとしている。大蛇に襲われた王子タ ミーノは、夜の女王に仕える三人の侍女に助けられる。夜の女王は、ザラストロに娘パミ ーナを奪われたと嘆き、タミーノに娘の救出を頼む。パミーナの絵姿を見て一目惚れした タミーノは、ザラストロの神殿に赴く。夜の女王に鳥を届けに来たパパゲーノもしぶしぶ ザラストロの神殿へ同行することになる。ザラストロの神殿までやって来た二人は、パミ ーナに会うことはできたが、ザラストロの部下たちに見つかってしまう。しかし、ここで タミーノはザラストロに信服し、パパゲーノと共にザラストロの神殿で修行することにな る。ザラストロはパミーナにタミーノを愛することを認めるが、その愛を成就させるため には数々の試練が必要だという。沈黙の試練に耐えたタミーノはパミーナに会うことを許 され、二人で火と水の試練の旅に出る。
<私の好きなアリア>
第1幕第2曲「おいらは鳥刺し」(パパゲーノ)
パパゲーノがパンフルートを吹きながら愉快に歌う。
初演当時、町中の人が口ずさんだという有名な歌。
第1幕第4曲「恐れるな、若者よ」(夜の女王)
娘を奪われたことを嘆き、後半は音階練習のような技巧的なこの難曲。
第1幕第7曲「愛を感じる男の人たちには」(パパゲーノとパミーナの二重唱)
ベートーベンが惚れこんで、変奏曲を作ったほどの美しい曲。
第2幕第14曲「地獄の復讐が私の心のなかに燃え」(夜の女王)
夜の女王の超絶技巧的な歌で、『魔笛』中、もっとも難しい歌。
第2幕第20曲「フィナーレ」
三人の童子の登場から始まり、
パミーナとタミーノの二重唱「私たちは烈火のなかを進み」、
パパゲーナとパパゲーノが呼び合う滑稽な「パ、パ、パの二重唱」、
と美しい歌が続く。
<この演奏を聴く>
<決定盤>
指揮イヴァン・フィッシャー、パリ・オペラ座管弦楽団
演出ベンノ・ベッソン
ザラストロ(マッティ・サルミネン)、夜の女王(ナタリー・デッセイ)、パミーナ(ドロテア・レシュマン)、タミーノ(ピョートル・ベチャーラ)、パパゲーノ(デトレフ・ロート)、パパゲーナ(ガエル・ル・ロワ)
2000年12月~2001年1月パリ・オペラ座ガルニエ宮
パパゲーナのロワが可愛いしパパゲーノのロートも適役。夜の女王のデッセイは超高音をみごとにこなす。全体的に上質な舞台と衣装がマッチしている。演奏もきびきびしていて良い。
ベルナルド・ハイティンク指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
演出 ジョン・コックス
ザラストロ(トーマス・トマシュケ)、夜の女王(マイ・サンド)、パミーナ(フェリシティ・ロット)、タミーノ(レオ・ゲーク)、パパゲーノ(ベンジャミン・ラクソン)、パパゲーナ(エリザベス・コンケ)
1978年公演のライヴ
ラクソンのパパゲーノは味があるが少々老けている。コンケのパパゲーナは初々しくてなかなか良い。
ゲオルグ・ショルティ指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ザラストロ(ルネ・パーペ)、夜の女王(セルラ)、パミーナ(ツィーザク)、タミーノ(ヴェルト)、パパゲーノ(シャリンガー)
ザルツブルグ1991年公演
モダンと重厚を兼ねた舞台だが、役者がいまひとつか。
指揮リッカルド・ムーティ、ウィーンフィルハーモニー
演出ピエール・オーディ
ザラストロ(ルネ・パーペ)、夜の女王(ディアナ・ダムラウ)、パミーナ(ゲニア・キューマイヤー)、タミーノ(ポール・グローヴズ)、パパゲーノ(クリスティアン・ゲアハーハー)、パパゲーナ(イレーナ・ベスパロヴァイテ)
ザルツブルグ2006年公演
モダンな舞台である。三人の童子が空を舞うシーンは幻想的だ。
「魔笛」は今までのどのようなオペラとも違う、またいかなる形式にもとらわれない自由なスタイルを持ったオペラとして完成した。そして、そこにはモーツァルトの今までのオペラ創作のあらゆるノウハウが詰め込まれていて、まさにモーツァルトのオペラの集大成とも言うべき作品となっている。
だが、病魔に冒され2ヶ月余り経った12月5日、35歳の若さで亡くなった。
亡くなる直前に「魔笛」のパパゲーノが歌う「おいらは鳥刺し」を口ずさんでいたとも言われている。
魔笛の小屋
シカネーダーが提供した魔笛の小屋でモーツァルトは「魔笛」を作曲した。
この小屋は現在ザルツブルクに移築されている。
あらすじは、
世界は昼と夜の二つに分かれている。「昼の世界の王」は「夜の世界の女王」と結婚し、 パミーナという娘をもうけた。昼の王は死の直前、ザラストロに昼の世界の支配権を譲り、 娘パミーナを養育するように頼んだ。夜の女王はこれに対して怒り狂い、パミーナを取り 返し、昼の世界の支配権をザラストロから奪取しようとしている。大蛇に襲われた王子タ ミーノは、夜の女王に仕える三人の侍女に助けられる。夜の女王は、ザラストロに娘パミ ーナを奪われたと嘆き、タミーノに娘の救出を頼む。パミーナの絵姿を見て一目惚れした タミーノは、ザラストロの神殿に赴く。夜の女王に鳥を届けに来たパパゲーノもしぶしぶ ザラストロの神殿へ同行することになる。ザラストロの神殿までやって来た二人は、パミ ーナに会うことはできたが、ザラストロの部下たちに見つかってしまう。しかし、ここで タミーノはザラストロに信服し、パパゲーノと共にザラストロの神殿で修行することにな る。ザラストロはパミーナにタミーノを愛することを認めるが、その愛を成就させるため には数々の試練が必要だという。沈黙の試練に耐えたタミーノはパミーナに会うことを許 され、二人で火と水の試練の旅に出る。
<私の好きなアリア>
第1幕第2曲「おいらは鳥刺し」(パパゲーノ)
パパゲーノがパンフルートを吹きながら愉快に歌う。
初演当時、町中の人が口ずさんだという有名な歌。
第1幕第4曲「恐れるな、若者よ」(夜の女王)
娘を奪われたことを嘆き、後半は音階練習のような技巧的なこの難曲。
第1幕第7曲「愛を感じる男の人たちには」(パパゲーノとパミーナの二重唱)
ベートーベンが惚れこんで、変奏曲を作ったほどの美しい曲。
第2幕第14曲「地獄の復讐が私の心のなかに燃え」(夜の女王)
夜の女王の超絶技巧的な歌で、『魔笛』中、もっとも難しい歌。
第2幕第20曲「フィナーレ」
三人の童子の登場から始まり、
パミーナとタミーノの二重唱「私たちは烈火のなかを進み」、
パパゲーナとパパゲーノが呼び合う滑稽な「パ、パ、パの二重唱」、
と美しい歌が続く。
<この演奏を聴く>
<決定盤>
指揮イヴァン・フィッシャー、パリ・オペラ座管弦楽団
演出ベンノ・ベッソン
ザラストロ(マッティ・サルミネン)、夜の女王(ナタリー・デッセイ)、パミーナ(ドロテア・レシュマン)、タミーノ(ピョートル・ベチャーラ)、パパゲーノ(デトレフ・ロート)、パパゲーナ(ガエル・ル・ロワ)
2000年12月~2001年1月パリ・オペラ座ガルニエ宮
パパゲーナのロワが可愛いしパパゲーノのロートも適役。夜の女王のデッセイは超高音をみごとにこなす。全体的に上質な舞台と衣装がマッチしている。演奏もきびきびしていて良い。
ベルナルド・ハイティンク指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
演出 ジョン・コックス
ザラストロ(トーマス・トマシュケ)、夜の女王(マイ・サンド)、パミーナ(フェリシティ・ロット)、タミーノ(レオ・ゲーク)、パパゲーノ(ベンジャミン・ラクソン)、パパゲーナ(エリザベス・コンケ)
1978年公演のライヴ
ラクソンのパパゲーノは味があるが少々老けている。コンケのパパゲーナは初々しくてなかなか良い。
ゲオルグ・ショルティ指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ザラストロ(ルネ・パーペ)、夜の女王(セルラ)、パミーナ(ツィーザク)、タミーノ(ヴェルト)、パパゲーノ(シャリンガー)
ザルツブルグ1991年公演
モダンと重厚を兼ねた舞台だが、役者がいまひとつか。
指揮リッカルド・ムーティ、ウィーンフィルハーモニー
演出ピエール・オーディ
ザラストロ(ルネ・パーペ)、夜の女王(ディアナ・ダムラウ)、パミーナ(ゲニア・キューマイヤー)、タミーノ(ポール・グローヴズ)、パパゲーノ(クリスティアン・ゲアハーハー)、パパゲーナ(イレーナ・ベスパロヴァイテ)
ザルツブルグ2006年公演
モダンな舞台である。三人の童子が空を舞うシーンは幻想的だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます