宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ダークマターの手がかりを“フレア領域”に発見

2014年05月24日 | 宇宙 space
天の川銀河の円盤外縁部がふくらんだ“フレア領域”に、5つの星が位置することが分かりました。
こうした“フレア領域”の天体は、その分布や運動に影響を及ぼす“ダークマター”を調べる手がかりになるので、
期待されているんですねー
天の川銀河と、“フレア領域”でのケフェイド変光星の分布(図中左側)。
図の右側は太陽系(オレンジ)周辺。

私たちの天の川銀河の円盤には、
外側がふくらんで厚くなっている“フレア領域”と呼ばれる部分があります。

銀河のほとんどの恒星や星間ガスは、銀河円盤に集まっているのですが、
この“フレア領域”に恒星が存在するかどうかは、いままで分かっていなかったんですねー

この研究では、南アフリカ天文台の望遠鏡を用いて、
2012年にポーランドのワルシャワ大学が、ケフェイド変光星として報告した天体を観測しています。

ケフェイド変光星は、数日から数十日の周期で明るさが変動し、
その変光周期と明るさから距離を測定できるという特徴があります。
この性質から、5つの変光星は6~10万光年彼方、しかも円盤から銀河円盤と垂直な方向に約3000光年以上離れた、“フレア領域”内の天体であることが判明したんですねー

この“フレア領域”での恒星の分布と運動は、未知の重力源“ダークマター”の存在に影響されるので、
今後これらの天体や、同じような場所にある恒星を詳しく調べることで、天の川銀河の外縁部にある“ダークマター”の調査につながると期待されているんですねー