幻を見たと思いたい…

2014-10-30 14:25:49 | Weblog
殊更に深刻に捉えてはいけないのかもしれませんが…。


昨日は定時退社。
バスも電車も順調で、自宅最寄り駅到着は23時。
家に着いたら買った大根の下拵えをして、なんぞと考えながら歩いておりました。

信号を渡り1ブロック進むと、お義理程度の街灯しかないため辺りは急に暗くなります。
と、少年が一人、向かいから歩いて来ました。
年の頃は10歳前位でしょうか。
背は高くなさそうですが、緑色の半袖Tシャツと膝丈のジーンズぽいズボンが痩せた身体つきとヒョロッと細い手足を否応なしに強調して見せています。
体感気温は一昨夜ほど寒くないかもしれませんが、半袖半ズボンで過ごせる外気温ではありません。
身体を小刻みに震わせるようにチョコチョコと、でも一定の速さを維持した歩みです。

男の子ではあっても、小学生にしか見えない子どもが23時過ぎに一人で外を歩く姿は尋常とは言えません。
更に、彼の服装は今の季節にそぐわないにもほどがある…。
彼には申し訳ないが、全身ゾクッとして、一瞬幻か幽霊でも見たのかと思いましたよ。
すれ違って後に振り返っても、最初に見た時と同じ速さで歩いていましたから、確かに存在している…。

迷いも躊躇いもなく目的地に向かって一心に歩いていましたから、駅又は駅周辺に家族を迎えに行ったのでしょうか。

彼がこちらに助けを求めたり、何かを要求してきたわけではありません。
すれ違う者は眼中にないかのように、ひたすら歩いていただけです。

彼の姿を見てショックを受けたり何かしらできないかと考えるのは、こちらの傲りやお節介でしかありません。
これも現実の一つなのだ、と受け止めるしかないのでしょう。
ですが、気温に即した衣服を着用し、夜は安心して眠ることができる環境を調えるすべはないものか、と思ってしまうのです。