吃飯了没有?

元中国深セン駐在員のブログ~中国・中国芸能情報・各方面の旅行日記、日本の街歩き情報を配信します。

長い会議

2011-01-09 21:46:53 | 工作雑感
久々に工作雑感への投稿です。前にも書いたと思いますが、中国語で工作とは仕事の意味で、日本語で使う工作活動、裏工作などのような悪い意味で使うことはまずありません。ということで仕事で体験する中国人との考え方のギャップなどを紹介するコーナーです。

今日は「長い会議」というタイトルです。深センの日系企業の多くは日本企業の単独出資、あるいは日本側の出資比率が高い企業が多く、仕事の進め方や会議のスタイルが日本のやり方に沿ったものが多いと思います。従って、こういう企業に数年勤めていても中国人の本当の物の考え方や仕事の進め方を習得できないと言っても過言ではありません。

私の場合は会社が幸か不幸か、私が駐在する間に日本独資の会社から中国51%出資の会社に大変換しました。この変換はかなり大きな変換で色々な意味で苦労しました。今までの日系独資の時代の仕事の進め方と中国企業の仕事の進め方は、予想はしていましたが大きく異なっていました。この変換を体験出来たことは今の私の大きな糧になっていますが、身体の方は結構ボロボロ??になっています。精神的に疲れますからね。

中国メインの企業の社員となってまず気づいたことは、会議がますます長くなってしまったことです。これには本当に閉口しました。何で中国人の会議はこんなに長くなってしまうのかと・・・。日系独資の時代にも気づいてはいましたが、その理由が明白になってきました。この理由は大きく分けて2つあると思います。1つは、中国人にとっては会議は問題を解決する場という意味合いは低く、自分の権益を守るための場と化すのです。2つめは、司会進行役がいないということです。

前者は、とにかく会議の最中、皆相手の話を聞かずに自分の言いたいことを話すので、会議室の中の2つの場所で議論が並行して発生することは日常茶飯事で、参加していると物悲しさを感じます。一体何のための会議なのかと・・・。自分の言いたいことを我慢できない人が多く、今発言が進んでいる内容とは関係のない意見を出して話がを発散することが多く、収拾がつかなくなってしまうのです。

日本ではこういうときに後者の司会進行役が皆を一つの話題に導いていきますが、中国人の中にこういう司会が出来る人がいません。そう、会議もカオス状態になるのです。こういう会議に真面目に参加していると日本人は精神的にまいっていきますが、私も含めて多くの日本人は中国語を100%理解できているわけではありませんので、それが救いとなります。

私の会社が日系100%であった時代には、上記状況を打開する策として、私は可能な限り参加者に共通の認識を持たせやすくなるよう「会議資料」の準備をお願いしていました。会議資料があることで、どんな問題があってどういう課題を解決しなくてはいけないのかが明白になって比較的会議がスムースに流れるようになります。

ところが今は中国人上司が主催する会議が多く、こういった資料がほとんどなくなりました。こういう会議の場合には、もう諦めて気長に参加する覚悟で望むしかありません。とにかく皆さん話が長いですから。ただ、何も言わずに参加しているだけなのは問題ですので、ここぞとばかり的確な発言をすることが日本人には必要です。よって、最近私は会議に参加するときには、会議の趣旨を事前に把握し、こんな話になるとあらかじめ予想して幾つかの案を持って臨んでいます。

日本人はこの手の会議は非常に歯がゆい思いをしてストレスが溜まる可能性もありますが、こういう方は「会議は中国語を勉強する場所」という発想の転換で参加されることをお勧めします。

中国人スタッフの名前の呼び方

2010-08-12 00:12:33 | 工作雑感
久々にカテゴリ「工作雑感」への投稿です。最近私の日本人同僚が中国人スタッフを呼ぶ際の名前の呼び方が気になりましたので、その内容をアップします。

先日、ある日本人同僚が黄さんというスタッフを呼んだときのこと。日本人っぽく「ホアンさん」と小さめの声でしたので相手が気づきませんでした。すると今度は「ホアンさん、ホアンさん」と2回続けて呼びました。するとさすがに周りのスタッフは、その日本人が誰かを呼んでいるということには気づいたのですが、果たして誰を呼んだのかハッキリわかりません。従って、誰も「はい」と返事をするに至りませんでした。その日本人上司は皆が顔を向けたところで特定の人に向かって「ホアンさん」とダメ押ししたので、ホアンさん本人が自分が呼ばれたことに気づき席を立って日本人上司の机まで歩いていきました。

何でこんなことになってしまうのかと言いますと、日本人は声が小さくてハッキリとした発音で名前を呼べないので、一体誰を呼んでいるのかわからないのです。ホアンさんの周りにハーさんがいたりワンさんがいたりしますし、同じホアンさんという名前の人が近くにもう1人いたりする場合もあります。ホアンがワンに聞こえたり、ハーに聞こえたりします。

この問題は、中国人同士で名前を呼び合う場合には非常に起きにくくなります。何故なら、声が大きいということもあるのですが、彼らは紛らわしい苗字の場合はフルネーム、あるいは名前だけで呼ぶことも非常に多いからです。私も大体相手をフルネームで呼ぶことが多いです。フルネームだと相手は一発で気づいてくれます。日本人が中国の生活に慣れたか慣れていないかは、こういう名前の呼び方1つで判断することができますね。

それともう1つ気になったことがあります。私の会社の中国人課長の名前を仮に王さんとします。周りの部下からは老王(ラオワン)と呼ばれているのですが、皆様ご存知のように老は親しみと敬意の両方を表す言葉です。よって同年代の同僚や部下が「課長」という肩書きの代わりに使うことは問題ないのですが、かなり上の役職である日本人スタッフまでが老王と呼んでいるので私は違和感を感じてしまいます。

今日は中国人スタッフの名前の呼び方についてお話しましたが、こういう名前の呼び方1つで日本人の中国語に対する理解度を感じ取ってしまう今日この頃です。

以心伝心は日本だけです。

2009-11-13 00:20:07 | 工作雑感

今日、日本からの給料を入金している銀行の中国人担当女性から電話がありました。この銀行はこれまで現金引き出し代行業務と、その現金を会社まで送り届けてくれるサービスを行ってくれていましたが、安全のため送金サービスは中止したとのこと。今月から自分で現金を取りに銀行へ行くことになりましたが、その際「パスポートの原本を持参してください」と言われました。

このとき何故パスポート原本が必要なのか理由がわからなかったので、「何故パスポート原本が必要なんですか?コピーでOKですか?」と質問すると、「こちらの銀行に来られる際はパスポートを持参して下さい」と答えになっていない回答が来ました。「だからどうしてパスポート原本が必要なんですか?これまで現金引き出しにはパスポートのコピーだけでOKでしたが?」と質問し直すと「こちらの銀行に来られる場合は必要なんです。」を繰り返すばかり。埒が開かない可能性が強まったので、ゆっくり1つ1つ丁寧に質問を繰り返しました。

すると「銀行の入り口で身分確認を行う必要があるのです。安全のためです。」と、ようやく知りたかった回答を得ることができました。この手の会話、先日ブログにアップさせていただいたインフルエンザ予防接種の受付の女性とのやり取りと全く同じです。私は中国に来てこの手の問答が多いことに何度も驚かされました。日本人とならここまで質疑応答しなくても1~2回の質問で欲しい情報が戻ってきます。

この理由は未だに正確にはわからないのですが、自分なりに考えた理由が2つあります。まず1つ目は、中国人は他人の心をおもんぱかる習慣がなく、相手が何を聞きたいのか何をしたいのか理解しようとする能力にやや欠けている可能性があります。日本におけるサービス業の質が中国の比ではないという事実は、そういうことを意味していると思います。もう1つの理由は、中国の方は情報を収集しその事実を真摯に受け止め、分析して判断する能力に欠けている人が多いことです。後者の内容は後日また別のコラムでお話しようと思っていますが、本土に住む中国人から未だにノーベル賞受賞者が出ていないという事実と密接に関わっていると感じています。

上記状況から、普段の仕事の中でも中国人に仕事を頼む場合、自分の言ったことを完全に理解してもらえず、適当に、あるいは誤って処理されてしまうトラブルがよく発生し、イライラしてしまうこともあるかもしれません。

こういった事態に陥った場合は、考え方を変えることをお勧めします。それは、上述の「他人の心をおもんぱかる習慣」は世界的に見て普遍的な習慣ではなく、そういう意味で日本人の方が特殊であるという考えを忘れないことです。海外では日本での仕事のように、一言二言で相手が理解してくれることを期待してはいけません。相手が完全に理解できるよう指示内容ははしょることなくしっかり1つ1つ伝え、その後相手に仕事の進捗を報告してもらうことが肝要です。

工作雑感①~突然の会議

2009-10-20 22:55:05 | 工作雑感

新しく「工作雑感」というカテゴリーを増やしました。工作とは中国では仕事の意味で、このコーナーでは私CMfanが中国の会社生活の中で感じた中国人の考え方との間のギャップや奮闘した内容・上手く乗り切っていくコツなどを、気が向いたときに綴っていきたいと思います。

第一弾ですが、会議についてです。日本ではたまーに緊急会議が入ることはありますがそれは非常に稀で、大体の会議は前もって日程調整されていて、会議に向かって準備をし、招集者は会議で何を決めるか進行を決めておくのが普通です。しかしここ中国では、会議の70%は当日、しかも突然決まることが多く、大抵の日本人は困惑する習慣の1つになっています。このブログを書いている今日も3つの突然の会議があり、多忙でしたが仕方なく会議に参加しました。

中国ではあらゆる業務で計画に乏しいことが多く、それが故に何か問題が起きたときに緊急会議が開催されることになります。従って、会議の席では何の資料も準備されておらず、また会議中は色々な問題を一度に解決しようという感覚に陥る人が多く、1つ1つデータを議論し結論を出しながら先に進められる人が少ないのが現状です。

このような会議スタイルにより、会議時間は非常に長くなりますが、皆問題を何とかしようという意思は存在していますので、最終的には何とか解決にこぎつけてしまうのです。このパワーには感服してしまいますが、日本人としてはもっと計画性を持って欲しいといつも感じてしまいます。

こういうことにストレスを感じてしまう日本人にとっては、この習慣を逆手に取ることを考えるのがベストです。中国人は突然の会議や業務依頼を当たり前と思っていますので、周りのメンバーの都合を鑑みることなく、その場で会議や打ち合わせを開催し、メンバーに仕事を与えることができるのです。日本では根回しのような面倒な気遣いが必要ですが、ここ中国では幹部職員以外に対しては必要ありません。