菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

仮想味方。 『架空OL日記』(2020)

2020年03月24日 00時00分45秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1690回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『架空OL日記』(2020)

 

 

 

銀行で働くOLたちの他愛のない日常の悲喜こもごもを、ドラマ版のテイストそのままに、ユーモラスかつ等身大の会話劇で綴るオフビートコメディ。

 

人気芸人のバカリズムが銀行のOLになりきって綴ったブログを、バカリズム自身の脚本・主演でTVドラマ化し、深夜の放送にもかかわらず第36回向田邦子賞を受賞するなど高い評価を受けた話題作を映画化。

 

共演は夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩、三浦透子ら、ドラマ版のレギュラーが続投。
新キャラに、シム・ウンギョン、坂井真紀、志田未来、石橋菜津美。

監督は、ドラマ版に引き続き住田崇。

 

 

物語。

"私"は、実家暮らしの銀行のOL。
ちょっとしたことで一喜一憂する彼女は、どこにいても自分語り思考が止まらない。
そして、職場での更衣室、出勤の道、帰路、食堂、行内、カフェなどで、同期のマキ、姉御肌の先輩の小峰さま、酒木さん、後輩のサエちゃんら、いつものメンバー、友人とのおしゃべりがたまらなく楽しい。

原作・脚本は、バカリズム 『架空OL日記』(小学館文庫)

 

 

出演。

バカリズムが、私。

夏帆が、藤川真紀。
臼田あさ美が、小峰智子。
佐藤玲が、五十嵐紗英。
山田真歩が、酒木法子。

三浦透子が、真壁香里。

坂井真紀が、小野寺課長。
シム・ウンギョンが、ソヨン。

石橋菜津美が、クミ。
志田未来が、リエ。

 

 

スタッフ。

製作は、菊川雄士、長澤一史、潮田一、村松克也、柵木秀夫、花房秀治、河野洋範、田中祐介。
企画プロデュースは、小林伸也。
エグゼクティブプロデューサーは、佐々木加奈。
プロデューサーは、古島裕己、伊藤太一。
ラインプロデューサーは、奥泰典。

助監督は、関根淳。


撮影は、早坂伸。
照明は、田島慎。

美術は、木村文洋。
衣裳は、坂井央里英。
メイクは、
鈴木海希子。

録音は、西條博介。

主題歌は、吉澤嘉代子 『月曜日戦争』。
オープニング曲は、TOWA TEI 『Love Forever』。

編集は、西尾光男。

 

 

 

 

現代日本、銀行勤務OLの私とその同僚らの他愛ない日常の悲喜こもごもを綴るオフビートコメディ。
ブログ、書籍、TVドラマから映画へとメディアを渡りつつも原作者の手を離れなかった稀有なシリーズがTVドラマと同じスタンスのままで映画化。
映画ならではの仕掛けが最後の最後にある。実はある語りのコンセプトがうっすらとある。これに気づくと映画としての評価はガラッと変わるだろう。
全キャストの肩の力の抜けたふるまいを楽しむ。
シム・ウンギョンは『新聞記者』、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』とも違う身軽さでその幅を見せつける。
この銀行メインバンクにしたい。
技法的には薄いはずなのにくどいところも。
日記という古典的物語の作法で虚構の原点を見る。
ある意味ではSF的にさえ見える。
日常の息抜きの二つの道を歩く唇作。
 
 
 
 

 

 

 

おまけ。

製作国は、日本。
上映時間は、100分。
映倫は、G。
 

TVドラマ版は、2017年。

 

TOHOシネマズ新宿では、4DX対応劇場で通常上映していたので、妙にいい椅子で見れたが、他の人が笑うたびに椅子が揺れるので、人の笑いを体験するという妙な4DX体験となった。
感情移入と違う感情連動。

 

 

 

夏帆とシム・ウンギョンは『ブルーアワーにぶっ飛ばす』でも共演。

 

 

 

 

 

ネタバレ。

実際、ドラマとほぼ変わらないのだが、オチによって、全体が仮想と現実の融合のようなものが起きる。そもそも架空ではあるが、架空の自分を生きる、架空の話題を楽しむということ自体がテーマとなって現れてきている。

それは、リップクリームを何本を持つように、想像が脳内に潤いが与えられるとでもいうように。
想像の中で、物事を進めてしまう恐ろしさもある。

流れでいう悪口、愚痴、イメージの汚れ、自分で作った虚構を楽しむことは、他人が作ったフィクションを楽しむのと同列で、人々はそうやって物語を作って現実を生きているともいえる。

ブログ、書籍、TVドラマ、映画、ソフトと増殖していくことも、自分は一人ではないという意識させ、浮かばせる。

 

皮肉な目線ではなく、相対化された男性目線だが男性がいない女性たちのスケッチ。

元はブログで、TVドラマ版の最後にはそのブログ風のエンディングが流れていた。なので、この映画も自分思考というよりは、私という人物を主にした日記であり、私小説ならぬ私映画といえる。
だから、私のモノローグは人に読ませるための文章を読んでいる形になる。
しかも、架空。
ある意味では、偽自著伝記でもある『ドン・キホーテ』にも近い。
それをバカリズムが書いており、本人が演じ、最後、バカリズム本人に戻るという意味では、架空の日記を現実に戻したともいえる。

ブログは出てこないが、タイトルに日記とあるから、日揮があるとみていいだろう。

いうたら、『ガリバー旅行記』も架空の人物による架空の旅行記であり、ある意味ではフェイクノンフィクションの体をとっている。今作では、非常に古典的な物語の体裁を現代的スタイルでやっているともいえるのだ。

 

日記スタイルは『クレールの膝』や『(500)日のサマー』や『この世界の片隅に』でも応用されている。

 

ある意味SFと書いたのは、リプスティックのエピソードで円環させているように、並行世界を匂合わせていると読んだから。
バカリズムは『素敵な選TAXI』でもSFを書いている。

 

 

時計の映像効果は、あそこまであると、ちょっとJだったなぁ。

 

 

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