懇親会は筑前七浦のプロモーション映像で幕が開き、続いて小林正勝代表の挨拶が始まりました。
この時の小林代表の挨拶文を紹介します。
筑前七浦 発起人代表 発会式挨拶
本日はお忙しい中、「筑前七浦」発会式に、九州運輸局観光企画部長加藤進様を始め、芦屋町・岡垣町・宗像市・福津市・古賀市・新宮町の町長・市長、そして関係者の皆様方、また地域の皆様方、多数ご臨席いただきまして、誠にありがとうございます。
世界有数の漁場である玄界灘・響灘に面し、豊かな自然と穏やかな風土に恵まれた私たちの住むこの「北部九州沿岸地域」。ここは古(いにしえ)より様々な交流や交易を通して、文化と産業を育み、発展させてきた「活力ある地域」です。
また、世界遺産暫定リストにも掲載された「宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、大陸との往来の重要拠点であったことを示すだけでなく、世界に誇る日本伝統文化の象徴として今、全国から大きな注目を浴びています。
昔から「鯨一頭七浦を潤す」と申しますが、まさに私たちの先人は、海図やエンジンもない時代に、大いなる海原をまたに駆ける並外れた行動力と生存本能を持ち、共存共栄を図ってきたのでした。
この「北部九州沿岸地域」は、行政においては芦屋町から新宮町までが連携し、広域観光事業を推進しています。
行政と民間は車の両輪であると例えられますが、まさしく「ひとつの観光圏」として、このエリアの持つ観光資源に磨きをかけるため、地域で観光業に従事する者から、互いに切磋琢磨し、それぞれの地域の強みを活かした「地域力」の開発と発信を行っていくべく、「筑前七浦」を設立いたしました。
地域や業種や規模の大小を問わず、それらが横断的に結び合うことで生まれる、新たな「ブランド」づくりを目指します。
その取りかかりとして、日本人の文化と歴史を象徴する「沖ノ島」を中心に、筑前七浦の力の発信源「パワースポット」と、いやしや活力再生の根本となる食文化「パワーフード」を当会が実施する活動の第1弾として「秋の筑前七浦きれい旅」を企画しました。
そして、今後もさらに自然や景観、歴史、伝統、文化、産業等の地域資源といった新たな観光魅力の発掘や、それを活かした体験プログラムの充実と民間・団体・関係者をはじめ幅広く連携をして、知恵と工夫に富んだ観光まちづくりの取組みを企画・展開していく予定です。
ここで紹介したい新聞記事がございます。
<2010(平成22)年8月29日(日)「鐘崎海人航海日誌」>
「~この国の水産資源は、もう限界状態にまで枯渇している。それは地球規模の環境の変化などよりも、漁師自身の乱獲からきていると思われる。人間が歴史とともに培ってきたはずの知恵や技術の多くが、少ない水産資源を、いかに効率よく、より多く捕ることにしか発揮されていない。そして家族のため、乗組員のため、はたまた国民のためにと一生懸命魚を捕ってしまうことが、自分で自分の首を絞める悪循環に陥っている現状。さらに、魚のほとんどは回遊性で、資源の保護や管理は、もっと広い範囲で、今以上に徹底的にやらないと本当の効果が得られない。資源小国といわれる日本ですが、海岸線の長さや魚の種類の豊富さなど、日本は漁場環境に関しては、世界トップクラス。鉱物資源などとは違い、捕れば必ず枯渇するものではなく、森林資源のように回復に何十年もかかることもありません。上手に海と付き合えば、捕りながら増やすことができるのが海洋資源なのです。ということは、環境さえ整えば、この国にとって莫大な利益を生む可能性がある。そのあり方をいち早く実現し、ホンモノの漁業先進国として、世界を引っ張っていく。それが僕の望むこれからの漁業の姿であり、日本人の姿なのです。」
(福岡県宗像市、漁師)
これは26歳の青年漁師の書いた記事です。これが未来の漁業を担ってゆく、今の若い漁師さんの現実と想いなのです。
現代に生きる我々は、次なる未来に対する責任を負います。子ども達が、この地で生業を引き継ぎ、自分自身を成長させていけるステージを創るという仕事が、我々には化せられているのです。
本当に価値のあるもの、真に素晴らしいものは、ただ自然が与えてくれるのではなく、人がしっかりと育てていくものです。人の想いこそが宝物を生むのではないでしょうか。
今日、ここにご臨席を賜りました皆様と共に、「筑前七浦」という「感動共有のボーダレスステージ」を作り上げていこうではありませんか。
農業者、漁業者、商工業者、そして七浦人がそれぞれ掛け合うことで生まれる6次産業化を「筑前七浦」は推進していきます。そのためにも、ひとりひとりが「七浦人」として、この「筑前七浦」のことを、もっともっとよく知り、さらに磨きを掛け、その素晴らしさを、これから多くの人々に伝えていきましょう。
今日はその、最初の第一歩を踏み出す、大事な日なのです。
さて、そんな大切な夜に、公私ともご多忙な中、発会式にお越しいただいた皆様を、私たちは心を込めておもてなしさせていただきます。
まずは今宵、筑前七浦の旬の食材をライブで調理するブースなど地域が有する「食の魅力」をご堪能ください。そして、皆さんそれぞれが結び合う、有意義なひと時となりますことを切に願う次第であります。
最後になりますが、本日の発会式を開催するにあたりまして、多大なるご支援を賜りました、関係者、スタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
という内容の発起人代表挨拶でした。
続いて、発起人の紹介。
北から順番に紹介します。
・本田一郎(割烹旅館かねやす)/若松区・芦屋町
・渡邉公義(湯治の宿と岩盤浴処「響」)/芦屋町
・小役丸秀一(グラノ24K)/岡垣町
・花田二郎(和風食事処「おおしき」)/岡垣町
・太田信博(海辺の料亭旅館「はつしろ」)/岡垣町
・甲斐公士(玄海ロイヤルホテル)/宗像市
・小林正勝(御宿はなわらび)/宗像市
・井上正文(ムナカタサービスクリエイト)/宗像市
・高島亮一(夕陽のみえる宿「華杏弥太楼」)/福津市
・眞武祐一(ジョイトラベル)/古賀市
・進藤光代(新宮のおいしい干物「進藤商店」)/新宮町
そして、宗像観光協会の稲田亨事務局長や別格本山「鎮国寺」の立部瑞真さん、 NPO九州コミュニティ研究所の耘野康臣さんらの強力なサポートのもと、発案からわずか半年で発会式を迎えることができたのでした。
さて、懇親会では松本國寛県議のご祝辞に続き、6市町の首長さんをはじめ、国や県の行政の皆さんと一緒に鏡開き。
乾杯のご発声は地元岡垣町の宮内實生町長。
お酒や料理はもちろん、筑前七浦産です。
氷のオブジェも「ぶどうの樹」のシェフ作。
MCは三宅智子さん、私はサポートだけ。
NHKさん、TNCさんのTVカメラも取材で入ってました。
当日はNHKの夜のニュースでも発会式の模様が放送されたそうです。
発起人もサポーターの皆さんも、それぞれの持ち場で汗を流しました。
また、一番嬉しいのは、この場で出会った方々がそれぞれ交流を深められたことです。
今までありそうで無かった、地域や業種の枠組みを越えた観光の6次産業化。
多くの方から賛同をいただき、お陰さまで懇親会も盛会に終えることができました。
ご出席いただきました皆様に厚く御礼を申し上げます。
「七浦宣言」
1、筑前七浦の豊かな歴史と文化を守り、地域を学びます。
2、連携する仲間とともに、新たな価値を創造します。
3、魅力あるサービスを構築し、感動を生み出すブランドを目指します。
4、積極的な情報提供で、筑前七浦の魅力を発信します。
5、地域の活性化を通して、地域経済の発展に努めます。
6、地域社会に貢献し、 筑前七浦の笑顔を生み出します。
7、筑前七浦を愛し、子どもの未来へつなげます。