モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

気温34度の茶臼山自然植物園へ。ベニシジミ、ジャノメチョウ、オオムラサキ、コクワガタ、フランスギク、エゾカワラナデシコ(妻女山里山通信)

2022-07-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が34度の予報の中、妻女山陣場平へ行きましたが、前回いたゼフィルスがまったく見られません。これでは撮影にならないと茶臼山へ。まず昨年撮影したハンミョウの生息地へ。なにもいません。茶臼山動物園南口の脇の道路を進んで茶臼山自然植物園の駐車場の最上部へ。梅雨が早く明けて、台風4号も当地ではほとんど降雨がなかったのでカラカラです。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。地面スレスレをせわしなく飛んでいます。三頭ほどがクルクルと回ったり、吸蜜したり。幼虫の食草は、スイバ、ギシギシなど。止まっているのはフランスギクの葉です。

 英国風のガーデン。雨が少ないせいか昨年より昆虫が少ないのが残念です。

 フランスギク(仏蘭西菊)で吸蜜するベニシジミ。

 フランスギクは蜜が多いのでしょうか、同じところで長い時間吸蜜していました。なくなると隣へ。

 アカツメクサで吸蜜中のルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。幼虫は、マメ科、ミズキ科、バラ科など、様々な植物の花やつぼみを食べます。庭にもよく舞ってきます。

 アジサイ(紫陽花)も昨年より花の数が少なめ。例年ならここでたくさん見られるクマバチも少ない。遠くに松代東条の奇妙山が霞んでいます。

 おそらくタヌキの糞で吸汁するオオムラサキ(大紫)のオス。タテハチョウ科の蝶は、樹液や山桑の実の果汁以外に、猪やタヌキの糞も吸います。汗をかいていると塩分を求めて手や指にとまることもあります。

 もう一頭がやってきました。場所取りのバトルが始まります。

 しばらく揉めましたが、結局それぞれの場所で吸汁。

 お腹がいっぱいになったのか、近くの樹木で休憩中。

 近づいても逃げないので最接近。口吻は使わないときは丸めています。昆虫なのに脚が4本に見えるのは、前の二本がほぼ退化して胸に折りたたまれているからです。黒く瞳に見えるのは偽瞳孔。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)も糞に吸汁に来ました。昨年はこの近くのシモツケの垣根に大発生していたのですが、今年はほとんどいません。糞で吸汁するのは初めて撮影しました。幼虫の食草は、ススキ、コメススキ、ショウジョウスゲなど。

 コクワガタのオス。東京の公園や森でもよく見られました。カブトムシやミヤマクワガタなどと比べると小さいので、少年たちの垂涎の的ではありませんが、可愛い。口に見えるオレンジのブラシで樹液をなめます。

 アカツメクサで吸蜜するジャノメチョウ。人の気配に敏感で近づくとすぐ逃げるのですが、それどころではないほど空腹かのどが渇いているのでしょう。

 相当お腹が空いているのか、長い時間吸蜜していました。暑さで頭がクラクラしてきました。自然植物園の中ほどにある展望台で休憩。他にはコミスジ、イチモンジチョウ、ミドリヒョウモンが舞っていました。

 展望台の下から東の眺め。松代方面です。奇妙山の後ろには雲に隠れた根子岳と四阿山。

 バナナではないですよ。ニッコウキスゲに似たユリの残花にキスゲフクレアブラムシ。別名はゴンズイフクレアブラムシ。橙黄色でロウ質の白い粉で覆われています。

 北米原産のルドベキアの一種。草丈が150センチぐらいあります。別名は松笠菊。

 クガイソウに似ていますが、ヒメルリトラノオ。ヨーロッパ~北アジア原産のベロニカ・スピカータの小型品種。

 エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)。北海道、本州(中部地方以北)の山地の日当たりの良いところに自生している多年草です。苞が2対で、花弁の先が細かく別れています。低山ではカワラナデシコ、高原に行くとタカネナデシコが見られます。

 オドリコソウの仲間だとは推測できるのですが外来種ですね。草丈がかなりあります。私の背丈よりあります。画像検索すると、Lamium orvalaやHedge woundwortと出ます。いずれもシソ科でオドリコソウの仲間ですが。こんなに草丈の高い種はありません。なんでしょう。引き続き調べます。記事は、誤りや不明な点が解明できたとかの場合に加筆修正することがあります。特に通知はしませんが、できるだけツイッターに載せるようにします。

 昆虫が少ないので、動物園北口下に行ってみました。恐竜公園があります。小学生が昆虫採取していました。何か捕れたと聞くとオオムラサキのオスが二頭。餌なにをやればいいか分かる?と聞いたら樹液といいうので、シロップや果汁でもいいよと言いました。そして撮影した写真を見せてあげました。昆虫採取を通じて命と触れ合うということは重要です。
 この恐竜はお腹の横に穴があって、小さな子なら入って口から頭を出して「ギャー!恐竜に食べられたぁ」という動画や写真を撮ることができます。きっとバズります。

 目ぼしい昆虫がいないので帰ることに。公園から望む妻女山山系。なだらかな丘陵地帯で山村がある西山と、険しい妻女山山系は地形も土質も異なります。そこが面白い。

 妻女山展望台からの茶臼山。自然植物園や動物園、恐竜公園の傾斜地は、上の崩壊した茶臼山南峰から続く地滑り地帯です。茶臼山の地層は、浅いところに亜炭や泥炭の層があり地中深くまで水を通さないため、大雨が降ると表層部が地滑りを起こしやすいのです。そのため山中に水を抜くための施設がたくさんあります。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 森の線香花火ネムノキの花。... | トップ | 戻り梅雨の晴れ間に妻女山陣... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アウトドア・ネイチャーフォト」カテゴリの最新記事