サマコン・オープニング「美しき日本の創造に向かって」の会場はパシフィコ横浜・国立大ホール。
暗転した舞台にパネリストの上戸彩さんが登場。
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上戸さん「この国には二千数百年にわたる悠久の歴史と文化や伝統があります。四季折々に変化する日本の素晴らしい風景。礼儀作法が重んじられ、外国からも高い評価を受けてきた日本の精神文化。この国には世界に誇れる素晴らしいものがたくさんある。そこには先人達の叡智と希望が満ちあふれていました。この国に生まれて本当に良かったと、すべての子ども達が心からそう思える美しき日本へ回帰するために、私たちは一人でも多くの人にこの国の素晴らしさを伝えたい・・・。これよりサマーコンファレンス2006を開会致します」
上戸彩さんの開会宣言により2006年のサマコンは華々しく幕開けしました。
オープニングムービーのテーマは「美しき日本」。
続いて司会者の有賀さつきさんが登場。
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流れるような実に美しく素晴らしい司会進行に感動しました。
有賀さんの紹介で各パネリストが登場。
荻原健司さんはお辞儀や歩き方も颯爽としていて、北澤豪さんはスマートでカッコよく、一流のスポーツ選手は動きに無駄がなく奇麗です。
大日方邦子さんはとても気品があって美しい方で、トリノの冬期パラリンピック大回転1位の金メダリストで、現在はNHK教育番組のディレクターをされていらっしゃるそうです。
最後に上戸彩さんが再登場、会場の全員が起立し、国歌を斉唱しました。
荻原さん「こうして国歌を斉唱すると、14年前に金メダルを取り、日の丸が上がったシーンを思い出してジーンとします。あの時は日の丸を持ってゴールしたのですが、スキーヤー荻原ではなく、日の丸がゴールしたシーンに皆さんが感動して、それで今でも覚えていてくださっているのだと思います」
こんな感じでパネリストの方がそれぞれお話しされるのですが、皆さん、話が簡潔で巧く、一流の選手は頭脳も明晰であるということをあらためて実感しました。
特に印象に残った箇所をいくつか紹介したいと思います。
北澤さん「チームが強くなればなるほどミスが許されなくなります。サッカーは団体競技ですから、選手は自然にチームで助け合うことを身に付けます。それで、現役引退後も人の助けになることはないかと思い、現在は選手とは違った視点でサッカーを通じ活動しています」
大日方さん「スキーを始めて5年目でオリンピックに出られたのは本当に運が良かったからだと思います。長野オリンピック開催が決まったので、その前のリレハンメルを若手選手に観せておこうということで私も連れて行ってもらい、その時に、<世界の大会で戦うことの素晴らしさ>や<日本を代表することの素晴らしさ>を出場選手から感じて、<自分もこの世界でトップに立ちたい>と強く思いました。その時のことがなければ今の私は無かったと思います」
上戸さん「トリノオリンピックに取材に行かせていただいた時、選手の方たちの笑顔が素敵でキラキラしていて、こんなにも誇りを持ってスポーツに接している姿が羨ましくて嬉しくて、選手の方たちに元気をもらい、とても勉強になりました」
荻原さん「僕は選挙の時に“この国にスポーツマンシップを”というスローガンで出馬したのですが、当時はスポーツ選手だったということで、スローガンも割と安易な感じもあったのですが、当選して2年間の国政経験から、今しみじみ思うのは“この国にスポーツマンシップはあるのか!この国の正義はどこに行ってしまったんだ!”という憤りです。ですからまずは国政に“スポーツマンシップ”と“正義”を浸透させ、社会に拡げていきたいと思っています。スポーツにはルールがあり、当然、社会にもルールや決まりがある。そういうことを教え、丈夫な体を作るためにも子ども達にはスポーツが必要だと思います。日本には四季があり美しい自然があります。自国の文化や素晴らしいものを、自信を持って海外に伝えていくことは大事です。アイ・ラブ・ジャパンですよ。やっぱり四季はいいです、でも一番好きなのは“冬”かな(笑)」
北澤さん「スポーツは勝負の世界ですから、自分の思い通りにならないと感情的になりがちです。しかしスポーツの根底には教育とかモラルが絶対に必要で、感情が一番ではないのです。日本人には選手も観客も、モラルやルールを守る国民性があります。この日本人の特性は海外でも評価を受けています。今、アフリカでも子どもたちにサッカーを教えているのですが、200人~300人のチームにボールが一個しかないなのです。ですからそこでは試合がすべて、ハングリーさはズバ抜けています。しかし規則性のある練習や教育がスポーツには必要なのですから、そういうことも教えるようにしています」
大日方さん「オリンピックが日本の長野で開催されたお陰で、パラリンピックも国内で注目されるようになりました。実は長野のパラリンピックは誰も注目しない寂しい大会になるのではと思っていました。というのも当時はパラリンピックの大会をさせていただく以前に、会場施設を使わせてもらえないという状況だったのです。危険だからという理由です。ですから何度も会場に行って説明して、実際に競技を見せて理解を得ました。そういうこともあってパラリンピックを見てくれる人は少ないのかなと心配していました。ところが実際は沢山の方が観に来てくださり、競技の直前、コーチから無線で<この観客の声が聞こえるか!>と無線から観客の大歓声が聞こえてきたのです。その瞬間、力が湧いてきました。応援がこんなにも大きな力になるということを初めて実感しました。今年のトリノ大会の時も、大勢の観客の方がゴールで待ってくれていて、その中には日の丸を持って日本からはるばる応援に駆けつけてくださっている人たちもいる。メディアの方もたくさんいる。テレビを通じて日本でも皆さんが応援してくれている。インターネットを観れば日本でも盛り上がってくれている。新聞の記事にもパラリンピックのことがいっぱい載っている。そういうこと一つひとつが選手一人ひとりの大きな力になりました」
北澤さん「地域で人を育てるのは大事です。自分自身も父母だけでなく地域の皆さんに育てられました。サッカーのクラブチームの理想は地域に根付いて地域に還元していくということです。今、納得できない事件が多いのは、他人事になっているからで、単に個人の問題でなく地域や社会の問題として皆で解決していかなければより良い社会にはなっていかないと思います。JC(青年会議所)の皆さんから風を起こして頑張ってください」
美しき日本をテーマに開催されたサマコンのオープニング。
パネリスト、コーディネーターの皆さん自身が美しい人ばかりでした。
美しいということは外見を飾ることではありません。
先人が大切にしてきた美学を、我々は後世に伝えていかなければと感じました。
※会場内は写真撮影が禁止されていたため、日本JCのサイトに掲載されたものを使用しています。