ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ヴァンガードとマンボ

2015-03-31 04:17:33 | エッセイ

 最近、遅番の日に、2度ほど南町ヴァンガードに立ち寄って、コーヒーを飲む機会があった。そうだな、9時半過ぎころ。ずっと変わらない、サイフォンで淹れた濃いめのコーヒーである。きょうび、サイフォンで淹れた美味しいコーヒーが飲めるなんて、天然記念物並みであるのではないか?しかし、コーヒーの味のことが書きたいわけでない。

 朝の時間帯は、カウンターの中にヨシマサさんがいて、フロアには、マスターがいる。出勤前の客が引けた後の落ち着いた時間帯、と思いきや、とんでもない。店は、相当に賑わっていた。カウンターに5~6人、ボックス席もふた組ほど、良き年齢の男性ばかり、60歳前の私が、いちばん若い。

 中高年の皆さま、などというと綾小路きみまろ風だが、そんな風情ではない。高齢者、というのも違う。

 ジャズとコーヒーを愛する紳士たちである。

 会社の会長や、現役の経営者、職人、元公務員。

 港町気仙沼には、こういうふうに年を重ねた男たちがいる。

 なにか誇らしい気持ちになれる。

 もちろん、夜には、スナックで酒を飲んで演歌を歌って、ということもあるのだろうが、午前中は、行きつけのジャズ喫茶で、おしゃべりする。おばさんたちのように、甲高い声で止まらないおしゃべりというのではなく、少しは、ジャズに耳を傾けながら、コーヒーも味わいながら。

 気仙沼が好き、と称して足を運ぶ若い女性たちが、午前中のヴァンガードにそっと立ちよって、気仙沼で暮らしてきた紳士たちの会話を盗み聞きする、というのも旅の楽しみ、ということになる。もっとも、女性があんまり来すぎては、風情も失われるということで、この時間帯は、同時には1組、計3名までとか制限を加える必要があるかもしれない。

 なんてね。

 で、マンボだが、先日早い時間、7時ころに立ち寄って、コーヒーを飲んだ。ここも濃いコーヒーだが、店の構造上カウンターの中を覗くことがないので、何で淹れているのか定かではない。ペーパードリップだろうか。以前は、ネルドリップでまとめて淹れて、注文のつど、温めて提供していたはずだ。

 で、イチゴババロアは、家人に遠慮して注文できなかった。ひとりで食べてきたとは言いづらい。

 数日後、妻と、春休みで帰って来ている息子も連れて、あらためて、マンボに行った。

 評判のラーメンやカルビ丼セットで夕食としたあと、デザートに、イチゴババロア。

 今年からハーフサイズができたとのことで、3人とも、そちらにする。

 程よいサイズである。

 そうそう、この日も7時ころだったが、土曜日で、家族連れが多かった。少なくとも3組はいた。

 マンボは、喫茶店だが、アルコールも提供する。家族連れで来るような場所ではなかった。

 宴会のあとの、二次会で、コーヒーも飲める、パフェもある、もちろん、ビールも頼める、最後には、締めでラーメンも、という店である。いまでも、それは変わらない。

 しかし、いつのまにか、早い時間には家族連れでも入れる店となっていたようだ。

 ラーメンのセットで夕食を済ませ、イチゴババロアとか、チョコレートパフェとか、ブルーベリーヨーグルトとかをデザートに、みたいな。ファミレス、みたいな使い方というか。家族連れの旅行者にもお勧めとなる。

 息子は、イチゴババロア、ハーフサイズでも満足したとは言っていたが、次回は、ぜひ、レギュラーサイズで行きたいと言う。あとは、もう来年の楽しみとなる。


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