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安い羽毛ふとん・・・何故TTC(E85%・C15%)なのか

2018-11-21 14:58:59 | 羽毛ふとん

 通販などで販売されている羽毛ふとんをTVやネットで見ていると、側生地表示が実に小さな字で表記されていることが多いですね。(論外だが記述の無い広告も時々見かけます。) 特に安価な羽毛布団になるほど生地はTTC(ポリエステル混)が多い。中にはポリエステル100%も見受けられます。

 はたして、羽毛ふとんの側生地が綿100%から化繊中心の生地になるのは、羽毛ふとんの「進化」か「後退」か、少し考えてみるべきだと思いますね。安価な羽毛ふとんの側生地が、TTCあることの利点、また同時にTTCを使った羽毛ふとんの特徴・理由とは何でしょう。

【TTC生地の特徴(利点)】

  1. 生地代金がメチャ安い。・・・ 超長綿生地はTTCに比べ、数倍~十数倍代金が高い。
  2. 生地が薄く・柔らかい。… ポリエステル糸は綿糸に比べ、非常に細く生地が薄くできる。結果、軽い生地となる。羽毛の膨らむ力を妨げにくいので、未熟羽毛やファイバーの多いパワーの低い羽毛でも、ある程度ふんわりと膨らむ。
  3. 洗濯に強い。… TTCは洗濯による糸の変形が少ないことから、家庭洗濯が簡単である。ウォッシャブルの肌ふとんの多くがTTCであるのは、その特徴からです。

 良いことばかり‼⁇   そんな気がしますね。実際、羽毛ふとんの側生地を調べてみました。

      

 代表的な生地規格を調べてみました。(一部の生地の規格であって、総てを表すものではありません) 生地メーカーによって、規格は少し違うかも知れません。一例としてお読み下さい。

  • 300x245   綿100%サテン      94g/㎡   1.9cc
  • 120x120    綿100%サテン      98g/㎡    1.65cc
  • 100x100   綿100%平織       85g/㎡    1.7cc
  • 100x100   綿100%サテン    103g/㎡   …
  • 80x80      綿100%サテン     120g/㎡   1.45cc
  • 60x60      綿100%サテン    138g/㎡   1.2cc
  • 中国TTC   E85%・綿15%平織    95g/㎡   1.3cc 
  • 国内TTC   E85%・綿15%平織   102g/㎡   0.8cc
 概ね、糸の太い生地になるほど、通気度が悪くなり、重くなる傾向がありますね。その中にあって、TTCの生地はハイクラスの生地並みに軽く、羽毛の膨らむ力を妨げ難いと思われます。だが、その点は評価できますが、通気度は悪くなりますね。
 
 業界の基準値は、
  • 綿100%の場合、通気度は3cc以内/1回洗濯後4cc以内となっています。
  • TTCの場合、通気度は2cc以内/1回洗濯後3cc以内となっています。
  通気度は同じ基準でいい筈ですが、TTCの生地は通気度基準値が厳しく(悪く)なっています。その理由・必要はどこにあるのでしょうか。… 通気度が良いということは、反面「羽毛が吹出しやすい」ことではないでしょうか?  超超長綿ほど通気度が高いということは、羽毛が吹出し易いということだと思いますが、羽毛の噴出しが多いという訳ではありません。
 
 逆に、通気度が低いにも拘らず、TTCは羽毛が出やすいと言われています。これは、どういう事でしょうか? どうやら、羽毛が出やすい云々ではなく、ファイバーが突き刺さりやすく出やすい、という事のようです。
 

 

  ダウンの選別の話を思い出してください。ファイバーもダウンとカウントされます。品質の劣るファイバーの割合の多いダウンを多くすれば、羽毛代は安くできます。かつ、生地がTTCであれば生地代も安くできます。だが、TTCの生地には、総てのファイバーが突き刺さるという訳ではありませんが、突き刺さり「易い」と言う「特徴」があります。

 

 

 上記のイメージ図は極論的図ですが、何故か「TTC生地」にはファイバーが 縦に着き易い ようです。実際羽毛ふとんのリフォーム・リメイクをするとて解体してみると、その方の使い方や使用年数によっても違ってきますが、ファイバーが生地に突き刺さっている量が多いようです。悪まで爺の感想ですが…。

 TTCにファイバーが突き刺さりやすい理由は、TTCは綿15%エステル85%という混紡率ですから、静電気の関係ではないかと推測します。

 【欠点】… TTCの生地を使った羽毛ふとんは…

  1. 通気度が悪い。…… 糸か細いため、羽毛の吹き出しが起こりにくい。ファイバーの多い粗悪な羽毛でも吹き出しにくい。ファイバーの多い安価な羽毛を入れ、低価格の羽毛ふとんを作ることができる(かも?)
  2. 羽毛の良さである吸湿発散性を妨げてしまう。… 通気度が悪い事に加えて、生地自体の吸湿性が低く、蒸れやすい羽毛ふとんになる可能性が高い。
  3. 熱が逃げ易い-・・TTCの羽毛ふとんは、生地が軽くソフトであることから、羽毛の量を減らす事ができます。シングルの場合1.0kgや1.1kgが多く、羽毛の量を減らせば、結果保温力が低下することになります。
    綿100%素材の羽毛ふとんでは、1.2kg~1.3kgが多く、保温力は増します。数十年前の羽毛ふとんは、シングルで1.4kg~1.5kgが多かったですね。生地・仕立て方法などが進歩し、今のように軽量な暖かな羽毛になってきました。
    寒冷地のお客様からは、時々TTCの羽毛ふとんは「暖かくない」という声も聞きます。
  4. カバーとの相性(密着度)が悪くなる。・・・ ポリエステルが主であるため、すべり易く、特に綿カバーとの沿ぐいが悪くなります。ましてや、化繊混のカバーなら尚更「沿ぐいが悪くなる」でしょう。

 

 羽毛ふとんの良し悪しを左右する要素は、側生地と羽毛の品質だけではありません。価格も大切ですが、量や仕立縫製方法など、よ~く調べてお求め下さいね。

 

綿桂は【綿100%】にこだわりたい。

 TTCとは、概ねポリエステル85%綿15%の混紡生地のことです。

 

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4 コメント

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布団とダウンジャケット (クセル)
2019-01-13 02:38:41
失礼します。
布団と違ってダウン使用でもダウンジャケットのほうはまず綿がないのはなぜかわかりますか?登山だと綿という素材は濡れると乾きが遅く、身体が冷えてしまうからポリとかになるとは聞きますが、登山用ではない普通のダウンジャケットでも綿は使用してませんし、西川のダウンジャケットでも綿はなかったみたいですがこの違いはどこから生じるのでしょうか?
それと山地だと布団でもダウンは綿NGになるんでしょうか?吸湿性はよくても乾かないので
返信する
ダウンジャケットの機能 (jiji)
2019-01-13 17:33:32
ダウンジャケットに関しては、コメントできるだけの知識は有りません。東京西川がダウンジャケットを製造販売していたことも私は今始めて知りました。
登山などの経験もありません。知りうる範囲でのコメントですから、間違っていることは十分考えられますので、適当に読んで下さい。
基本的に、羽毛ふとんとダウンジャケットとでは、目的が少し違うように思います。羽毛ふとんは防寒も勿論重要な役目ですが、快適に眠ることがまず第一でしょう。一方のダウンジャケットは快適さも大事ですが、登山など外界での使用という点から、単なる防寒だけでなく、特に雨・雪での水濡れから、身体を守る(身体を冷やさない)ことが非常に重要なポイントだと思われます。エステル100%などの生地であれば、防水又は撥水性加工がしやすいこともあり、動きやすく軽量コンパクトであることも重要だと思います。エステル100%の生地であれば、羽毛がファイバー化した時も吹出しにくく(ファイバーの多い粗悪なダウンをあえて入れる業者もあると聞いています)、薄く軽く皺の付きにくいそしてコンパクトになるというダウンジャケットとして大切な機能のためには、綿100%より良いのかも知れません。
一方の羽毛ふとんには、原則防水機能は必要ありません。逆にムレを防ぐためには通気性や吸湿性といった機能が大切だと思います。TTC生地の羽毛布団は滑り易かったりしり、またカバーとのソグイ馴染みも悪かったりします。側生地とカバーとの関係も大事だと思われます。
>それと山地だと布団でもダウンは綿NGになるんでしょうか?吸湿性はよくても乾かないので <
乾かないほど汗をかくとは、考えられません。蒸れた方が寝心地が悪くなり、逆に保温力の低下を心配します。個人的には、寒冷地、山間部こそ、綿100%素材の方が、保温力が発揮されると思っています。TTCの羽毛ふとんを購入された東北地区のお客様の中には、綿100%より暖かくなかったと言われた方も見えました。
北海道など寒冷地では、化繊の毛布ではなく、タオルケットを冬季に毛布代わりに利用される方も多々いらっしゃると聞き及んでいます。
何がBESTかは、人それぞれで違うと思います。科学的エビデンスがはっきりしていれば良いのでしょうが、たぶん何処のメーカーも完全なエビデンスは持っていないでしょう。だから「他と・今までと比べて良い」という点だけを強調する広告宣伝になってしまうと思います。そして、弱点・欠点は言わない、見落としそうな小さな字で書いて逃げるのが、メーカーの常套手段だと思います。
判断基準・・・それは消費者の皆様が
何を信用するか・・・、何を基準にするか・・・、何を求めるか・・・。
返信する
Unknown (クセル)
2019-01-14 01:48:39
素早いお返事ありがとうございます。世界一わかりやすい『登山に綿のTシャツを着ていくのがNGな理由』https://yamahack.co/2909#content_167206_0_2
ダウンではありませんがこのような記事だと速乾性が重視されるので、もちろん運動している山地と状況が異なるのでいっしょにはするにはまずいかもしれませんね。ただ吸湿性だと<「グレファージュ ™」は、本来吸湿性の低いポリエステルを改質することで、綿並みの吸湿性を持たせたポリエステル短繊維です。汗を吸収することで、ムレを解消します。http://www.toyobo.co.jp/news/2016/release_6597.htmlのような特殊ポリエステルであれば羽毛布団でも大丈夫なのかということと、リヨセルのような半自然繊維であれば問題ないんでしょうか?西川でもリヨセル混があったので・・・
返信する
人も自然の一部 (jiji)
2019-01-14 09:53:41
繊維の特性には、吸湿性だけでなく、発散性・速乾性なども非常に大切な要素ですね。
老人となり頭が固くなり新しいことについていけなくなり、家族・従業員から「老害」を言われ、日々悪戦苦闘しています。そんな人間が言うことですから、笑いながら読んで下さい。
私は天然繊維こそ特に羊毛は、最高の繊維(総合TOP)だと思っています。
一方の化学繊維は、種目別優勝者のようなものだと思っています。強度、吸湿性、耐熱性など、それぞれの繊維には、天然繊維以上の優位点があります。
寝具(だけでは有りませんが)の場合、その人の体質(暑がり・寒がり・アレルギーの有無など)、使う環境(季節だけでなく、温暖地・寒冷地、住宅の構造など)によっても、期待される機能が違ってくると思います。
本来ダウンは吸湿性・保温性に優れています。だが、羽毛ふとんという製品にした場合、側生地で覆うことになります。その生地に問題があれば、ダウンの特性が殺されることにもなりかねません。
仰られるようにムレを解消できる繊維やリヨセルなどは、良い繊維だと思います。特にリヨセルは、個人的にも大好きです。リヨセルには吸湿性では優れた特徴があります。が、羽毛ふとんの生地としてはリヨセル100%は問題があると思いますが、その欠点を補うのが交織(エステル混にする)にすることだと思います。
羽毛ふとんが暖かいと感じるには、人が気にならない僅かなムレが必用なんです。蒸れ過ぎても、全く蒸れないのもダメだそうです。
世の中には「絶対」と言える繊維は、無いと思っています。期待する機能に最も良い素材を使うことが、そして、人に地球に優しい商品であることが大切だと思います。
【余談】
リヨセル(テンセル)100%のベッドパッドも、創ってみました。
https://www.watakei.com/page.php?pageID=22
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