「大統領の料理人」他

2008-09-05 12:21:07 | Weblog
長月に入っても、相変わらず情緒不安定な空模様…。満月まで確かあと十日弱のはずですが、仲秋の名月は果たしていかがなりますか…!?
とは申せ、さすがに体温を超える気温はなくなったみたいで、ぼちぼち本&コミックを広げています。「Papa told me 完全版」、「大統領の料理人」(ウォルター・シャイブ/KKベストセラーズ)、「いっちばん」(畠中恵/新潮社)、「雨柳堂夢咄」(波津彬子/朝日新聞社)、「綾とりで天の川」(丸谷才一/文春文庫)、「お言葉ですが…別巻①」(高島俊男/連合出版)…。
時局を狙った選択のつもりはありませんが、「大統領の料理人」はクリントンファミリーとブッシュファミリーの違いが、ホワイトハウスの料理長の目を通して浮かび上がってくるなかなか興味深い一冊です。もしもヒラリーがオバマに負けずマケインにも勝ってホワイトハウスに戻れたなら、この本の著者も再びホワイトハウスのキッチンに招聘されたかしら…なんて考えるのも、無責任な読者ならではの楽しみ。何点かレシピも掲載されていましたが、個人的には食欲を刺激されませんでした。
「お言葉ですが…別巻①」は、かつて週刊文春に連載されていたものが掲載誌を変えて再登場したわけではなく、単行本未掲載の文章(「エッセイ」などと書いたら罵倒されるかも…笑)を集めた本です。初めて「お言葉ですが…」を読んだ時は、小言幸兵衛めいたところが山本夏彦みたいで面白いと思ったものですが、作者の年齢が私の予想(大正末年~昭和一桁)よりも若くてちょいとびっくりしましたっけ。
「雨柳堂夢咄」を読んでいつも連想するのは、上野桜木の桃林堂のこと。店のたたずまいが何とはなしに似ていると、勝手に思っています。今の時期でしたら、やはり【生水ようかん】ですよね。口の中でさらりと溶けて上質の小豆餡の香りが広がる幸福…笑。クール便で取り寄せ可能だそうですが、できれば店頭で迷いながら購入したいもの。京都の老舗も良いですが、東京の住宅地でひっそりと営業している菓子舗も捨てがたいですね。ああ、でも桃林堂の本店は大阪・八尾でしたっけ。