ネコ・ねこ・猫

　天気晴朗なれど波高し「風平浪静了」、何故か「トラ・トラ・トラ」・・・が浮かんでくる。映画か、小説か、「坂の上の雲」か・・・

　あの日露戦争、日本の連合艦隊とロシアのバルチック艦隊との決戦で、東郷平八郎司令長官は「本日天気晴朗なれど波高し」と大本営に打電して旗艦三笠以下を率いて出撃した。

　対馬沖で、バルチック艦隊と連合艦隊は激突し、東郷長官は、旗艦三笠のマストに「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」とＺ旗信号を揚げ、全軍の士気を鼓舞し、日本海海戦が始まった。

　「トラ・トラ・トラ」は、太平洋戦争の口火を切った日本海軍の真珠湾攻撃成功を伝えた電信である。意味は「ワレ奇襲ニ成功セリ」である。ハワイ攻撃隊長淵田美津雄中佐の搭乗する九七式艦上攻撃機から発信されたという。

　映画でこれを読み上げ報告するシーンが印象的であった。

　それから３年８か月後、「・・・然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス・・・」玉音放送である。

　国民は、「耐えて忍んで」不死鳥のように急速な復興を成し遂げたのである。私は、食べることに汲々としてきたが、１８歳の昭和３３年ころには、日本も世界に羽ばたいていた。

　今は「竹島」も「尖閣諸島」も粛々と有言実行のみである。
　狐と狸の化かし合いが何時まで続くか、「ネコ・ネコ・ネコ」のＺ旗・信号は未だかである。